校園長ブログ

歴史に残る卒業式 ~2019年度 和光幼稚園・和光小学校卒業式 式辞~

和光小学校 校園長ブログ
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3月2日からの臨時休校、その後の春休みと、教室から子どもたちの声が聞こえなくなってそろそろ1ヶ月が経とうとしています。

東京都の感染者数が増えていく中、子どもたちはどのような気持ちで日々を過ごしているのでしょう。保護者のみなさまも、私たち教職員も先が見えない不安を抱える日々ではありますが、私たちは2020年度の開始を目前にし、子どもたちに少しでも楽しく実りある学びを準備したいと思っています。

新年度の開始日、入学式の日程については、学園対策会議を経て、改めてお知らせ致します。

さて、臨時休校が続いている中、3月17日、和光幼稚園、和光小学校の卒業式が行われました。感染拡大を防止するための方策をとりながらの挙行でした。

幼稚園、小学校の子どもたちに向けた式辞です。

<幼稚園>
卒業生のみなさん、急に幼稚園に来ることが出来なくなって寂しかったりつまらなかったりしたことと思います。先生たちもみんなと一緒ににやりたいことがたくさんあったのに、急にそれができなくなって悲しかったです。
でも、和光幼稚園でみんなが仲間と一緒にたくさん遊び、生活してきたことはみんなのからだの中に詰まっています。どうぞ胸を張って1年生になって下さい。
1年生になるみなさんに、北山先生から大事にしてほしいことを2つ、お話ししたいと思います。
1つめ、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分でやってみる、ということを大切にして下さい。小学生になると、本で読んだり、だれかから聞いたりして新しいことを知ることもふえてきます。それでわかったつもりになることもあります。でも、“自分で”確かめることをせひ大事にして下さい。
2つめは、自分が思ったこと、感じたことを大切にする、ということです。他の人と違っていても、自分はこうしたい、と思うことを大切にして下さい。
これからみなさんはそれぞれにちがう小学校へ進んでいきます。新しい場所で新しい人との出会いを大切に、大きく育っていって下さい。そして、「和光のこども」であったことをいつまでも忘れないでいてくれるといいな、と思っています。
卒業、おめでとうございます!

2020年3月17日
和光幼稚園 園長 北山ひと美

<小学校>
今年ほど今日という日を待ち遠しく、また緊張感を持って迎えたことはありません。2019年度の卒業式は、まさに歴史に残る卒業式となりました。
2月末、突然の臨時休校に、卒業までの大切な日々を奪われてしまったみなさんの気持ち、和光小学校での最後の日々を共に楽しみにして下さっていたおうちの方々の気持ち、みんなといっしょにやりたいことがたくさんあった担任を初め先生たちの気持ち・・・・・・ ほんとうにどこにも持って行きようのない多くの気持ちがありました。そのような日々の中で迎えた今日の卒業式です。

歴史に残る、ということでは2つの卒業式のことをお話ししたいと思います。
9年前、東日本大震災の瞬間、私は鶴小の6年生担任として「6年生を送る会」に参加していました。その後に続く余震と東京電力福島第一原発の事故による計画停電で休校が続き、日程を変更した卒業式を行いました。今年ほどの長さではなかったのですが、卒業までの最後の日々にやりたいと思っていたことがすべてなくなり、放射能という見えない敵が立ちふさがる不安の中、卒業を迎えたのです。みなさんの中には3年生の時、津波の大きな被害にあった大川小学校を訪れた人もいると思いますが、被災地の学校では卒業式どころか、多くの方が命を落とし、日常の生活が戻るのに長い年月がかかっています。
75年前の3月、太平洋戦争の末期、米軍が沖縄に迫ってくる中、中山きくさん、島袋淑子さんたちは女子学徒隊として戦場に駆り出されました。昨年10月の沖縄学習旅行で訪れたひめゆり平和祈念資料館の最初の部屋には、戦争が始まるまでの楽しい学生生活の様子が展示されています。きくさん、淑子さんたちは卒業式を目前にした3月23日、学徒隊として従軍するために、先生と一緒に南部へと向かったのでした。ひめゆり学徒隊の卒業式は、南風原陸軍病院壕のそばの三角兵舎で行われました。その時は卒業証書もなかったそうです。

沖縄戦に駆り出された学徒隊の方たち、東日本大震災の被災地の方たち、そして今回の新型コロナウイルスによる突然の臨時休校となってしまった6年生のみなさん、到底比べることはできませんが、当たり前の日常生活が何ものかの力によって突然奪われてしまい、そのことに抗いようがないということでは、沖縄で出会った証言者のみなさんのお話しが実感を持って迫ってくる想いがします。
ただ、私たちはウイルス感染を避け、いのちを守るために学校生活を手放さざるを得なかったということであり、大きな地震と津波によって多くの人が命を奪われた被災地の人たち、いのちを奪い合う戦場に駆り出されたきくさんや淑子さんとは、見えている未来が違っています。

この2週間、みなさんも様々なことを感じ、考えて過ごしたことと思います。人類はこれまでもウイルスとの戦いを続けてきました。SARS、新型インフルエンザは記憶に新しいところです。今回もほんの2か月前までは海外での感染の広がりであり、直接私たちに関わることはまずないだろうと思っていたのですが、今や世界的な感染拡大の中、私たちの日常生活がすっかり変わってしまうという状況になってしまいました。みなさんは、どうしてこれが今年なんだ、というやりきれない思いを持っていることでしょう。私もそう思っています。
でも、最後の日々がなくなってしまった悔しさはあるものの、みなさんが和光小学校で過ごした日々、学んだこと、仲間とともに作り上げてきた生活、行事などなどは消えることはありません。
1組の2月26日の学級通信には、円の面積の求め方をあれこれ考えたみなさんのノートが紹介されています。何千年も前からいろいろな国の学者たちが試行錯誤して求めたことを、同じように試行錯誤してみる、仲間の考え方を知り、さらに考えを深める… 低学年の時からみなさんが身に着けてきた学び方です。
2組は休校が決まった最後の日に書いた「6年間をふりかえって」が、休校中も学級通信で交流されていました。総合学習では「沖縄」のことを書いている人が多かったのですが、私は5年生で取り組んだ「羊羹」がとてもこころに残っています。「本物」に近づけるために試作を繰り返し、プロの方々と出会い、プロの方が舌を巻くような意欲的な探求を行う… 自ら問いを持ちそれを解き明かしていくおもしろさを体感しているからこその学びの姿だと思いました。
運動会、キャンプ、いちょうまつり、そして花組との交流会、どれもこれまでの6年生の二倍の仕事をこなしてもらわなくてはならず、それでも活き活きと活躍している姿がまぶしく感じられたものです。
とりわけ最後の劇の会、「ミラボロリン」「ハッピーバースディ」は、脚本を決めていく過程、キャスト、スタッフを決め練習を進めていく様子から、自分たちの劇を自分たちの力で作る、という意気込みが伝わってきました。どちらの劇も見ている人たちに届けたいメッセージがあり、自分たち自身がこの劇づくりの中で家族のこと、仲間のこと、人間が生きていくということを深く考えることになったのではないかと思います。

