第88回入学式 式辞

1年生のみなさん、入学おめでとうございます! 早く小学校が始まらないかなぁ、と首を長くして待っていてくれたことと思います。お待たせしました。 今年は4月にこうして1年生のみなさんをお迎えすることができること、ほんとうに嬉しく思っています。
1年生のみなさんの入学を、学校中の人たちが楽しみに待っていました。いつもはこの会場に、2年生から6年生までのお姉さん、お兄さんたちが参加するのですが、今年もまだコロナが心配なので、和光小学校の子どもたちを代表して、一番年上の6年生が参加しています。6年生の人たちは玄関で待っていてくれて教室でいっしょに遊んでくれたと思います。ペアのお姉さん、お兄さんと仲良くなりましたか? ここまで手をつないで入ってきた6年生は、これからも一緒に遊んだり、学校のことを教えてくれたり、みなさんのことを見守ってくれることでしょう。 教室の壁にステキな絵があったでしょう。それも6年生の人たちが作ってくれました。今日みんなに配るお手紙の準備や靴箱の掃除まで、6年生の人たちがしてくれましたよ。今日は参加していませんが、5年生はこの会場の準備をしてくれました。そして2年生、3年生、4年生はみんなにプレゼントを準備してくれています。楽しみにしていて下さいね。学校中の人たちが、今日のこの日を迎えるために、みなさんのことを思いながら心を込めて入学式を準備しました。
これからみなさんは和光小学校の1年生です。小学校に入るとたくさんのことを学びます。“学ぶ”ということは、知らなかったことがわかるようになる、ということです。できなかったことができるようになる、ということです。だから、ワクワクする、とても楽しいことです。これは、6年生のFさんが、1年生が終わるときに北山先生にきれいなリボンをかけて届けてくれたものです。「たのしいわこう小学校をありがとう!」とひらがなと漢字で書いて、真ん中にはグランドに立っているいちょうの木があります。実は、これは何を使って書いたかと言うと、これ(割り箸)です。この割り箸をナイフで削って割りばしペンを作り、オレンジのインクをつけて書いてくれました。私はこれをもらってとっても嬉しかったので、ずっと壁に貼って眺めています。何がうれしかったかというと、自分で削った割りばしペンで文字や絵を書いたこと、そして「楽しい和光小学校」と書いてくれたことです。和光小学校の1年生はナイフを使います。最初は柔らかい割り箸を削ってペンを作り、その次には鉛筆もナイフで削ります。最後には細長い木を削ってお箸も作ります。鉛筆やお箸だけではなく、柿の皮をむいて干し柿も作るのですよ。こうやって道具を使えるようになると自分が思ったものを作ることができるようになり、作ったものを使うと楽しいことが増えていきます。Fさんはそんなことを思いながら書いてくれたのかなぁ、と思いました。
和光小学校は、なんでかなぁ、不思議だなぁ、と思うことを仲間といっしょに調べたり、考えたり、試してみたりすることがいっぱいあります。そしてたくさんの発見があります。一人だとよくわからないことも、クラスの仲間、先生と一緒に考えるとわかってくることもありますよ。
さあ、今日からみんなは和光小学校の1年生です。
“なぜかな?”“ふしぎだな”と思う気持ちを大切に、なかまといっしょにたくさん学び、たくさん遊んで、こころもからだも賢くなっていって下さい。
新入生の保護者のみなさま、 本日はお子さんのご入学、ほんとうにおめでとうございます。 大切なお子様の教育を、和光小学校に託して下さったこと、たいへんうれしく思っています。まだまだ感染状況は予断を許さない状況ではありますが、昨年1年間の試行錯誤を経て、感染対策を万全にしてできる限りの教育活動を行うことができるよう、力を尽くしていきたいと思います。
和光学園は保護者のみなさまと学校とが子どもをまん中にして教育作りをしていく「三位一体」の学校です。保護者のみなさまには本日より親和会の一員として、 子どもたちをともに見守り、支えていただきますよう、お願いいたします。そして、お子さんといっしょに和光小学校の教育を存分に体験して下さい。 これからの6年間、どうぞよろしくお願いいたします。
2021年4月12日 和光小学校 校長 北山ひと美