校園長ブログ

現代社会には大人でも答えの出せない様々な問題があり、そうした問題についてどう考えるのか、 考え方を身につけることが小学校での学びの大切な到達点 ~和光小学校の教育、質問にお答えして~

和光小学校 入試情報新着, 校園長ブログ
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いちょうまつりを2日後に控え、お店の準備、踊りの練習も佳境に入っています。ご近所のみなさまには、連日の太鼓の音でご迷惑をおかけしております。

 

さて、今年5月に行った和光幼稚園からの内部進学のための説明会で、参加されたみなさまからいくつかのご質問を受け、それに対する回答を幼稚園では園通信でお届けしましたが、外部から受験を考えていらっしゃる方にも共通する部分があるかと思いますので、その中から一部Q&Aという形でお知らせしたいと思います。

(さらに…)

“物がないゆえのクリエイティビティが すごいことを毎日感じる” ~卒業生 長井優希乃さん「マラウイの生活から考える」~

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つい先日夏休みが始まったと思ったら、もう来週からは二学期です。7月末からは猛暑が続きましたが、みなさまお元気でお過ごしでしたでしょうか?

NHKの<チコちゃんに叱られる>で、「夏休みは何のためにあるの?」という質問に、「先生たちが勉強するため」というのが答えでした。その通り、長い夏休み、教員たちは全国各地で開かれている民間教育研究団体などが主催する夏期セミナーなどに参加し、学びを進めるとともに全国の仲間たちとの交流も深めました。

2年生の中には、8月4日から5日に行われる青森県今別の荒馬まつりに親子で参加し、現地保存会の方から講習を受けた方もいらっしゃることでしょう。2年生の教員は今別に行き、1年生の教員は北海道でアイヌ文化に浸る日々を過ごします。

8月下旬になると、各校、園での研究会、幼小研究会、両小研究会、小中研究会、幼小中高研究会と、数日間に渡っての学園内での研究活動を行っています。

幼稚園は学園内の研究会の前に、今年は“他園訪問”で学ぼう、と、静岡県、千葉県、埼玉県の幼稚園、保育園の参観を行いました。私は4人の先生たちといっしょに千葉県富津市にある「和光保育園」(和光学園とはまったく関係がありません)に行きましたが、園舎のつくり、子どもたちの生活時間の流れ、保育者たちの関わり方などにたいへん刺激を受けました。またどこかでお伝えできれば、と思っています。

 

さて、そんな学園内の研究会がそろそろ始まるという8月24日(土)、同窓親和会主催の<卒業生から学ぶ>という企画が催されました。同窓親和会というのは、卒業生の父母の方々、退職教員が卒業後も和光の学びにつながるために集っている組織です。学習会、演奏会などを企画し、学園全体にも呼びかけて下さっています。

今回は、和光鶴川幼稚園、和光鶴川小学校、和光中学、和光高校で学び、その後立教大学、京都大学大学院で文化人類学を専攻し、現在、JICA青年海外協力隊でアフリカのマラウイに派遣されている長井優希乃さんからお話を聞きました。

優希乃さんは私が鶴小で高学年担任をしていたとき隣のクラスにいました。民舞が大好きで元気いっぱいの踊りリーダーだったことを覚えています。中学の時、卒業生からネパール舞踊を学んだことが文化人類学への道につながったのかもしれません。大学の時は、休学して約20ヵ国の国々を旅したのだそうです。

実は、私はこの日までマラウイという国がどこにあるのか知らなかったのですが、タンザニア、ザンビア、モザンビークに囲まれたアフリカ南東部に位置する内陸国だそうです。面積は日本の三分の一ほどですが、出生率は4.57人(2016年)で人口増加率は2.9%。子どもたちがたくさんいる国です。

1年生から8年生までのPrimary Schoolのみ義務教育ですが、1つの学校には1500人ぐらいの子どもたちがいて、1つの教室に200人、教室がない学年もあるのだとか。

国の経済は40%を国際援助に頼っています。日本からの援助もあります。北欧からの200万ドルは女子教育へ、という目的での援助なので、性別役割分業や若年で女子が結婚させられることについて劇にするなどのジェンダー教育を行っているそうですが、まだLGBTは認められていないとか。そんなこともあってか、“カジュアルデー”というお祭りの日には男子が女装するなどして楽しむのだそうです。

マラウイに派遣されて十ヶ月になるという優希乃さん、現地では首都リロングウェから2時間ほど進んだ山あいのマタピラという地域で、小学校教育におけるアート教育アドバイザーをしています。

学区にある12校を自転車で巡回し、体育、演劇、音楽などの教育について教員がスキルアップするためのワークショップを行ったり、子どもたちとアートクラブの活動を行ったりしています。また、現地の子どもたちと日本の学校との交流プログラムを企画、運営もします。学校は点在しているので、毎日20㎞ほどのオフロードの道のりを自転車で回るのだとか。逞しいです!