いよいよ中学生になります。これからも自分の目で確かめること、直接体験すること、そして自分の頭で考えることを大切にして下さい。学習も生活も、これまでよりぐんと広がり、深まっていきますが、和光小学校で培った力を信じて新しい世界に羽ばたいていって下さい。
卒業、おめでとうございます!

2020年3月17日
和光小学校 校長 北山ひと美

あこがれの空の下、雲は流れ ~ドキュメンタリー映画、クラウドファンディングが終了しました~

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学校が突然の休校となって一週間が経ちます。

子どもたちにとってはこれまで続けてきた学校生活がいきなり「終わり」となってしまい、何が何だかわからないうちに長いお休みが始まってしまいました。感染拡大防止のための緊急措置であるとはいえ、子どもたちも保護者のみなさまも、心の整理がつかないままの日々を過ごされていることでしょう。

私たち教員も、そうでなくてもあと何日、と指折り数える3学期、あれもやりたい、これもやろう、と、子どもたちとともに過ごす最後の日々を楽しく充実したものにするため、それぞれに考えを巡らせているところでした。今は、会えなくなった子どもたち一人ひとりのことを想いながら、この1年間の学習と生活を振り返り、4月、始業式で手渡す「評価カード」を作っています。

6年生のみなさん、和光小学校での大切な最後の日々を、こんなに理不尽な形で取り上げられてしまったことに、気持ちの持っていき場がなく、辛い悲しい想いをされていることだと思います。保護者のみなさまも、親和会で語り合う場も持てないままに卒業が近づいていること、やりきれない想いをお持ちだろうとお察し致します。

みなさんの体調が安定し、少しでも心安らかに毎日を過ごされることを願うばかりです。

さて、このコロナパニックでドキュメンタリー映画「あこがれの空の下」の先行上映会のお知らせなどが滞ってしまっていました。みなさまにご協力をお願いしたクラウドファンディング、先ほど終了となりました。

最終的に、186名の方に応募して頂き、4,252,001円が集まりました。目標額の300万円を大きく上回る金額となりましたこと、驚きとともに感謝に堪えません。

臨時休校措置で子どもたちの生活がどこかに追いやられてしまいかねないような事態であるからこそ、私たちは、子どもたち一人ひとりを大切にするということはどういうことなのか、子どもたちが多くの時間を過ごす学校生活、学校での学びをどう作っていくのかを落ち着いて考えなければなりません。

一昨日、古い卒業生の方が和光小学校を訪ねてきて下さいました。

2年前、戦後間もない頃、和光学園で学んだという同窓生の方々が、90歳になられたかつて和光高校の副校長(当時は主事と言いました)であった小林先生を囲んで、和光小学校の教室で同窓会を開きました。後で当時の貴重な写真をCDにしたものを頂き、「昔の和光学園」の学習に使わせて頂いたのでした。

その小林先生から、第14回卒業のみなさんが和光小学校で同窓会をしたいそうだ、とご連絡を頂きました。一昨日は昭和23年(1948年)生まれだという卒業生の方が、会場の下見にいらっしゃいました。当時は小学校、中学校、高校が今の和光小学校の中高学年棟にあり、今の幼稚園園舎の向こう側には豚小屋があって、時折においが漂ってきたのだとか。当時と変わらないのはいちょうの木と校舎わきの松の木だけとなりました。

小中高とこの校舎で過ごしたというその卒業生の方が、和光で学ぶことが出来てほんとうによかったと思っている、この教育のよさはすぐにはわからない、大人になってようやくわかるものだ、と話して下さいました。うれしいおことばでした。クラウドファンディングのコメントには、「自分が通った時と様変わりしていましたが不思議と違和感はありませんでした。 銀杏の木の場所はそのままでしたが大きく大きくなっていて、子どもたちを見守り続けているように感じました。 素敵な記録になっていることと期待しています。」と書いて下さいました。

クラウドファンディングには、最後の数日、20名近くの方が応募して下さいました。世界中がウイルスという見えない敵に対峙せざるを得ないこの時期に、和光小学校のドキュメンタリー映画に関心を寄せて頂き、私財を投じていただいたということに胸がいっぱいになります。

残念ながら、3月下旬に予定していた先行上映会は、延期となる可能性も出てきました。その時は、このさわぎが落ち着き、新しい1年が始まったところで改めて先行上映会のお知らせをさせていただきます。

卒業式まであと10日、私たちは最高の卒業式を準備したいと思っています。

 

チャラン・ポ・ランタン、小春さんの思い出 ~和光鶴川幼稚園創立50周年&調理室設置バザーのお礼~

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暖冬とはいえ、春はもう少し先のようです。先週末、4年生、6年生の劇の会を終え、今年度もあと1か月となりました。

毎年感じることですが、劇づくりそのものがドラマであり、子どもたちは自分自身も友だちのことも様々な発見をします。そんな子どもたちの姿を、ともに劇づくりに取り組んだ担任、音響、照明、大道具づくりでかかわった教員たちは、語りつくせないほどの思いを、終了後のお疲れさま会で語ってくれます。

衣装づくりなどには保護者のみなさまにもお力をお借りしました。ありがとうございました。

さて、昨年5月と6月に、和光鶴川幼稚園創立50周年&調理室設置バザーを行いました。和光幼稚園、和光小学校からもたくさんの方にご参加いただき、ご協力いただきましたこと、改めてお礼申し上げます。おかげさまで、400万円の収益を上げることができました。

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6月に行ったチャラン・ポ・ランタンのコンサート、アコーディオンを抱えた小春さんは、私が鶴小の5,6年生で受け持ちました。

