卒業生インタビューvol.11

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今回の卒業生インタビューは、今回は和光中、高の卒業生で現在長野県佐久市にて、無農薬無化学肥料で野菜を栽培し、注文販売活動をしている林みやまさん(旧姓、奥田)です。

(聞き手:和光鶴川小学校教諭 園田洋一)

和光で過ごした時代ー多くの仲間と一つのことを作り上げていく苦労や、楽しさ、達成感を余すことなく味わえたことで、学んだことは計り知れない

聞き手:奥田さん、いや「みやまさん」のほうが私には呼びやすいですが、今回はインタビューへのご協力ありがとうございます。先日のテレビ朝日「人生の楽園」(1月14日午後6時放送)にみやまさんの農園が取り上げられ、大変な反響だったようですが、いかがでしたか。

林:はじめに、取材のオファーを受けたときは、好きな番組だし、子ども達や、私たち自身の記録になれば…という程度の認識だったのですが、全国放送の影響力はものすごく、放送開始直後から問い合わせが入り始め、メールとFAXあわせて2500件を超える問い合わせがあり、ホームページへのアクセスも、3万件を超えていて、びっくりしています。正直なところ、これほどとは…番組を制作してくれたスタッフの方たちもこの数には驚かれたようです。

聞き手:さて、みやまさんは、和光中学、高等学校を卒業されました。私は和光小学校から内部進学した卒業生の友人として、和光中学生のみやまさんと出会うことになりました。当時は、民舞の好きな仲間たちと同好会を作ったり、熱心に活動していたことを懐かしく思い出します。みやまさんの今の仕事をお聞きする前に、和光の思い出について聞かせてください。

林:和光で過ごした時代というのは、私にとって一言で言うなら宝物のような時代といったところでしょうか。一番の思い出は、生徒会活動や、民舞の同好会のように、自分たちで作り上げていく活動に数多く触れたことです。多くの仲間と一つのことを作り上げていく苦労や、楽しさ、達成感を余すことなく味わえたことで、学んだことは計り知れません。また、先生方との交流も貴重な体験でした。まだまだ人間として未熟な子どもを相手に、いつでもしっかりと向き合ってくださった多くの先生方から、先生と生徒という関係にとどまらず、人生の先輩としての姿を知らず知らずの内に見せていただいていたのかなぁと思います。

聞き手:みやまさんはその後、教師を志望して宮城教育大学に進学され、卒業後私立桐朋小学校で小学校教師の道を歩まれることになったわけですが、小学校教師を志望されたいきさつを紹介していただけますか。

林:これは、割と単純というか、小学校教員だった両親の影響によるところが多かったと思います。また両親や、祖父の知り合いに、尊敬できる先生方が多く、私も子どもが好きということもあり、自然に教員を志望していました。

聞き手:そして、私たちも驚きましたが、急に職を辞されて農業の道に進まれましたね。 いつだったか、ジャガイモがとてもたくさん収穫できたということで、私たちの元にも新鮮なジャガイモを届けてくれたことを懐かしく思い出しますが、そもそもあんなにあこがれた小学校教師を辞めて、なぜ農業を目指されたのか、みんなが関心を持つところだと思います。ぜひ聞かせてください。

林:大学時代、授業の演習や研究室のつながりで東北の僻地校でお世話になる機会があり、僻地での教育活動を希望するようになっていたのですが、現実はそうそううまくいくこともなく、都会の進学校に就職しました。もちろん仕事を始めてすぐに、子どもたちを取り巻く環境や問題には、どんな地域であっても多くの共通点があり、教師としてのやりがいは少しも損なわれなかったのですが。

教職を辞した大きな理由の一つは、連れ合いから農業をやりたいと聞かされたときに、学校現場だけが教育活動の場ではないかなぁと思ったことです。実際に、不登校の子どもたちがたくさんいて、その中には、各地で行われている、山村留学のようなところで居場所を見出していつ子もいると知っていたので、農業というフィールドに移ってもそこから何か出来ることがあるんじゃないかと思ったのです。

何よりも大切なことは、どんな生活をしていても、また今がどのようであっても、常に自分らしく、満足のいく人生を歩めるか

聞き手:みやまさんの農園「くさぶえ農園」も、まもなく6年目を迎えると聞いています。 その経過の中ではいろいろなご苦労や、反対に喜びなどたくさんあったと思います。いくつか特徴的なことを紹介してください。

林:正直なところ、これまでのところは、とにかく夢中でやってきたという感じです。もともと物事をポジティブに考える、楽天的な性格のため、苦労したことというのがあんまり思い浮かばないです。どんな職業であっても、一生懸命にやろうと思えば、大変なことはあるわけで、それを苦労と思うか、いい経験だと思うかは、人それぞれなんだろうなぁと思っています。喜びについてもまた然りです。

2年間の研修を終えて独立の年から人の縁に恵まれて始めた埼玉の自由の森学園の高校生の体験学習の受け入れなどは、さっきも言ったように、農業のフィールドから、微力ではあっても教育活動に関われているということで、とてもやりがいと喜びを感じています。二人の子どもたちについても、文字通り親の背中を見て育っているわけですが、豊かな自然の中で、様々な生き物や、季節の移り変わりとともに、その成長を見られるということが、今の時代の中ではすごく貴重であり、じっくりと関わるからこそ楽しめることも多いと思っています。そしてこれも「農業」という職業についているからこその喜びといえるのではないかとも思っています。また単純に、自分たちが育ててきた野菜が大きくなるという生命力に日々ふれることも嬉しいことには違いありません。

聞き手:みやまさんも二人の元気なお子さんと、やさしそうな夫君に恵まれて生活しているようですが、これからの夢や目標などあれば教えてください。

林:これまでの人生がそうであったように、これからの人生についても、「これでいい」とか、「ここが最高だ」とか言うことは、ないと思います。「農業」は、のどかな仕事のようですが、注意を怠れば危険もあり、健康であってこそという面がとても強いとも思います。でも何よりも大切なことは、どんな生活をしていても、また今がどのようであっても、常に自分らしく、満足のいく人生を歩めるかだと思っています。この春、独立から6年目を迎えますが、まだまだ夢中な部分もたくさんあり、毎年のように新しいこととの出会いもあります。「これからの夢や目標」とは、ちょっと違うかもしれませんが、その日その日を大切に、いい時間を積み上げていけたらなぁと思っています。

聞き手:本日はお忙しい中有難うございました。 またどこかで一緒に踊りたいですね。お元気でがんばってください。

-インタビューを終えて-
和光生だったころからいつも物事を前向きにとらえ、そして積極的に生きていたみやまさん。そうした姿は今もぜんぜん変わっていないなあと感じました。自分の仕事や人生に対する姿勢は、和光時代にきっと培われたのだとインタビューを通してわかりました。まさに「和光人」です。八ヶ岳山麓の美しい自然に囲まれた農園に、今度の林間合宿の下見の折にでもよってみたいと思いました。

(2006年2月掲載)

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プロフィール

林 みやま 無農薬無化学肥料農業経営

和光中学、高校卒業 宮城教育大学卒業後、小学校教員として活躍 2006年現在、長野県佐久市にて、無農薬無化学肥料で野菜を栽培、注文販売に携わっている。

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