その中で、アイヌのおどりを子どもたちとやっている映像を見せて頂きました。海外協力隊は日本のおどりというとソーラン節を伝えることが多いのだそうですが、アイヌのおどりは表現しているものが伝わりやすく、自然に対する考え方もマラウイの人たちの生活と近いものがあり受け入れられやすいと優希乃さんは考え、マタンプシも作って棒のおどり、丸木舟のおどりなどやりました。

校舎にみんなで壁画を描くというプロジェクトでは、壁画の模様を子どもたちに考えてもらい、多くの案を投票で選ぶ、という手法で行いました。トップダウンではなく民主的に物事を決めていくことも学校文化の中に伝えています。

日本の調布にある私立の学校と交流した時、ゴミの問題が話題になったそうです。マラウイの子どもたちは「ゴミ?なぜ捨てるの?」と首をかしげます。

電気が通っていないところもあり、国際支援で15年ぐらい前にはあったという水道はメンテナンスができないため壊れたままで井戸水を使っています。物が溢れている日本の子どもたちには想像もつかない生活ですが、どんな物でも工夫して加工し、何かを作ってしまうマラウイの子どもたちのクリエイティビティに、優希乃さんは感動します。物がない故のクリエイティビティがすごい、ということを毎日感じるのだそうです。そして、クリエイティビティって何だろう、と考えます。物に溢れた生活をしている私達は、自分で物を作り出す、作り替えるということができなくなっているのかもしれません。

最後に、国際協力とはかわいそうな人たちを助けてあげるのだ、という意識の傲慢さを話してくれました。こういう“上から目線”が植民地主義につながるのではないか、と。

マラウイでの生活を通じて、「豊かさとな何だろう?」と自分への問い直しをしているのだと優希乃さん。公務員住宅に住み、現地の人たちと同じようにトウモロコシを育て収穫して製粉したものも一袋持ってきてくれました。これで主食のシマを作ります。限られた期間とはいえ、現地の人たちと同じ物を食べ、同じ物を着、現地の風を肌で感じて生活することで新たな発見、学びが得られるのでしょう。

マラウイの子どもたちのこと、学校の先生や地域の人たちのことを語る優希乃さんの柔らかい口調、優しいまなざしが印象的でした。

 

幼稚園、小学校の夏休み、各ご家庭でも長い休みだからこその日々を過ごされたことと思います。夏休み明け、一回り大きくなった子どもたちに会うのを楽しみにしています。 

壁にぶつかることがあっても、 自分が好き、他人を大切にすることができる、という生き方をしていれば乗り越えられる。 ~シンポジウム:和光学園で育つ子どもたち~

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毎年6月中旬に行う休日授業・保育公開の日は、1,2校時の授業を参観していただいた後、3,4校時は幼稚園、小学校の保護者のみなさまには、校長講演、シンポジウムに参加して頂いています。

シンポジウムは、卒業生や卒業生父母の方に幼稚園、小学校の頃の学びと今の生き方について語ってもらったこともあり、昨年は幼稚園、小学校の両教務主任に幼稚園、小学校の教育について子どもたちの姿を具体的に語ってもらいました。

今年は、和光中学校の副校長、高橋智佳子先生と和光高校の副校長、梅津靖先生に来て頂き、和光中学、和光高校の教育を語って頂きました。

題して「和光学園で育つ子どもたち」

先日、東京私立初等学校の一斉研修会で「Most Likely To SUCCEED」(2015年米 ドキュメンタリー)の上映がありました。“子どもを点数のデータと見なす教育システムの中では、人間が本来持っている自らどん欲に学ぶ能力が潰されてしまっている”ことに警告をならすという意図で製作されたと言いますが、私たちはずっと以前から“子どもが自ら学ぶ意欲を持つ”ことを大切に教育作りを進めてきました。幼稚園から小学校、中学、高校、大学と和光学園で大切にしている教育の柱はそこに通じていると思っています。

今回は、和光中学校、和光高等学校ではどのような教育が行われ、どのような子どもが育っているのか、このシンポジウムの中で浮かび上がってくれば、と思いました。

 

和光中学校の教育目標は「共に生きる」。高橋先生はシンポジウムのレジュメに、“自分を誇りに思い、他者に敬意を払う人であってほしいという願いの下に”というサブタイトルをつけました。

最初に、卒業生のメッセージを紹介して下さいました。

「社会科、捕鯨の授業で、視点を変えると物事の見え方ががらりと変わるということを学んだ」「自分の学びの中に仲間がいなかったことはない」「赤いバラには憧れるけれど自分は黄色いバラでいい、とやっと気づくことができた」・・・・

授業や行事の中で、いろいろな人の気持ちが自分の中に住んでいると実感できる

のが和光中学校で学ぶ3年間だと、高橋先生は言います。

和光中学校は4月、入学式の直後に「新入生歓迎(オリテ)運動会」を行います。2年生、3年生は三学期から準備を進め、3年生全員が必ず何かのリーダーになるそうです。

4つのブロックに分かれて優勝をめざして闘いますが、この時期に全校で運動会を行うのは、新入生が早く仲良くなれるように、学校が安心できる場所であるということがわかるように、という目的があるからです。外の小学校から来た人は知っている人が誰もいない、ということもあります。そんな新入生に、学年を超えて多くの人と知り合い、関わり合っていくことは、これからの中学校生活に希望と期待をもたらすことにつながるのではないか、と和光中学校は考えています。そして3年生にとっては2年生、1年生との関わりの中で自分自身を見つめることになり、「“ひとのために”行動する自分と仲間に出会う」、「3年生が3年生になる行事」であると高橋先生は言います。

オリテ運動会を振り返って書く感想文も、学級通信でクラスの仲間と共有します。この感想文の中にも、自分ががんばったこと、やりきれなかったことと共に、取り組みの中で発見した仲間のステキな姿が書かれています。

最後は、国語の授業のことを話して下さいました。

今も国語の授業を持っていらっしゃる高橋先生は、「大切にしているのは、互いの学びを共有すること。応答する空間の中で、自分もまた応答したいと思うようになるのです。」と切り出しました。

和光中学校の2年生は、9月末秋田へ学習旅行に行きます。5泊6日の学習旅行では、お世話になる農家の方々と農作業などを体験させて頂きながら濃密な時間を過ごします。こうしてできた秋田の“父さん”“母さん”“じっちゃん”“ばっちゃん”との絆は、子どもたちは大人になっても心のひだに大切にしまっておきたくなるようなものとなります。