当時からアコーディオンをやっていて、元気いっぱいでしたが、6年生の劇は大石真作の『チョコレート戦争』をやりたい、と提案し、その熱意に押されて上演が決まりました。ちょうど劇団仲間が上演していたこともあり、これも小春さんが劇団仲間に掛け合って上演台本を譲っていただき。その台本とほぼ同じ内容で劇づくりをしました。
今考えたら6年生でよくあれだけのことができたと思いますが、なにしろ当日の上演時間は90分となりました。
演出も担当した小春さんは、「チョコ戦ニュース」をせっせと発行し、クラスの人たちを束ねて劇づくりに邁進しました。
鶴小高学年担任として、忘れられない思い出の一つです。

「激動の2学期でした」 ~終業式、子どもたちの発表~

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20日は2学期の終業式でした。各学年の子どもたちから、2学期を振り返っての発表があります。

1年生は両クラスから8人が出て話しました。緊張して小さな声になってしまうと、聞いている全校の子どもたちが息を潜めて耳を傾け、相手に気持ちを向けるということはこういうことなのだと感じました。

「アイヌデーで料理を作って食べたこと」「コマを回せるようになった」「みんなで(2年生の)劇を見たのが楽しかった。みんなで(国語で)ぱなんぺ(の話)をしたのが楽しかった」「(算数の)じゅうらしっくぱーく、すごく速いのができてうれしかった」「鉄棒が苦手だったけど体育をはじめてだんだん成長したなと思う」「いちょうまつりで友だちとうちわづくりをしたのが楽しかった」「前まで友だちがいなかったけど、なつめさんが友だちになってくれたから友だちができてとてもうれしかった」

2年生は2組の人たちが二学期俳句を発表しました。学習、活動の節目に五七五で表現しています。

「プールでね、およげるようになったんだ」「九九だよね、三のだんだよ はやくちだ」「おうさまは こえが大きく うるさいな」「むずかしい かんじのテスト がんばるぞ」「がんばった みんなのげきが せいこうだ」「パンづくり カチカチパンが フワフワに」「あらうまだ はげしくおどる たのしいな」

3年生はけん玉に取り組んでいます。技を見せてくれる人たち、と声をかけると、学年の半分以上の人が前に出てきました。「とめけん」「飛行機」など難しい技も披露してくれました。11月の東京韓国学校との交流でも膝の使い方などを伝授していたことを思い出しました。「もしかめ」は4番まで、歌に合わせてやり続けることができる人がたくさんいて、低学年の子どもたちは釘付けになっていました。

4年生は2人が振り返っての発表をしました。「激動の2学期でした。」と話し始めたじょうくんは、いちょうまつりのこと、多摩川の学習でグループ活動をするとき、もめることもあってたいへんだったけれど、何とかグループでの発表ができて良かった、と結びます。もう一人(すみません、名前を失念しました)の人も、総合学習多摩川でグループ研究をし、伝える会3年生やおうちの人に伝えることができたことがよかった、と話しました。

5年生、かじゅさんは社会科で米作りをしたことを振り返ります。「田植えをして収穫した米、精米しみんなでおにぎりを作った。」と。そうやくんは、いちょうまつりのこと。うどん作りは失敗することもあって難しかったけれど成功してよかった、と話しました。

6年生はやはり沖縄学習旅行のことでした。夜の学級集会でみんなで討論し、戦争や平和のことを考えた、とゆうとくん。ゆうごくんは、フィールドワークをしたこと、3年ぶりに座間味島に渡り、座間味の海で泳ぐことができたことが心に残っている、と語りました。

この2学期も、一人一人の子どもたちのこころに刻まれる学びが豊かに展開されたことを感じる発表でした。

子どもたちの発表に先立ち、先生を代表して、と私からは以下のような話をしました。


おはようございます。

今日は2学期最後の日です。そして、もうすぐ2019年が終わります。

今年1年を振り返ったとき、私のこころに残っている2人の人のことをお話しします。

1人は、124日アフガニスタンという国で銃撃されて亡くなった中村哲さんというお医者さんです。

15年ほど前、私が所属する研究会に中村哲さんに来てもらってお話を聞きました。中村さんは子どもの頃から昆虫が好きで、珍しいチョウが見られるかもしれない、と思ってパキスタンという国へお医者さんとして行ったそうです。その後アフガニスタンへ行って治療を続けますが、雨が降らないで畑の作物がまったく作ることが出来なくなる大干ばつに襲われ、たくさんの人が亡くなりました。清潔な水と食べ物があれば治る病気でも亡くなってしまう人たちがいることに心を痛めた中村さんは、井戸を堀ることを思いつきます。その後15年以上にわたって畑に水を送る用水路を建設し作物をたくさん育てることが出来る手助けをしています。

私がお話を聞いたのは井戸掘りを始めた頃でした。お医者さんでありながら現地の人たちの暮らしを守るためにどのようにすればいいかを考えて活動していて、すごい人だと思いました。

アフガニスタンという国は、まだ銃で襲われたり爆弾を仕掛けられたりするような不安定な地域ですので、中村さんも十分に注意をしていたのですが、襲われてしまいました。日本の人たちにとっても、アフガニスタンの人たちにとっても、たいへん大切な人が、このような形で命を落とされたこと、ほんとうに残念で悔しくて仕方がありません。

生前中村さんは息子さんに、大切にしている3つのことを話していたそうです。

1つめは、家族はもちろん人々の思いをくみ取ること

2つめは、物事にとって何が必要であるかを見きわめること

3つめは、その必要なことのために行動を起こすこと

なのだそうです。

この話を聴いて、もう一人今年こころに残っている人のことを思い出しました。

それはグレタ・トゥーンベリさんというスウェーデンの16歳の女性です。

グレタさんは、今年の9月、地球温暖化を防ぐための行動を起こして欲しい、と国連で世界中の人たちに向かって話をしました。12月には世界の環境を考える会議でも話をしています。自分たちの利益だけを考えていると、やがて地球の温暖化が進み、たくさんの災害が起こる、ということを一生懸命訴えました。

若い人がこれからの地球環境のことを考えていっしょうけんめい訴えている姿を見て、心を打たれるとともに、私たちは今どういう行動を起こさなければならないのか、を真剣に考えなければならないのだと思いました。

2学期の最後に、もう一つみなさんにお伝えしたいことがあります。

和光小学校の映画ができました。去年1年間、テムジンさんという会社の人が和光小学校の授業や活動などを撮影し、映画に仕上げてくれました。題名は校歌の中のことば「あこがれの空の下」です。

