卒業生インタビューvol.2

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今日は、今年の春に和光高校を卒業した、いわゆる鶴川小学校1期生の4人の方に集まっていただきました。和光学園の教員仲間では、よく「鶴小1期生」が話題になりました。「鶴小1期生」の元気がいいと。小学校の先生方にも鶴小1期生に対して、ある種の思い入れがあると思います。今日は、「卒業後、和光学園を振り返って」と題してみなさんに和光学園での生活を振り返って、語っていただこうと思います。

出演者: 和光鶴川小学校第1期生( 永井美咲さん 壺井桜さん 栗原真美さん 大瀧翔くん)

(聞き手:和光高校教員鈴木伸男)

聞き手:小学校6年間いつも上級生がいなかったわけでしょ、どんな感じで過ごしてきたのかな?

大瀧:体育祭で言えばね、ずーっと僕たちは体育祭を仕切って頑張って来たよね。

壺井:76人全員が自然とリーダー意識を持って育ってきたと思う。

永井:ただ、中学に入ったとき、上級生とのつきあい方がわからなくてとまどってしまった。

栗原:世小(和光小)の人は、先輩の中に知った人がいるし、先輩とどう付き合うかわかっていたけど、私たちは最初困ってしまった。先輩が怖く見えたり。

壺井:どこまで自分たちが言って良いのかわからなかったよね。それから世田谷小の卒業生と一緒になって、これまではいつも自分たちがリードする役目だったけど、世小のリーダー格の人も入ってきて、うまく噛み合わなかった部分もあった。

大瀧:小学校のキャンプとか行事で一緒になった時、世小にライバル意識があったよね。

壺井:私たちの方がいいところだとか…。

聞き手:親はどう思って、鶴小に入れたんだろう。

壺井:私は鶴巻温泉に住んでいて、もとから和光に行かせるつもりだったところに鶴小ができたので、これは近くなっていいということだった。親は当時の小松校長の話をどこかで聞いてとても共感し、和光を調べてここしかないと思うようになったらしい。

聞き手:今、みなさんの親は和光に入れたことをどう評価しているのだろう。

永井:リーダー役を小さい時からさせられたこと、それから作文をたくさん書かされたよね!自分の意見をしっかり持って発言できるようになったことは良かったと親は言っている。

壺井:AO入試を受けたけど、他の学校の人は塾とか通って必死に勉強しているけど、私は自然とできる力がついた、と言う話を親とした。自然と生きていく力がついて良かったと話し合いました。

栗原:小学校の総合が印象に残っている。他の学校ではできないことをたくさんやれた。山羊飼ったり、化石を調べたり、川に行ったり…。親も教育に参加できたし、学校と親のコミュニケーションが一杯取れて良かったと言っている。

壺井:私は正直言って高校に入った時は後悔した。今まで一緒に一生懸命やってた人もやらなくなっちゃって、しかも自分もそれに流されて、フワフワっと過ごしちゃって、これなら大学受験をどんどんやるような学校に行った方が良かったんじゃないかって。でも2年の時に生徒会役員になって、がんばるっていうことを思い出して、学校じゃなくて自分が変えてゆかなくちゃ行けないんだな、どこにいても自分なんだと気づいた。それからはいろんな事を経験できたし、結果論だけど大学にも進むことができた。和光にいたからこそ行きたい大学、やりたいことも見つけることができたと思ってる。

大瀧:高校ではクラスの授業で意見を言うのは、内進が中心だった。

永井:大瀧くんと私は同じクラスだけど内進の子がどんどん発言し、外からの人も1年の終わり頃には意見を言うようになった。

栗原:私のクラスは、そんな中でキャンプの食事係長になって、とてもやだった。クラスメニューを決めなきゃならない時も全然意見を言ってくれなくて、なかなか決まらなかった。永井さんのクラスがうらやましかった。

壺井:クラスの男子が全然働かなくて、女子が頭に来て昼飯作るのボイコットしたよね。 大瀧 それはうちのクラスと逆だね。女の子が何もできなくて、早く起きたおれたちが火もおこすしどんどんやるので、女の子が「何もできなくてごめんって泣いちゃったりした」

聞き手:そのまま3年間行ったのかい?