そんな秋田学習旅行を終えた2年生は「詞書」をつけて短歌を作りました。そして友だちの短歌に「この一首を選んだ鑑賞文」を寄せます。著作権の関係で短歌も鑑賞文もご紹介できないのが残念ですが、「秋田」を想って詠んだ短歌も、友だちの“ことば”に寄せる率直な感想も、多感な思春期の子どもたちがこんなにまっすぐに自分の気持ちを表現できることに驚きます。和光小出身の子どもたち、鶴小で担任をしたことがある子どもたちの顔が思い浮かび、胸が熱くなる思いがしました。

 

梅津先生は、和光高校のカリキュラムの特徴を話して下さいました。

和光学園は1933年に小学校が誕生し、戦後になって中学、高校、幼稚園が今の世田谷キャンパスにできました。子どもたちの知的探求心を刺激しながら、学びに向かう教育は、受験のための知識詰め込み型の教育とは対極に位置します。受験競争が激しくなってきていた1960年代当時、受験のための教育は本来の教育の目的とは違う、子どもたちが活き活きとした学校生活を送ることが出来るような教育作りこそ、和光学園がめざすところである、と考え、“教育界の巨人”と謳われた梅根悟氏を初代学長に迎え、和光大学が創設されます。

有名大学にできるだけ多くの生徒を進学させようと、授業時間を多く取っている他私学が多い中、和光高校はいわゆる詰め込み教育ではなく、自分の考え、意見を持ち、それを自分のことばで表現できることを大切にしていると梅津先生は言います。

和光高校は、選択授業が多いのも特徴の一つです。生徒の興味関心に基づいて授業を“選ぶ”ことができるように、ということを大切にしています。

また、多くの私学が、理系と文系のコース制を取っていますが、和光高校はそのような分け方はしないので、進路変更が可能です。

1年生は週に2時間、芸術科目の選択授業の時間があり、その他は必修ですが、2年生、3年生では自由選択が10枠(1枠は2時間分)あり、その中から6枠取れば卒業できることになっています。必修選択は2年生で1枠、3年生で1枠です。必修選択となると、やりたくないのに取らなくてはいけなくなる、というのが自由選択が多い理由だそうです。

2年生の必修選択(火曜日の5,6校時)の講座では、10月に研究旅行に行きます。2018年度は全部で10講座あり、日常の授業の延長で組まれる研究旅行先は全国各地です。いくつかの講座名と研究旅行の目的を紹介します。

<日本文学研究>目的:作品などの舞台となった地、作家ゆかりの地を訪れ、エッセイや作品などを創る文学紀行。伊勢神宮・大阪・小豆島など、文化や文芸と関わりのある地に足を運ぶ。

<ひととことば>目的:シマ(奄美大島)で出会う人たちと親睦を深める。シマユムタ、生活、文化を尋ね、聞き書きを完成する。旅行のまとめをシマに返すとともに、伝承する力をわたしたちがもつ。

<農と地域>目的:鳴子の米プロジェクトについて学ぶ。被災地の地域作りについて学ぶ。農作業を通し、人とのつながりを学ぶ。

<労働と福祉>目的:野宿者問題、福祉の問題をフィールドワークを通して学習する。また、大阪の商店や観光地で、仕事の体験をする。

<生物研究>目的:栃木県日光市の奥日光地区・足尾地区にて、シカによる植生破壊の実態とシカの保護管理、サル害の実態とサルの保護管理、足尾銅山の煙害による森林破壊とその再生事業について調査・研究を行う。

<版画>目的:札幌の芸術の森センター版画工房にて、普段なかなか制作できない大型作品(木版画、裏彩色)を制作する。最終日にはセンター内か札幌市内の美術館にて作品鑑賞。制作した作品は、文化祭美術科作品展で展示。

他に、<基地問題研究><日本古代史研究><戦争と史跡><科学技術と生活><絵画>の講座があります。

梅津先生が準備して下さった資料の中に、「フィールドワーク一覧」がありました。必修選択、自由選択の授業で行ったフィールドワークは、2018年5月には9回、6月には17回・・・と、授業内容ごとにさまざまなところでフィールドワークを行っています。座学だけではなく、現場に出かける、本物に触れる、プロに出会う、実際にやってみる、などなど、高校生でも“体験する”ことで学びが深まっていくことをめざしています。

和光高校のもう一つの特徴に、「3年生特別講座」があります。3年生の3学期は、大学受験の時期であり、多くの高校では授業がなくなります。和光高校も、3年生は2学期末で授業が修了しますが、近年はAO入試、推薦入試で進路が決まってしまう生徒が9割、一般受験をする生徒は1割なのだそうです。そこで、5人以上の生徒がこの先生にこのような授業をして欲しい、という申し入れをしたら「特別講座」が設けられます。

たとえば、東洋の医学と栄養学を学ぶという「東洋医学と栄養学」、K-POPの歌詞を覚え、カルグンムを意識して踊るという「韓国文化を知る」、英語を通して世界のテーブルゲームをするという「Playing GAME with Jonathan!」、生物学の視点から男女の違い、恋愛、コミュニケーションについて学ぶ「根源から学びたい恋愛とコミュニケーション」、ドイツ史などのヨーロッパ史についてより深く学ぶ「ヨーロッパ史リターンズ」、ハラルフードを創り、イスラム教などの文化を学ぶ「ハラルフードを作って食べよう」(講座名はせいとが考案します)・・・・・テニス、バスケットボール、手芸、調理、などクラブ活動的なものも含め、2018年度は30講座が開設されました。

 