今日の夕方、鶴川駅のそばの和光大学ポプリホールで初めての上映会があります。おうちの人といっしょに観に行く人もいることでしょう。

私も仕上がったものを観るのは初めてなので、とても楽しみにしています。

では、2学期のこと、今年1年のことを振り返りながら、来年1月、またみなさんに会うのを楽しみにしています。


クラウドファンディングのお願い

和光小学校の1年を追ったドキュメンタリー映画「あこがれの空の下」ができあがりました。20日、和光大学ポプリホールにて行った第1回の学内上映会には120名を超える方々のご参加をいただきました。ありがとうございました。

NHKの番組を多く手がけていらっしゃるテムジンさんが、和光小学校に通い続けて撮影、編集を行ったこの作品、教員とはまた違った視点で授業を見つめ、子どもたちを見つめ、和光小学校のを描いています。

12月の上映会に参加できなかった幼稚園、小学校の保護者のみなさま、和光学園関係者のみなさまに向けて、第2回上映会を予定しています。

2020117日(金)1230~  1700    (ともに開場は30分前)

この日も二部制とします。子どもたちも保護者の方といっしょに参加できます。

どうぞみなさまお誘い合わせの上、お越し下さい。

もう一つお願いがあります。この作品はスポンサーがついているわけではなく、制作費のためのクラウドファンディングを募集しています。まだまだ目標額に到達していません。どうぞ多くの方に広めていただき、クラウドファンディングのご協力もいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

詳しくはHPをご覧下さい。  URL:子どもが教育の主人公.jp

ではみなさま、よいお年をお迎え下さい。

東京韓国学校との姉妹校締結をおこないました

和光小学校 お知らせ, 校園長ブログ
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3年生は総合学習「韓国」に取り組んでいます。
ことば、食、文化などに触れ、日本語、日本の文化と似ているところ、違うところを発見し、おとなりの国韓国に関心を広げていきます。
10年以上に渡って韓国、中国の学校との三カ国交流を行ってきていますが、3年生は東京韓国学校、総合学習「中国」に取り組む4年生は横濱山手中華学校との交流も続けています。

今年は、それぞれの学校との交流が5年目を迎えたこともあり、今後も交流を続けると共に、教員たちも共に研究活動を進めることが出来るよう、姉妹校締結を結ぶことにしました。

今年も3年生は11月に東京韓国学校を訪問し、文化体験をさせて頂き、遊びやゲームでの交流を行いました。先日12月9日、東京韓国学校の鄭校長先生、李教頭先生、国際交流担当の金先生に和光小学校に来て頂いて、姉妹校締結式を行いました。

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姉妹校締結宣言文は以下の通り。
それぞれにサインし、交換しました。

和光小学校と東京韓国学校は、子どもと教師の活発な国際交流を通して友好協力関係を創りあげていくことを約束し、姉妹校として締結することを宣言します。子どもの発達段階にふさわしい方法で活発な国際交流をすすめ、また、教師の交流を通して初等学校を先導する教育プログラムを開発し、共有することに最善を尽くします。グローバル時代を迎えて、両国の文化と伝統を尊重し、平和と共存の課題を掲げた国際市民を育成するために、積極的に共同することを約束します。これにともない、本宣言文を日本語と韓国語で作成し、両学校にて永久に保管するものとします。

「あこがれの空の下」上映会(和光学園関係者)

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和光学園関係者のみなさま
12月20日(金) 17時から上映予定の和光小学校ドキュメンタリー映画「あこがれの空の下」に参加したいというお問い合わせがたくさん寄せられています。
会場は300名定員となっているため、せっかくお越し頂いても入りきらないと申し訳ないことになってしまいますので、会場のポプリホールとも相談し、二部制とさせていただきます。
第1回上映 17時から18時47分 (開場16時30分)
第2回上映 19時30分から21時17分分 (開場19時)
会場はいずれも和光大学ポプリホール鶴川(町田市能ヶ谷1-2-1 最寄り駅:小田急線鶴川)
和光学園関係者の方でしたらどなたでもご覧いただけます。
どうぞみなさまお誘い合わせの上お越し下さい。
和光小学校 校長  北山ひと美

現代社会には大人でも答えの出せない様々な問題があり、そうした問題についてどう考えるのか、 考え方を身につけることが小学校での学びの大切な到達点 ~和光小学校の教育、質問にお答えして~

和光小学校 入試情報新着, 校園長ブログ
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いちょうまつりを2日後に控え、お店の準備、踊りの練習も佳境に入っています。ご近所のみなさまには、連日の太鼓の音でご迷惑をおかけしております。

 

さて、今年5月に行った和光幼稚園からの内部進学のための説明会で、参加されたみなさまからいくつかのご質問を受け、それに対する回答を幼稚園では園通信でお届けしましたが、外部から受験を考えていらっしゃる方にも共通する部分があるかと思いますので、その中から一部Q&Aという形でお知らせしたいと思います。

(さらに…)

“物がないゆえのクリエイティビティが すごいことを毎日感じる” ~卒業生 長井優希乃さん「マラウイの生活から考える」~

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つい先日夏休みが始まったと思ったら、もう来週からは二学期です。7月末からは猛暑が続きましたが、みなさまお元気でお過ごしでしたでしょうか?

NHKの<チコちゃんに叱られる>で、「夏休みは何のためにあるの?」という質問に、「先生たちが勉強するため」というのが答えでした。その通り、長い夏休み、教員たちは全国各地で開かれている民間教育研究団体などが主催する夏期セミナーなどに参加し、学びを進めるとともに全国の仲間たちとの交流も深めました。

2年生の中には、8月4日から5日に行われる青森県今別の荒馬まつりに親子で参加し、現地保存会の方から講習を受けた方もいらっしゃることでしょう。2年生の教員は今別に行き、1年生の教員は北海道でアイヌ文化に浸る日々を過ごします。

8月下旬になると、各校、園での研究会、幼小研究会、両小研究会、小中研究会、幼小中高研究会と、数日間に渡っての学園内での研究活動を行っています。

幼稚園は学園内の研究会の前に、今年は“他園訪問”で学ぼう、と、静岡県、千葉県、埼玉県の幼稚園、保育園の参観を行いました。私は4人の先生たちといっしょに千葉県富津市にある「和光保育園」(和光学園とはまったく関係がありません)に行きましたが、園舎のつくり、子どもたちの生活時間の流れ、保育者たちの関わり方などにたいへん刺激を受けました。またどこかでお伝えできれば、と思っています。

