和光小学校の意欲と発見を引き出す『調べ学習』が、朝日小学生新聞2011年(平成23年)9月30日金曜日に掲載されました。二次掲載許諾を頂きましたのでこちらでご紹介します。
東京・世田谷の住宅街にある私立小学校、和光小。ここでは、子どもの意欲を引き出そうと、調べ学習に力を入れています。子どもたちは日々、本物にふれる体験をしたり、新聞や資料にあたったりして、自分で見つけた疑問点と向き合っています。和光小の教育の特徴を鎌倉 博校長に聞きました。 (記者:渡辺真理子)
--------学ぶ育つはばたく----------
意欲と発見を引き出す「調べ学習」
-----調べ学習に力を入れるようになったきっかけは?
本校は戦後、子どもをしゅやくにした「手づくりの教育」で学校の特色を打ち出していくことにしました。
手づくりの教育とは、授業は教師が教科書にそって行うものがすべてではないという考え方です。そのため、子どもの意欲や発見を引き出す授業づくりに取り組んできています。その意欲や発見を引き出す方法として大事にしているのが、調べ学習です。
調べ学習では、子どもが何かに触れたときに発見したことや問いを逃さずに、とことん追求する学習です。先生も子どもも一緒に調べます。そのことで、子どもの視点に触れ、先生も新しい発見を得ることできます。子どもと先生がともに授業をつくる形ですね。
ある子が投げかけた疑問が授業のテーマになることも少なくありません。
-----どのように授業が行われているのですか?
たとえば、一、二年生は夏休みに「コツコツどかん!」という課題が出されます。何でもいいので、毎日コツコツ一つのことを続け、二学期の始まりに提出し、一人ずつ発表します。
私がクラスを受け持っていたとき、国語の授業で『あいうえおうさま』(理論社)という絵本を読んだことがありました。
『あいうえおうさま』は、「あいうえお~」の五十音表にのっている文字について、その音をたくさん使った詩を楽しい王様の絵とともに紹介した絵本です。
すると、夏休みに『あいうえおはなし』という自分の絵本をつくってきた一年生がいました。その子の絵本では「あ」の詩は「あいうえおかし あめがだいすき あいすもおいしい ああつめたい」とありました。
こうして、「ん」までつくってきたのですが、一つ一つがおもしろかったので、その子の詩をパソコンで打ち、国語の教材にしたことがありました。
セミの抜け殻を千個集めた一年生もいます。
四ケタの数字は一年生では習いません。しかし、その子は算数で、十のかたまりでものの数や量を表現するおもしろさを知り、親子でセミの抜け殻を集め、縦に十個、横に十個並べた箱を十箱つくって百や千の数を表現してきたのです。その後、算数の教材として役立たせてもらいました。
工夫すればならっていないことも調べることができるのですね。
工夫がやる気を生む
新聞は大事なツール
-----調べ学習で新聞を使うこともありますね。
和光小では沖縄の地元の新聞を一週間ごとに郵送してもらっています。六年生が沖縄の平和学習の教材として使っているのです。沖縄の平和学習は二十五年前から続けています。
子どもたちは家でとっている新聞と沖縄の地元紙を読み比べることもあります。そのとき、子どもたちが一番おどろくのは、同じ記事でも新聞によって割くスペースや取り上げ方などが違うことです。
去年、普天間飛行場移設問題の記事が各紙にのったとき、沖縄の地元紙では1面で取り上げられているものが、全国紙
では中面にありました。記事の分量も違いました。
子どもたちは「地域によって注目するニュースや取り上げ方が違うんだね」と話していました。
ほかの授業でも、新聞を取り上げる機会はあります。子どもたちは、新聞は調べ学習をするときの大事なツールの一つとしてとらえているようです。
-----調べ学習を通じて、子どもたちはどんなふうに育っていますか?
好奇心旺盛でのびのびしている子が多いです。授業中も活発で発言もよくします。これからも調べ学習を通じ、子どもの好奇心の目を養っていきたいです。
写真は子どものつくった絵本を手にする鎌倉校長先生。
左手前は子どもが集めたセミの抜け殻=どちらも東京都世田谷区の和光小で
自主的な調べ学習で、カボチャとピーマンそれぞれ一個の中にある種を数えた子どもの作品。
これを見た子どもたちは、意外と数が多いことに驚いたといいます。
【和光小学校】1933年、和光学園創立。小学校は翌34年開校。初代校長は吉田慶助先生。その後、47年に中学校、50年に高校などができ、いま東京都内に幼稚園と小学校がそれぞれ2校、それに中学校、高校、大学、大学院があります。
写真入りで大きく扱っていただきました。どうぞ朝日小学生新聞の写真もご覧ください。