フロアーから質問や感想を寄せて頂いた後、最後にお二人からみなさんにお伝えしたいこと、を話して頂きました。

梅津先生からは「和光高校の教育で伝えたいことがまだまだたくさんある、生徒の自治についても知って頂く機会があれば」、高橋先生からは、「壁にぶつかることはいっぱいある、でも自分が好き、他人を大切にすることができるという生き方をしていれば乗り越えられる」というメッセージをいただきました。

 

高橋先生、梅津先生のお話を聞き、学びに向かうということはどういうことか、そのために教育内容、授業のあり方はどうあるべきか、とうことを考えさせられました。

そして、和光幼稚園、和光小学校、和光中学校、和光高校と“和光の学び”の中で育っていく子どもたちのことを、もっともっと知りたくなりました。

 

“漢字文化”ならではの交流も ~日中韓三カ国交流~

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今年で13回目となる韓国ミラルトゥレ学校、中国グリーンタウン小学校との三カ国交流が終わりました。今年は和光小学校に両国の学校から来て頂いての交流でした。ミラルトゥレ学校からは子ども53名、先生名(内、ミラルトゥレは中国校もあり、そこからは子ども名先生名)、グリーンタウン小学校からは子ども18名、先生名、通訳の方1名の総勢子ども72名、先生11名が、10日(月)から13日(木)まで和光小学校で過ごしました。

1日目、すでに三日前から来日していたグリーンタウン小学校の人たちはお昼過ぎには和光小学校へ到着し、4年生が校舎案内をしました。ミラルトゥレ学校の人たちは、土砂降りの中、羽田空港から世田谷までバスで移動、和光小学校到着後、3年生と体育館でゲームをして、すぐにうち解けた雰囲気になりました。

その後、ホームステイ受け入れ家庭のみなさんが集まって下さって歓迎会、受け入れ家庭との記念撮影をして、それぞれのおうちへ引き取って頂きました。お互いに緊張しながらの出会いでしたが、中国、韓国の子どもたちは日本の家庭での生活に期待を寄せていたことでしょう。

2日目、1,2時間目、1年生、2年生との交流は玉入れでからだも気持ちもほぐした後、3~4人のグループを作ってテープゴマ作りをしました。テープゴマは、4月の初め、2年生が入学してきた1年生にプレゼントしていっしょに遊びます。今回は中国、韓国のペアの人と1年生のペアの人に2年生が作り方を教えてあげて“作って遊ぶ”交流をしました。ことばが通じない、という不安も、いっしょにやってみたり遊んでみると「楽しい!」ことを実感します。

2ねんせいのりょうたろうくんは、「ことばがつうじなかった。あたらしいはっけん、ゆびをうまくつかうとつうじる。」と感想に書いていました。

3,4時間目、5年生は韓国の子どもたちと、6年生は中国の子どもたちとの交流をしました。

韓国の子どもたちは5年生の各クラスに26~7人ずつ入り、体育館でおにごっこをしたり、教室でグループ毎に自己紹介し合った後、お互いの国のこと、学校のことを知り合うために質問を出し合いました。韓国の子どもから「どうして和光という名前なんですか?」という質問があり、たまたま居合わせた私が「和光同塵」の意味などを話すことに。5年生も初めて聞いた話だったと思います。

6年生は、両クラスいっしょに授業をしました。6つのグループに分かれ、1つのグループに3人の中国の子どもたちが入ります。まず「自己紹介」。通訳の方が説明してくれますが、中国語では「自我介紹」と表すのだそうです。黒板に二ヵ国の言葉が並ぶと、なるほど、と思います。

その後、3種類のお菓子を食べてみて、それぞれ感じたことを漢字で表現する、ということをやりました。

さいしょは「せんべい」。漢字では「煎餅」と書きますが、中国ではこの文字で表されるのは違う食べ物だとか。和光の子どもたちは「醤油」「硬」「米」などと表現しましたが、中国の子どもたちは「脆皮」(さくさく、あるいはバリバリという意味)「色香味倶全」(色、香り、味全てがそろっている)「入口即化」(口の中で溶ける)という漢字を書きました。

次は「羊羹」。和光の子どもたちは「美味」「柔」「紫」「甘」などなど。中国の子どもたちは「有豆沙的成分」←(最後の分はにんべんがつきます。あずきで作られているような、という意味)「豆沙味」「軟」「健康」「甘(舌へんがつきます)滋滋的」(甘くてからだによさそう)など。

最後に出たのは「ちんすこう」、沖縄のお菓子です。この頃には和光の子どもたちも中国の子どもたちもグループの机に置かれた紙に競うようにして書き始めます。「甘」「茶色」「粉」は和光の子どもたち。中国の子どもたちは「甘(舌へんがつきます)」「安全」「空心」(裏を見るとまん中が空洞でした)「長方形」(長は中国語での漢字です)「易卓(てへんがつきます)屑」(ぼろぼろに崩れる)「流沙口感」(口の中で溶けていく)などなど、他にも私のPCでは表現できない漢字が並びますが、読めなくても見ただけで何となく意味がわかります。

東田先生は、「ちんすこう」は中国から沖縄に伝わったお菓子なので中国にもよく似たお菓子がある、「煎餅」も「羊羹」も和菓子だがもともとは中国から伝わってきたものだ、と教えてくれました。

改めて漢字文化の中で生活していること、中国は同じ漢字文化の国であることを感じることが出来る授業でした。

午後は全校の子どもたちとの文化交流でした。

オープニングは、和光の有志の保護者の方が取り組んで下さった合唱。横濱山手中華学校との交流で教えてもらった歌、韓国ミラルトゥレ学校でずっと歌われてきている歌を披露して下さいました。