 

さて、そんな学園内の研究会がそろそろ始まるという8月24日(土)、同窓親和会主催の<卒業生から学ぶ>という企画が催されました。同窓親和会というのは、卒業生の父母の方々、退職教員が卒業後も和光の学びにつながるために集っている組織です。学習会、演奏会などを企画し、学園全体にも呼びかけて下さっています。

今回は、和光鶴川幼稚園、和光鶴川小学校、和光中学、和光高校で学び、その後立教大学、京都大学大学院で文化人類学を専攻し、現在、JICA青年海外協力隊でアフリカのマラウイに派遣されている長井優希乃さんからお話を聞きました。

優希乃さんは私が鶴小で高学年担任をしていたとき隣のクラスにいました。民舞が大好きで元気いっぱいの踊りリーダーだったことを覚えています。中学の時、卒業生からネパール舞踊を学んだことが文化人類学への道につながったのかもしれません。大学の時は、休学して約20ヵ国の国々を旅したのだそうです。

実は、私はこの日までマラウイという国がどこにあるのか知らなかったのですが、タンザニア、ザンビア、モザンビークに囲まれたアフリカ南東部に位置する内陸国だそうです。面積は日本の三分の一ほどですが、出生率は4.57人(2016年)で人口増加率は2.9%。子どもたちがたくさんいる国です。

1年生から8年生までのPrimary Schoolのみ義務教育ですが、1つの学校には1500人ぐらいの子どもたちがいて、1つの教室に200人、教室がない学年もあるのだとか。

国の経済は40%を国際援助に頼っています。日本からの援助もあります。北欧からの200万ドルは女子教育へ、という目的での援助なので、性別役割分業や若年で女子が結婚させられることについて劇にするなどのジェンダー教育を行っているそうですが、まだLGBTは認められていないとか。そんなこともあってか、“カジュアルデー”というお祭りの日には男子が女装するなどして楽しむのだそうです。

マラウイに派遣されて十ヶ月になるという優希乃さん、現地では首都リロングウェから2時間ほど進んだ山あいのマタピラという地域で、小学校教育におけるアート教育アドバイザーをしています。

学区にある12校を自転車で巡回し、体育、演劇、音楽などの教育について教員がスキルアップするためのワークショップを行ったり、子どもたちとアートクラブの活動を行ったりしています。また、現地の子どもたちと日本の学校との交流プログラムを企画、運営もします。学校は点在しているので、毎日20㎞ほどのオフロードの道のりを自転車で回るのだとか。逞しいです!

その中で、アイヌのおどりを子どもたちとやっている映像を見せて頂きました。海外協力隊は日本のおどりというとソーラン節を伝えることが多いのだそうですが、アイヌのおどりは表現しているものが伝わりやすく、自然に対する考え方もマラウイの人たちの生活と近いものがあり受け入れられやすいと優希乃さんは考え、マタンプシも作って棒のおどり、丸木舟のおどりなどやりました。

校舎にみんなで壁画を描くというプロジェクトでは、壁画の模様を子どもたちに考えてもらい、多くの案を投票で選ぶ、という手法で行いました。トップダウンではなく民主的に物事を決めていくことも学校文化の中に伝えています。

日本の調布にある私立の学校と交流した時、ゴミの問題が話題になったそうです。マラウイの子どもたちは「ゴミ?なぜ捨てるの?」と首をかしげます。

電気が通っていないところもあり、国際支援で15年ぐらい前にはあったという水道はメンテナンスができないため壊れたままで井戸水を使っています。物が溢れている日本の子どもたちには想像もつかない生活ですが、どんな物でも工夫して加工し、何かを作ってしまうマラウイの子どもたちのクリエイティビティに、優希乃さんは感動します。物がない故のクリエイティビティがすごい、ということを毎日感じるのだそうです。そして、クリエイティビティって何だろう、と考えます。物に溢れた生活をしている私達は、自分で物を作り出す、作り替えるということができなくなっているのかもしれません。

最後に、国際協力とはかわいそうな人たちを助けてあげるのだ、という意識の傲慢さを話してくれました。こういう“上から目線”が植民地主義につながるのではないか、と。

マラウイでの生活を通じて、「豊かさとな何だろう?」と自分への問い直しをしているのだと優希乃さん。公務員住宅に住み、現地の人たちと同じようにトウモロコシを育て収穫して製粉したものも一袋持ってきてくれました。これで主食のシマを作ります。限られた期間とはいえ、現地の人たちと同じ物を食べ、同じ物を着、現地の風を肌で感じて生活することで新たな発見、学びが得られるのでしょう。

マラウイの子どもたちのこと、学校の先生や地域の人たちのことを語る優希乃さんの柔らかい口調、優しいまなざしが印象的でした。

 

幼稚園、小学校の夏休み、各ご家庭でも長い休みだからこその日々を過ごされたことと思います。夏休み明け、一回り大きくなった子どもたちに会うのを楽しみにしています。 

壁にぶつかることがあっても、 自分が好き、他人を大切にすることができる、という生き方をしていれば乗り越えられる。 ~シンポジウム:和光学園で育つ子どもたち~

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毎年6月中旬に行う休日授業・保育公開の日は、1,2校時の授業を参観していただいた後、3,4校時は幼稚園、小学校の保護者のみなさまには、校長講演、シンポジウムに参加して頂いています。

シンポジウムは、卒業生や卒業生父母の方に幼稚園、小学校の頃の学びと今の生き方について語ってもらったこともあり、昨年は幼稚園、小学校の両教務主任に幼稚園、小学校の教育について子どもたちの姿を具体的に語ってもらいました。

今年は、和光中学校の副校長、高橋智佳子先生と和光高校の副校長、梅津靖先生に来て頂き、和光中学、和光高校の教育を語って頂きました。

題して「和光学園で育つ子どもたち」

先日、東京私立初等学校の一斉研修会で「Most Likely To SUCCEED」(2015年米 ドキュメンタリー)の上映がありました。“子どもを点数のデータと見なす教育システムの中では、人間が本来持っている自らどん欲に学ぶ能力が潰されてしまっている”ことに警告をならすという意図で製作されたと言いますが、私たちはずっと以前から“子どもが自ら学ぶ意欲を持つ”ことを大切に教育作りを進めてきました。幼稚園から小学校、中学、高校、大学と和光学園で大切にしている教育の柱はそこに通じていると思っています。