壺井:いや、いつ変わったんだろう。3年生の時はよく頑張った。3年生の体育祭はすごかった。1人2人とやり出す子が出てきて、やりたくてもやれなかった子、興味がなかった子もやるようになった。

聞き手:興味がないのとは違うんだよな。みんなが何となく牽制しあって、やりたいのに自分だけ先に出るわけには行かないってなってしまう。その中で殻を破って前に出る子ができると、本来の気持ちを出してがんばれる子が現れてくるんだと思う。
さて話題を戻して、和光での12年間を振り返って良かったこと、悪かったことを話してください。

永井:すごく良い友人に出会えたことが良かった。考えていることが面白いし、すごい豊か。それがほんとに良かったし、先生達も面白かった。悪かったことは、好きな勉強はやったけど嫌いな勉強は全くやらなかったから、大学に行ってみて、英語の力のなさにショックを受けている。

大瀧:そこがやっぱいちばんだめなとこ。

聞き手:みんな頷いているね。では違った視点からもう少し意見はないですか。

壺井:ここまで私たちを信頼してくれて、意見を尊重し考えさせてくれた学校はないなって思った。自分で考えて行動し形にする力は間違いなく他の人たちよりついているから、和光でやってきて良かったなと思える。 和光の常識、世間の非常識と言う言葉があるけど、ちょっと大げさだけど周りの人と感覚が違うな、と思うことはある。

聞き手:どんなところが違うって感じたところなの?

壺井:大学では、先輩や教師とのつきあい方が私たちと違うと思った。それから勉強の仕方も違う。レポートで意見を書きなさいと言われた時に、私たちはまず自分はどう考えるだろうから入って、わからないところを調べて自分の意見を補強してゆく。でも周りの子達はまずその課題を調べるところから初めて知識を蓄え、その中から正しそうな意見を抜き出してレポートを作るんですよ。私たちは正しいか間違ってるかではなくて、自分がこう考えた意見をどう強いものにするかでいろいろ調べてゆく、そこに違いがあると大きく感じます。

栗原:そう、資料を見てちょっと考えたんだなってわかる。意見に強さがない。 でも、それの方がいい成績を取れちゃうのだろうか。

聞き手:1,2年生ではそうかも知れないが、これからだんだん上に行ってゼミなんかに入ると、そのやり方では通用しなくなって来ると思うよ。

壺井:AO入試で討論会って言うのをやったんですね。6人が座らせられて、でも誰もしゃべれないんですよ。みんな自分の意見を言うことになれていないんだな、って感じました。仕方なくて、「とりあえずこの話から始めようか」とか、途中で話をまとめたりして、仕切ってしまいました。

大瀧:うーん、この子はなかなか良い、なんて試験官は評価したんじゃない。(笑)

壺井:でも、和光ではみんなそれが当たり前って思ってたじゃない! 自然と誰かが流れを作ってくれて、先を促してくれてたじゃない。

聞き手:高校の先生が「内進の生徒がこうなんですよ」とか言うと、小学校の先生から「やっぱ鶴小1期生だよね」って返ってくる。

永井:そうね、高校でも名前を挙げてみると、リードする人、縁の下の力持ち的人などいろいろなタイプはいるけど、個性的な人たちが多いよね。

大瀧:勉強も良くする方だね。あまり成績で困ったって人がいないし、大学行った人がすごく多いね。

聞き手:名前を聞いても、人生切り開く力があるって感じの人が多いね、前向きで。

壺井:だってさ、私たち毎年毎年新しいことやらされてきたんだよ。

大瀧:やることやること、前例がないんだよ。

聞き手:教師も、同じなんじゃない。だから、しんどいけど元気。

全員:あー! そうそう!

聞き手:新しいことに挑戦している先生達は、燃えているんだよ。そういう先生達の中で君たちは6年間育ってきたんだよ。下の学年の子は、とりあえず上の学年のマネをすればすむところがあるけど、君たちはそうじゃないからこそ、鍛えられたこともあるんだと思うよ。

壺井:「私が伝える沖縄」の取り組みが初めて意識的に、下の学年に自分たちのしたことを伝えようとしたんだよね。それまでは、「私たちに続け」って感じだったけど、下の学年に残そうっと考えたことはなかった。 やってる時は、うちら何で毎年こんなめんどくさいことしなければならないとか言ってなかった。

栗原:運動会の時「とらまい」とか作ったよね。それをずっと下が使っているの見て、「なにあれー!」

大瀧:「おれたちのじゃないのー」とか言ってたよね。 壺井 リードするうれしさもあったけど、たまには下級生になってみたいとかあった。

全員:そーそー!

栗原:でも、やりたいことができた。山羊や牛を飼ったりして。牛は他の学校では飼えないよね。「飼いたいよねー!」「飼おーか?」って、学校が説得されて。

聞き手:時間もだいぶ経ちましたので終わりにしたいと思いますが、鶴小1期生のみんなの元気のもとがわかった座談会でした。長時間、いろいろ話をしていただきまして、ありがとうございました。

(2004年掲載)

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プロフィール

座談会参加者(栗原さん、壺井さん、永井さん、大瀧くん) 和光鶴川小卒業生

栗原さん:大学1年在学中法学部法政策学科   壺井さん:法学部法律学科   永井さん:人間関係学部人間関係学科   大瀧くん:浪人中 理学療法士を目指している

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