三カ国の子どもの代表があいさつをし、韓国、中国、和光の子どもたちの出し物を鑑賞しました。韓国の子どもたちは韓国の国旗をイメージしたうちわを持ったおどり、両手にカップを持ってテーブルを打ち鳴らす“ナンタ”のリズムを感じさせるもの、そしてサムルノリ。どれも多くの子どもたちの動きがきれいにそろっていて、子どもたちは目を見張っていました。中国の子どもたちの出し物も、カップを使ってリズムを取るものがありました。そして伝統的な衣装を着た踊り。白い袖がぱっと飛び出したり、しなやかに弧を描きます。(この衣装を着た踊りは、3日目に和光の子どもたちも体験させてもらいました)

最後に和光小学校の2年生がアイヌのおどりを、3,4年生はコマ、けんだまを、6年生が大森みかぐらを披露しました。初めて見る踊りや演奏に見入っていた1年生の子どもたちも、大森みかぐらが終わって退場する6年生に、まるでアイドルのように名前を呼びながら駆け寄っていきました。入学式以来1年生に係わった来た6年生の姿を感じさせられる一幕でした。

この文化交流には、4年生が交流を続けている横濱山手中華学校の張校長先生はじめ5人の先生方が参加して下さいました。「とてもいい雰囲気ですね」という感想を残して帰られました。

3日目は午前中いっぱい、三カ国の教師が中心になって9つのブースを準備し、3、4年生が韓国、中国の子どもたちとグループを組んで、順に回っていく、という取り組みでした。中国からは「切り紙」「書」「踊り」、韓国からは「折り紙」(韓国のチマチョゴリ、パジチョゴリを折る)「ユンノリ」(韓国の伝統的な遊び)「チャング」(韓国の太鼓)、日本からは「びゅんびゅんごまづくり」「昔遊び、けんだま、こま、おはじきなど」「マンガ、スタンピング」のブースが出ました。2時間半近く、たっぷり時間はあったのですが、すべて回るのは難しく、中には3つしか回らなかったというグループも。やりたいことをじっくり出来たのは「楽しくておもしろかった」と3年生が感想に書いていました。

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この日は水曜日で午後の授業はないので、ホームステイ家族のみなさんとそれぞれに時間を過ごしました。中国グリーンタウン小学校の人たちは、翌朝早い便で帰国するため、この日の16時に和光を出発して成田に向かいました。午後の時間は短かったのですが、近くの公園などで遊んで、和光小に集合し、出発しました。

4日目、韓国ミラルトゥレ学校の人たちともいよいよお別れの日となります。朝からホームステイ家族の方達にも来て頂き、体育館で全校の子どもたちとお別れの会を行いました。最後にミラルトゥレ学校で歌い継がれている「あなたは愛されるために生まれてきた」という歌を日本語で歌ってくれて、いよいよお別れだという思いが迫ってきました。

4日間は、あっという間ではありましたが、ホームステイをしての交流は“異文化”を感じ取る貴重な体験となったのではないでしょうか。それぞれの学校で参加する子どもたちに対して交流の内容や意味について伝えることは行っているものの、子どもたちひとりひとりの個性もあり、思うような交流ができなかったり、喜んでくれるかと思って準備して頂いたことがそれほどでもなくがっかりしたり、ということもあったかもしれません。それは、こちらから訪問する時も同様です。そういうことも含めて、“異文化国際理解”につながる交流であるのだと考えています。ホームステイで受け入れて下さったみなさまにはご苦労をおかけしたことと思いますが、三年に一度のホームステイ受け入れ体験、声を寄せて頂けるとありがたいです。

また、通訳ボランティアとして、2日目と3日目の中国、韓国の子どもたちの昼食作りや文化体験ブースのお手伝いに多くの父母のみなさまのご協力をいただきました。この三カ国交流を続けていくことができるのは、父母のみなさまのご協力があればこそです。こころより感謝申し上げます。

13年目を迎え、三カ国の教員たちのつながりもますます深くなってきています。ミラルトゥレ学校の先生たちは数日間和光小学校の授業見学に来たり、高学年キャンプに参加してくれたこともあります。和光小学校の教員もミラルトゥレ学校へ長期間研修に行ったこともありました。グリーンタウン小学校からは、2年前、陳校長先生はじめ数名の先生たちが学校見学に来てくれました。今回も、学校のこと、教育のことなど時間の許す限り意見交換を行いました。

歴史的にも文化的にも深いつながりのある3つの国ですが、政治的には必ずしも良好であるとは言えないのが現状です。ことばも十分伝わらない中、子どもたちはいっしょに何かを作る、いっしょに食事をする、いっしょに遊ぶ、などの時間を過ごすことで“その人”のことがわかってきます。お互いのことが少しずつでもわかることで、“その人”の暮らす国を理解する入り口に立つことができるのだと思います。

来年3月には中国杭州グリーンタウン小学校で、14回目の三カ国交流を行うことが決まりました。今回交流した子どもたちの感想の中には、「次は行ってみようかな」というのもありました。また会いたい、もっと交流したい、そんな余韻を残すことができた今年の三カ国交流でした。

キーワードは「書く」こと ~“和光らしい子”ってどんな子ども?!~

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5月上旬、和光幼稚園在園の保護者の方に向けた和光小学校の学校説明会を行いました。そのアンケートにいくつかの質問をちょうだいしました。運動会をはさみ、少し遅くなりましたが、園通信を通じてお答えし、先週、教務主任の増田教諭が直接幼稚園の保護者の方にお話しをさせて頂く時間を持ちました。

 

いただいた質問の中に、「和光の子どもたちはとても活発で、授業中も発言をよくするようですが、うちの子どもはそういうタイプではないので、やっていけるのでしょうか・・・・」という内容のものがありました。実は、この質問は外部の方向けの学校説明会でもよくいただくものです。