今回は、和光中学校、和光高等学校ではどのような教育が行われ、どのような子どもが育っているのか、このシンポジウムの中で浮かび上がってくれば、と思いました。

 

和光中学校の教育目標は「共に生きる」。高橋先生はシンポジウムのレジュメに、“自分を誇りに思い、他者に敬意を払う人であってほしいという願いの下に”というサブタイトルをつけました。

最初に、卒業生のメッセージを紹介して下さいました。

「社会科、捕鯨の授業で、視点を変えると物事の見え方ががらりと変わるということを学んだ」「自分の学びの中に仲間がいなかったことはない」「赤いバラには憧れるけれど自分は黄色いバラでいい、とやっと気づくことができた」・・・・

授業や行事の中で、いろいろな人の気持ちが自分の中に住んでいると実感できる

のが和光中学校で学ぶ3年間だと、高橋先生は言います。

和光中学校は4月、入学式の直後に「新入生歓迎(オリテ)運動会」を行います。2年生、3年生は三学期から準備を進め、3年生全員が必ず何かのリーダーになるそうです。

4つのブロックに分かれて優勝をめざして闘いますが、この時期に全校で運動会を行うのは、新入生が早く仲良くなれるように、学校が安心できる場所であるということがわかるように、という目的があるからです。外の小学校から来た人は知っている人が誰もいない、ということもあります。そんな新入生に、学年を超えて多くの人と知り合い、関わり合っていくことは、これからの中学校生活に希望と期待をもたらすことにつながるのではないか、と和光中学校は考えています。そして3年生にとっては2年生、1年生との関わりの中で自分自身を見つめることになり、「“ひとのために”行動する自分と仲間に出会う」、「3年生が3年生になる行事」であると高橋先生は言います。

オリテ運動会を振り返って書く感想文も、学級通信でクラスの仲間と共有します。この感想文の中にも、自分ががんばったこと、やりきれなかったことと共に、取り組みの中で発見した仲間のステキな姿が書かれています。

最後は、国語の授業のことを話して下さいました。

今も国語の授業を持っていらっしゃる高橋先生は、「大切にしているのは、互いの学びを共有すること。応答する空間の中で、自分もまた応答したいと思うようになるのです。」と切り出しました。

和光中学校の2年生は、9月末秋田へ学習旅行に行きます。5泊6日の学習旅行では、お世話になる農家の方々と農作業などを体験させて頂きながら濃密な時間を過ごします。こうしてできた秋田の“父さん”“母さん”“じっちゃん”“ばっちゃん”との絆は、子どもたちは大人になっても心のひだに大切にしまっておきたくなるようなものとなります。

そんな秋田学習旅行を終えた2年生は「詞書」をつけて短歌を作りました。そして友だちの短歌に「この一首を選んだ鑑賞文」を寄せます。著作権の関係で短歌も鑑賞文もご紹介できないのが残念ですが、「秋田」を想って詠んだ短歌も、友だちの“ことば”に寄せる率直な感想も、多感な思春期の子どもたちがこんなにまっすぐに自分の気持ちを表現できることに驚きます。和光小出身の子どもたち、鶴小で担任をしたことがある子どもたちの顔が思い浮かび、胸が熱くなる思いがしました。

 

梅津先生は、和光高校のカリキュラムの特徴を話して下さいました。

和光学園は1933年に小学校が誕生し、戦後になって中学、高校、幼稚園が今の世田谷キャンパスにできました。子どもたちの知的探求心を刺激しながら、学びに向かう教育は、受験のための知識詰め込み型の教育とは対極に位置します。受験競争が激しくなってきていた1960年代当時、受験のための教育は本来の教育の目的とは違う、子どもたちが活き活きとした学校生活を送ることが出来るような教育作りこそ、和光学園がめざすところである、と考え、“教育界の巨人”と謳われた梅根悟氏を初代学長に迎え、和光大学が創設されます。

有名大学にできるだけ多くの生徒を進学させようと、授業時間を多く取っている他私学が多い中、和光高校はいわゆる詰め込み教育ではなく、自分の考え、意見を持ち、それを自分のことばで表現できることを大切にしていると梅津先生は言います。

和光高校は、選択授業が多いのも特徴の一つです。生徒の興味関心に基づいて授業を“選ぶ”ことができるように、ということを大切にしています。

また、多くの私学が、理系と文系のコース制を取っていますが、和光高校はそのような分け方はしないので、進路変更が可能です。

1年生は週に2時間、芸術科目の選択授業の時間があり、その他は必修ですが、2年生、3年生では自由選択が10枠(1枠は2時間分)あり、その中から6枠取れば卒業できることになっています。必修選択は2年生で1枠、3年生で1枠です。必修選択となると、やりたくないのに取らなくてはいけなくなる、というのが自由選択が多い理由だそうです。

2年生の必修選択(火曜日の5,6校時)の講座では、10月に研究旅行に行きます。2018年度は全部で10講座あり、日常の授業の延長で組まれる研究旅行先は全国各地です。いくつかの講座名と研究旅行の目的を紹介します。

<日本文学研究>目的:作品などの舞台となった地、作家ゆかりの地を訪れ、エッセイや作品などを創る文学紀行。伊勢神宮・大阪・小豆島など、文化や文芸と関わりのある地に足を運ぶ。

<ひととことば>目的:シマ(奄美大島)で出会う人たちと親睦を深める。シマユムタ、生活、文化を尋ね、聞き書きを完成する。旅行のまとめをシマに返すとともに、伝承する力をわたしたちがもつ。

<農と地域>目的:鳴子の米プロジェクトについて学ぶ。被災地の地域作りについて学ぶ。農作業を通し、人とのつながりを学ぶ。

<労働と福祉>目的:野宿者問題、福祉の問題をフィールドワークを通して学習する。また、大阪の商店や観光地で、仕事の体験をする。

<生物研究>目的:栃木県日光市の奥日光地区・足尾地区にて、シカによる植生破壊の実態とシカの保護管理、サル害の実態とサルの保護管理、足尾銅山の煙害による森林破壊とその再生事業について調査・研究を行う。