これについては文書での回答というより、増田教諭が直接お話しさせて頂いた方がいいのではないか、と幼稚園の教員たちとも相談し、降園前の30分を、懇談会という形で行うことにしました。

増田教諭は、「授業中にハイハイ、と手を挙げて発言することはいいことなのでしょうか?」と切り出し、「実は教師がこういうことを求めている、ということではないでしょうか」と続けます。授業参観に行くと、授業のじゃまもしないけれど手も挙げないわが子を見て何だかモヤモヤする、という経験、実は私にもあります。

増田教諭は、なんで授業中に手を挙げなければいけないのでしょう?そういう姿を見せる子どもがいい、という固定観念に縛られているのではないでしょうか?、と問題提起をします。

先日行われた運動会、チームリーダーたちの姿は多くの方のこころを揺さぶったと思います。うちの子はどうだろう・・・みんなの前に立って引っ張っていくリーダーではない子たちは・・・? そんなことも考えてみたい、と話しました。

 

増田教諭は、和光幼稚園から和光小学校、和光中学へと進んだAさんのことを紹介しました。

Aさんは小学校の頃は班長に立候補することはありませんでした。授業中自ら発言することもほとんどなく、目立つことがいやだという子どもでした。

6年生の運動会の取り組みの中、ある日の練習の後のふりかえりの作文で、Bくんが「自分はうまくいかず、みんなの足を引っ張っている・・・・毎回最後につまづくのは自分でも努力していきたい・・・・」と、練習がうまくいかない悩みを書きました。その“ふりかえり”に対して、Aさんは「Bくんを見ていてすごくがんばっているなぁ、と思った。・・・自分がぼ~っとしている時、いつもB君のかけ声が聞こえてきた。・・・・自分は、4年生や5年生をひっぱっていかなくてもいいと思う。ひっぱるんじゃなくて一緒にやれたら4年生も5年生も安心してできるし、信頼しあって団結できるんじゃないかな?って思った。・・・」と書いています。

Bくんが悩みを打ち明けたことに対してAさんが心を寄せる、そんな自分の悩み、葛藤をクラスの仲間に伝えていくことができ、それを受け止めてくれる仲間がいることで乗り越えていくことができるのだと増田教諭は言います。

 

授業の中でも「書く」ということをよくやります。算数の「単位あたり量」の授業の後Aさんが書いたふりかえり文を紹介してくれました。

「単位あたり量の勉強を始めてから、いつもの生活の中で単位あたり量を見つけることが多くなった。くじ引き券は500円の物購入につき4枚、とか、今まで気づかなかっただけで実は意外と身のまわりに単位あたり量があって、見つけるとひまつぶしとかで計算してみたりした。今まで通りプリントとノートでやるんじゃなくて算数日記※でやったことにも意味があったと思う。自分で書くことをまとめたりすることで発見もあったから。その式で何を求めているのか意味がわかっていることが大切だと思う。」

私たちは、算数の教科目標を、算数を通して現実世界を見つめる、としています。まさにAさんは算数の本質を捉えたのだということが、このふりかえり文からわかります。

増田教諭は、「くり返し言いますが、決して授業中にハイハイと手を挙げて積極的に発言するタイプの子どもではなかったのです。でもこのふりかえり文からは、これだけ深い学びをしていることがわかります。」と付け足しました。

増田教諭は、話の中で「書く、ということがキーワードです」と言っていましたが、子どもたちにはことあるごとに書いてもらいます。そしてその書いたものを学級通信や授業プリントで紹介し、クラスの仲間がお互いにどのようなことを感じたのか、何を考えたのかを交流します。授業の中で発言しなくてもこういうことに気が付いたんだ、ということは、教師だけではなく、子どもたちもわかるのです。私たちは学校で仲間と共に学ぶということの意味、価値をそこに見いだします。

 

Aさんが卒業間際にクラスのことについて書いた作文では、「このクラスはみんなが意見を言えてそれについて考えて話し合えるクラスだと思う。1人1人の意見を大切にしているのがすごくいいところだと思う。・・・・・・Aはこのクラスでよかったと思います。みんなとすごせて楽しかったです!!」と書きました。

この作文について、増田教諭は担任としてすごくいいことだと思ったこと、として、「①自分の意見を持てることがすごく大事なことである ②1人1人の意見を大切にしていることがいい、ひとの意見も大切に出来る、ということ ③そのことを伝えられること」と語ってくれました。

 

限られた時間でしたが、あと2つの例を話してくれました。

1つめ、今年1年生の担任をしている増田教諭、毎日、新鮮で笑える1年生の姿がありますが、楽しみにしているのが“あさのはっぴょう”の時間です。ある子どものお母さんに、「最近よくはっぴょうしてくれますよ」と伝えたら、「えっ?!幼稚園ではほとんど前に出なかったのに!?」と驚かれていた、ということです。増田教諭は、子どもはいつ“芽”を出すかわからない、大切なのは土作りだと言います。

2つめ、和光幼稚園から和光小、和光中と進み、A高校、KO大学に進んだ卒業生が、和光中学校の卒業式で読んだ作文を紹介してくれました。内容は割愛させて頂きますが、小学校時代担任だった増田教諭は、「彼はお世辞にもこんなに文章が書ける人でも、こんなに漢字を使う人でもありませんでした。」と言います。「小中と「書くこと」「表現すること」をずっと追求してきたことがこんなにも力を付けてきたのです」と。

そして、“和光らしい子”ってどんな子どもなのでしょう、と語りかけます。じつは、そんな子どもはいないのです。一人ひとりが自分らしさを育てることができる、それが“和光学園”であると私も思っています。