<版画>目的:札幌の芸術の森センター版画工房にて、普段なかなか制作できない大型作品(木版画、裏彩色)を制作する。最終日にはセンター内か札幌市内の美術館にて作品鑑賞。制作した作品は、文化祭美術科作品展で展示。

他に、<基地問題研究><日本古代史研究><戦争と史跡><科学技術と生活><絵画>の講座があります。

梅津先生が準備して下さった資料の中に、「フィールドワーク一覧」がありました。必修選択、自由選択の授業で行ったフィールドワークは、2018年5月には9回、6月には17回・・・と、授業内容ごとにさまざまなところでフィールドワークを行っています。座学だけではなく、現場に出かける、本物に触れる、プロに出会う、実際にやってみる、などなど、高校生でも“体験する”ことで学びが深まっていくことをめざしています。

和光高校のもう一つの特徴に、「3年生特別講座」があります。3年生の3学期は、大学受験の時期であり、多くの高校では授業がなくなります。和光高校も、3年生は2学期末で授業が修了しますが、近年はAO入試、推薦入試で進路が決まってしまう生徒が9割、一般受験をする生徒は1割なのだそうです。そこで、5人以上の生徒がこの先生にこのような授業をして欲しい、という申し入れをしたら「特別講座」が設けられます。

たとえば、東洋の医学と栄養学を学ぶという「東洋医学と栄養学」、K-POPの歌詞を覚え、カルグンムを意識して踊るという「韓国文化を知る」、英語を通して世界のテーブルゲームをするという「Playing GAME with Jonathan!」、生物学の視点から男女の違い、恋愛、コミュニケーションについて学ぶ「根源から学びたい恋愛とコミュニケーション」、ドイツ史などのヨーロッパ史についてより深く学ぶ「ヨーロッパ史リターンズ」、ハラルフードを創り、イスラム教などの文化を学ぶ「ハラルフードを作って食べよう」(講座名はせいとが考案します)・・・・・テニス、バスケットボール、手芸、調理、などクラブ活動的なものも含め、2018年度は30講座が開設されました。

 

フロアーから質問や感想を寄せて頂いた後、最後にお二人からみなさんにお伝えしたいこと、を話して頂きました。

梅津先生からは「和光高校の教育で伝えたいことがまだまだたくさんある、生徒の自治についても知って頂く機会があれば」、高橋先生からは、「壁にぶつかることはいっぱいある、でも自分が好き、他人を大切にすることができるという生き方をしていれば乗り越えられる」というメッセージをいただきました。

 

高橋先生、梅津先生のお話を聞き、学びに向かうということはどういうことか、そのために教育内容、授業のあり方はどうあるべきか、とうことを考えさせられました。

そして、和光幼稚園、和光小学校、和光中学校、和光高校と“和光の学び”の中で育っていく子どもたちのことを、もっともっと知りたくなりました。

 

“漢字文化”ならではの交流も ~日中韓三カ国交流~

和光小学校 校園長ブログ
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今年で13回目となる韓国ミラルトゥレ学校、中国グリーンタウン小学校との三カ国交流が終わりました。今年は和光小学校に両国の学校から来て頂いての交流でした。ミラルトゥレ学校からは子ども53名、先生名(内、ミラルトゥレは中国校もあり、そこからは子ども名先生名)、グリーンタウン小学校からは子ども18名、先生名、通訳の方1名の総勢子ども72名、先生11名が、10日(月)から13日(木)まで和光小学校で過ごしました。

1日目、すでに三日前から来日していたグリーンタウン小学校の人たちはお昼過ぎには和光小学校へ到着し、4年生が校舎案内をしました。ミラルトゥレ学校の人たちは、土砂降りの中、羽田空港から世田谷までバスで移動、和光小学校到着後、3年生と体育館でゲームをして、すぐにうち解けた雰囲気になりました。

その後、ホームステイ受け入れ家庭のみなさんが集まって下さって歓迎会、受け入れ家庭との記念撮影をして、それぞれのおうちへ引き取って頂きました。お互いに緊張しながらの出会いでしたが、中国、韓国の子どもたちは日本の家庭での生活に期待を寄せていたことでしょう。

2日目、1,2時間目、1年生、2年生との交流は玉入れでからだも気持ちもほぐした後、3~4人のグループを作ってテープゴマ作りをしました。テープゴマは、4月の初め、2年生が入学してきた1年生にプレゼントしていっしょに遊びます。今回は中国、韓国のペアの人と1年生のペアの人に2年生が作り方を教えてあげて“作って遊ぶ”交流をしました。ことばが通じない、という不安も、いっしょにやってみたり遊んでみると「楽しい!」ことを実感します。

2ねんせいのりょうたろうくんは、「ことばがつうじなかった。あたらしいはっけん、ゆびをうまくつかうとつうじる。」と感想に書いていました。

3,4時間目、5年生は韓国の子どもたちと、6年生は中国の子どもたちとの交流をしました。

韓国の子どもたちは5年生の各クラスに26~7人ずつ入り、体育館でおにごっこをしたり、教室でグループ毎に自己紹介し合った後、お互いの国のこと、学校のことを知り合うために質問を出し合いました。韓国の子どもから「どうして和光という名前なんですか?」という質問があり、たまたま居合わせた私が「和光同塵」の意味などを話すことに。5年生も初めて聞いた話だったと思います。

6年生は、両クラスいっしょに授業をしました。6つのグループに分かれ、1つのグループに3人の中国の子どもたちが入ります。まず「自己紹介」。通訳の方が説明してくれますが、中国語では「自我介紹」と表すのだそうです。黒板に二ヵ国の言葉が並ぶと、なるほど、と思います。

その後、3種類のお菓子を食べてみて、それぞれ感じたことを漢字で表現する、ということをやりました。

さいしょは「せんべい」。漢字では「煎餅」と書きますが、中国ではこの文字で表されるのは違う食べ物だとか。和光の子どもたちは「醤油」「硬」「米」などと表現しましたが、中国の子どもたちは「脆皮」(さくさく、あるいはバリバリという意味)「色香味倶全」(色、香り、味全てがそろっている)「入口即化」(口の中で溶ける)という漢字を書きました。

次は「羊羹」。和光の子どもたちは「美味」「柔」「紫」「甘」などなど。中国の子どもたちは「有豆沙的成分」←(最後の分はにんべんがつきます。あずきで作られているような、という意味)「豆沙味」「軟」「健康」「甘(舌へんがつきます)滋滋的」(甘くてからだによさそう)など。

最後に出たのは「ちんすこう」、沖縄のお菓子です。この頃には和光の子どもたちも中国の子どもたちもグループの机に置かれた紙に競うようにして書き始めます。「甘」「茶色」「粉」は和光の子どもたち。中国の子どもたちは「甘(舌へんがつきます)」「安全」「空心」(裏を見るとまん中が空洞でした)「長方形」(長は中国語での漢字です)「易卓(てへんがつきます)屑」(ぼろぼろに崩れる)「流沙口感」(口の中で溶けていく)などなど、他にも私のPCでは表現できない漢字が並びますが、読めなくても見ただけで何となく意味がわかります。

東田先生は、「ちんすこう」は中国から沖縄に伝わったお菓子なので中国にもよく似たお菓子がある、「煎餅」も「羊羹」も和菓子だがもともとは中国から伝わってきたものだ、と教えてくれました。

改めて漢字文化の中で生活していること、中国は同じ漢字文化の国であることを感じることが出来る授業でした。

午後は全校の子どもたちとの文化交流でした。

オープニングは、和光の有志の保護者の方が取り組んで下さった合唱。横濱山手中華学校との交流で教えてもらった歌、韓国ミラルトゥレ学校でずっと歌われてきている歌を披露して下さいました。

三カ国の子どもの代表があいさつをし、韓国、中国、和光の子どもたちの出し物を鑑賞しました。韓国の子どもたちは韓国の国旗をイメージしたうちわを持ったおどり、両手にカップを持ってテーブルを打ち鳴らす“ナンタ”のリズムを感じさせるもの、そしてサムルノリ。どれも多くの子どもたちの動きがきれいにそろっていて、子どもたちは目を見張っていました。中国の子どもたちの出し物も、カップを使ってリズムを取るものがありました。そして伝統的な衣装を着た踊り。白い袖がぱっと飛び出したり、しなやかに弧を描きます。(この衣装を着た踊りは、3日目に和光の子どもたちも体験させてもらいました)

最後に和光小学校の2年生がアイヌのおどりを、3,4年生はコマ、けんだまを、6年生が大森みかぐらを披露しました。初めて見る踊りや演奏に見入っていた1年生の子どもたちも、大森みかぐらが終わって退場する6年生に、まるでアイドルのように名前を呼びながら駆け寄っていきました。入学式以来1年生に係わった来た6年生の姿を感じさせられる一幕でした。

この文化交流には、4年生が交流を続けている横濱山手中華学校の張校長先生はじめ5人の先生方が参加して下さいました。「とてもいい雰囲気ですね」という感想を残して帰られました。

3日目は午前中いっぱい、三カ国の教師が中心になって9つのブースを準備し、3、4年生が韓国、中国の子どもたちとグループを組んで、順に回っていく、という取り組みでした。中国からは「切り紙」「書」「踊り」、韓国からは「折り紙」(韓国のチマチョゴリ、パジチョゴリを折る)「ユンノリ」(韓国の伝統的な遊び)「チャング」(韓国の太鼓)、日本からは「びゅんびゅんごまづくり」「昔遊び、けんだま、こま、おはじきなど」「マンガ、スタンピング」のブースが出ました。2時間半近く、たっぷり時間はあったのですが、すべて回るのは難しく、中には3つしか回らなかったというグループも。やりたいことをじっくり出来たのは「楽しくておもしろかった」と3年生が感想に書いていました。

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この日は水曜日で午後の授業はないので、ホームステイ家族のみなさんとそれぞれに時間を過ごしました。中国グリーンタウン小学校の人たちは、翌朝早い便で帰国するため、この日の16時に和光を出発して成田に向かいました。午後の時間は短かったのですが、近くの公園などで遊んで、和光小に集合し、出発しました。

4日目、韓国ミラルトゥレ学校の人たちともいよいよお別れの日となります。朝からホームステイ家族の方達にも来て頂き、体育館で全校の子どもたちとお別れの会を行いました。最後にミラルトゥレ学校で歌い継がれている「あなたは愛されるために生まれてきた」という歌を日本語で歌ってくれて、いよいよお別れだという思いが迫ってきました。

4日間は、あっという間ではありましたが、ホームステイをしての交流は“異文化”を感じ取る貴重な体験となったのではないでしょうか。それぞれの学校で参加する子どもたちに対して交流の内容や意味について伝えることは行っているものの、子どもたちひとりひとりの個性もあり、思うような交流ができなかったり、喜んでくれるかと思って準備して頂いたことがそれほどでもなくがっかりしたり、ということもあったかもしれません。それは、こちらから訪問する時も同様です。そういうことも含めて、“異文化国際理解”につながる交流であるのだと考えています。ホームステイで受け入れて下さったみなさまにはご苦労をおかけしたことと思いますが、三年に一度のホームステイ受け入れ体験、声を寄せて頂けるとありがたいです。

また、通訳ボランティアとして、2日目と3日目の中国、韓国の子どもたちの昼食作りや文化体験ブースのお手伝いに多くの父母のみなさまのご協力をいただきました。この三カ国交流を続けていくことができるのは、父母のみなさまのご協力があればこそです。こころより感謝申し上げます。

13年目を迎え、三カ国の教員たちのつながりもますます深くなってきています。ミラルトゥレ学校の先生たちは数日間和光小学校の授業見学に来たり、高学年キャンプに参加してくれたこともあります。和光小学校の教員もミラルトゥレ学校へ長期間研修に行ったこともありました。グリーンタウン小学校からは、2年前、陳校長先生はじめ数名の先生たちが学校見学に来てくれました。今回も、学校のこと、教育のことなど時間の許す限り意見交換を行いました。

歴史的にも文化的にも深いつながりのある3つの国ですが、政治的には必ずしも良好であるとは言えないのが現状です。ことばも十分伝わらない中、子どもたちはいっしょに何かを作る、いっしょに食事をする、いっしょに遊ぶ、などの時間を過ごすことで“その人”のことがわかってきます。お互いのことが少しずつでもわかることで、“その人”の暮らす国を理解する入り口に立つことができるのだと思います。

来年3月には中国杭州グリーンタウン小学校で、14回目の三カ国交流を行うことが決まりました。今回交流した子どもたちの感想の中には、「次は行ってみようかな」というのもありました。また会いたい、もっと交流したい、そんな余韻を残すことができた今年の三カ国交流でした。

和光小学校の資料一式を無料送付いたします。

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