 

最後に、増田教諭がレジュメにまとめたことばを紹介します。

○「おとなしい子」が輝いていないのではない。じっくりと自分の内面を育てている。

○書くこと、ふりかえることを通して内面を出す。共有する。そして、受け止め合う。

○その大前提として、集団の関係づくり。自分を出しても良い安心感。

○その子が一歩ふみ出す時期とタイミングは一人ひとりちがう。ちなみにAさんは、今、中学校で一歩ふみ出そうとしている。

 

実は私の長男も、和光小学校の頃は授業中手を挙げて発言する、はっぴょうすることが苦手でした。クラスのほとんどの子どもがはっぴょうしているのに何もはっぴょうしないのはどうしてだろう、と私もモヤモヤした頃もありました。そんな長男が和光高校で生徒会執行委員長に選ばれたと知った時、子どもには一人一人芽を出し花開く時期があるのだと妙に納得したのを覚えています。

 

懇談会では増田教諭を囲んで次々と質問を寄せて下さる方がいて、この後も親としてわが子をどう見ていくのか、などもっともっと語り合う機会があれば、と感じました。

参加して頂いたみなさま、ありがとうございました。

 

 

※「算数日記」は、1時間の授業の内容を1枚のケント紙にまとめ、授業終了時に、わかったこと、考えたこと、疑問に思ったことなど“ふりかえり”を書いたものです。貼り合わせて表紙をつけると、単元ごとの1冊の冊子にまとまります。和光小学校では、授業の記録、まとめをいろいろな形で進めています。

 

暑い熱い運動会

和光小学校 校園長ブログ
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まだ5月だとは思えないぐらいの暑さの中、5月25日(土)予定通り運動会を行うことができました。熱中症を警戒し、水筒と氷らせたペットボトルを持参の上、競技が終わった子どもたちは冷房の効いた部屋に入ってクールダウンすることにしました。また、1,2,3年生の徒競走は後日行うことにし、幼児レース、父母競技も中止とさせて頂きました。

 

いつもは午後の最初に行う「応援交流」は、開会式直後に行いました。和光小学校の運動会は、徒競走以外はすべて団体競技で、1組対2組で優勝を争います。競技種目の練習は授業の中で行いますが、リーダーたちが作戦を考えたり、一緒に競技する兄弟学級の人たちと昼食交流をしながら作戦を伝え合うというのは休み時間、昼食時間です。チームの人たちが優勝という目標に向かってこころをひとつにするために、と、もう10年以上前から応援歌に合わせて踊るという取り組みもするようになりました。6年生の応援リーダー達が選んだ曲に運動会らしい歌詞をつくり、これまた運動会らしい振り付けを考えた踊りを踊る、という取り組みは、毎年受け継がれていき、昼休みになると6年生に呼びかけられた下級生たちが集まり歌って踊るという和やかな時間が流れます。

入学式に1年生の手を引いて会場へ連れて行ってくれた6年生が、入学後も朝の会までの時間、教室に顔を出してくれたり、「1年生と6年生が遊ぶ会」でいっしょに遊んでくれます。そんな頼もしいお姉さん、お兄さんたちが応援歌の練習に誘ってくれると、1年生は上級生たちの輪の中に入って楽しい時間を過ごします。運動会全体のことはよくわからなくても、「優勝しよう!」といっしょうけんめいな6年生の姿を見て、自分たちもこのチームの仲間なんだ、という気持ちが少しずつ芽生えていきます。

そんなチーム一体となった「応援歌」は、子どもたちの自主的な活動として運動会文化の一つに位置付いてきました。子どもたちの想いの詰まった「応援歌」の交流は、今年は、まだ気温がそれほど高くない朝のうちに行いました。

 

1組は緑チームと青チーム、2組は白チームと黄チーム。それぞれのチームリーダーは6年生から選ばれます。6年生の各クラスに2名のチームリーダー、それぞれのチームに6年生、5年生からサブチームリーダーが1人ずつ選ばれ、一つのチームにチームリーダー1人とサブチームリーダー2人(1人は5年生)という体制で、各クラス6人ずつのリーダーたちで運動会の取り組み期間中の約2週間、毎朝会議を開きます。6年生の担任も入ってその日行われる練習に向けての作戦や下級生の取り組みをどうサポートするかという相談などを行っています。

競技のルールを確認したり、ハンディキャップのある人の参加の仕方についての確認をしたりするのは、両クラスのリーダーたち12名が集まって行う競技委員会。

リーダー会議や競技委員会などの合間に「ニュース」を作り下級生に配る、チーム集会の準備をする、などなど、リーダーたちは忙しく、息つく暇もありません。そういうリーダーたちにあこがれ、自分も6年生になったらチームリーダーになりたい、と思いながら6年生を見つめる下級生たち。毎年、チームリーダーの選挙は長年の想いをかなえたい、と複数の子どもたちが立候補し、6年生のクラス内で行われる選挙はドラマチックなものとなります。5年生でサブチームリーダーを務め、こつこつと仕事をこなしていた姿をクラスの子どもたちもよくわかっていても、チームリーダーへの想いを熱く語る表情に引き込まれ、「こいつに掛けてみようか」という気持ちにさせられることもあります。まさかの落選に涙を呑み、それならば、とリレーリーダーや騎馬戦リーダー、グランプリレースの種目リーダーとして細かい作戦を立てることに命を賭ける、1,2年生の担当となって低学年種目の練習の様子をつぶさにつかんで課題を伝える、などと気持ちを切り替えてがんばる姿もあります。6年生は全員がどこかのリーダーとして運動会に向かうことになるのです。

 

どの学年もチーム優勝のために、と力を合わせて向かう運動会、気温の上昇に警戒しながらではありましたが、得点種目は全て行いました。

緑青チームの1組は、この4年間負け続けていました。開会式のチームリーダーのことばとして、1組のゆうたくんは「4年間優勝を経験していません。みんなの笑顔が見たいです。2組も全力でぶつかってくるから、1組も全力でがんばりたい」と話しました。2組のりゅうくんは、「練習に真剣に取り組んできたので、絶対優勝したいです。」と言います。どちらのクラスもこれまで積み重ねてきたことを十分に出し切って結果につなげたいという願いは同じです。

午前中、4年生リレー、3年生のダンダンつなひき、高学年リレーAB、低学年の玉入れ、と少しずつ2組がリードして迎えた午前最後のグランプリレース緑チームVS白チーム。緑チームが勝って逆転となったところで昼食休憩となりました。予行練習では緑VS白も青VS黄も2組が勝っていたので、思いがけない結果でした。

午後の競技が始まる前には、中学年、高学年はそれぞれに集まってチーム集会を開きます。午前の結果を受けてどのように気持ちを向けていくのか、リーダーたちのことばがチームの子どもたちに染み渡っていきます。

いつもは応援交流で気持ちを盛り上げ、父母競技を観戦してからの午後のスタートとなりますが、今回は父母競技を省略させて頂きましたので、5,6年生の騎馬戦から午後の競技が始まりました。低学年の子どもたちは教室前のベランダからの応援です。

乗り手はヘッドギアを着けているとはいえ、直接地面に落下しないように副審の3人の教員たちはからだを張って補助をします。予行練習で対戦した相手の特徴を分析して作戦を立て直していますが、その作戦が功を奏するときもあれば裏をかかれて敗退することもあります。各コートに主審と副審の4人の教師が判定しますが、勝負は一瞬のことで見る角度によっては勝敗が逆に見えることもあります。判定に不服を申し立てられるのはチームリーダーのみ。運動会当日は接戦となることが多く、チームリーダーによる物言いも増えていきました。その都度、主審は会場全体に説明のアナウンスを行います。今回は騎馬戦全体の点数は1点差となりました。

3,4年生が行うヨコタテ、高学年リレーCD、1,2年生によるタイヤ引きが終わったところで2組が6点リード。最後のグランプリレース青チームVS黄チームで勝負が決まるということになりました。昨年はこの時点でもう2組の優勝は決まっていたのですが、1組の子どもたちは最後まで気持ちを集中して最後のグランプリレースに勝ったのでした。

さて、最後のグランプリ勝負となった今年、これまでの練習の成果をすべて出し切る、ミスをしない、と、どちらのチームの子どもたちも自分に言い聞かせていたはずです。両チームとも見事なレース展開でした。そして最後、青のアンカーむかでが先にゴールし、その瞬間、5年ぶりの1組優勝が決まったのです。

閉会式、1組チームリーダーひなたくんの言葉、「1年生の時以来の勝ちでとてもうれしいです。2組がいればこそここまでやってこられたと思います。」

2組のチームリーダーおうたくんは「めっちゃ悔しいです。ぼくをリーダーに選んでくれてありがとう。今年の運動会の目標は2つありました。1つは勝つこと、もう1つはみんなが運動することが好きになることです。和光小の運動会は、くそがつくほどおもしろいです。ここまでできたのは1組がいればこそでした。」と語りました。

運動会の練習の度に気合いを入れるためにやる「チクサク」、もともとはネイティブアメリカンのある部族で行われていたかけ声だということですが、いつの頃からか和光の両小学校に定着してきています。(私が和光に赴任した39年前にはすでに行われていました。)その「チクサク」は、もう10年以上前からでしょうか、本来の言葉とは違って、「チクサクチクサクホイホイホイ」のあとは「白、勝て、黄、勝て、二組は絶対優勝だ」というようにチームごとにことばを入れるようになりました。そのあたまのところに、「めざせ優勝! 勝ち取れ団結!」という言葉も入ります。

たとえ優勝は逃しても、団結を勝ち取ることはできた、と2組の子どもたちはこころから感じたことでしょう。そして5年ぶりの優勝を果たした1組の子どもたちは、チームが団結して勝ち取った優勝カップが輝いて見えたはずです。さらに、相手がいればこその勝負であったということもリーダーたちは語っていました。運動会を通じて育つ子どもたちの姿を見た思いがします。

 

暑い中、短縮したとはいえ14時過ぎまでの長時間、子どもたちに声援を送って頂いたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

今年も暑い、熱い運動会が終わりました。

 

学級通信に込める願い

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若葉がまぶしい季節になってきました。

今年は6月10日から韓国ミラルトゥレ学校、中国杭州緑城(グリーンタウン)小学校の子どもたちが来日して和光小学校での三カ国交流が行われる関係で、運動会を5月25日(土)に行います。そのためのチーム作り、用具準備などが新学期早々急ピッチで進んでいます。

6年生は、先週末にはチームリーダー、サブチームリーダー選挙を行い、各学年とも運動会のチームを見越しての班長選挙、班編制も行いました。例年より早い運動会と例年になく長い連休を挟むということで、学校全体がすでに“運動会モード”になっています。 (さらに…)

「子どもの権利条約」30年の年に

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グランドの桜はまだ少し花を残していますが、いちょうの木にはみずみずしい薄緑の葉が芽吹き、まぶしい日差しの中で子どもたちが元気に駆け回っています。

新年度が始まって2週間、新1年生が入学して10日が経ちました。

 

4月8日の始業式には、まだ入学式前なので2年生以上の子どもたちに、以下のような話をしました。

(さらに…)

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