学級通信に込める願い

和光小学校 校園長ブログ
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若葉がまぶしい季節になってきました。

今年は6月10日から韓国ミラルトゥレ学校、中国杭州緑城(グリーンタウン)小学校の子どもたちが来日して和光小学校での三カ国交流が行われる関係で、運動会を5月25日(土)に行います。そのためのチーム作り、用具準備などが新学期早々急ピッチで進んでいます。

6年生は、先週末にはチームリーダー、サブチームリーダー選挙を行い、各学年とも運動会のチームを見越しての班長選挙、班編制も行いました。例年より早い運動会と例年になく長い連休を挟むということで、学校全体がすでに“運動会モード”になっています。

 

さて、今回は和光の「学級通信」のことをお伝えしたいと思います。

私は1981年4月に和光学園に赴任し、最初の3年間は和光幼稚園の教員として勤務し、その後和光小学校に配置転換となって30年間小学校で学級担任として子どもたちといっしょに学んできました。

幼稚園教諭として勤務したのは3年間でしたが、今にして思えばこの3年間が教師として子どもたちに向かい合うことの基礎を教えてもらうことになった時期であったと感じます。

私が新任教員として4歳児を担任したとき、隣のクラスの担任、山内先生(後に和光幼稚園、和光鶴川幼稚園園長)は、ご長男が和光小2年生に在学するお母さんでもありました。

当時、和光学園全体でも女性教員は少なく、子育てをしながら教員を続けている人はまれであったと思います。「育児休職」の制度ができたのも数年後でありましたので、女性の働きやすさ、という視点で見ると、公立校よりも遅れていたのではないかと思います。それでも教職員組合の力もあって、少しずつ働く環境が整えられていきました。

その山内先生が、初めての教育現場に戸惑いながら日々の保育に追われ、学級通信を書く余裕がなかなか持てないでいる私に、「学級通信が書けなくなったら子どもが見えなくなったということなのよ」と声を掛けて下さいました。「学級通信を書く、という視点で子どもを見て保育を作っていくといい」ということも。

すぐにはどういうことかわからなかったのですが、周りの先生たちが発行している学級通信を読みながら、子どもたち一人一人を捉えるというのはこういうことなんだ、ということが、少しずつわかってきました。

和光幼稚園も和光小学校も学級通信には子どもたちの名前がたくさん出てきます。いいことだけではなく、時には子どもたちどうしのトラブルも、クラスの中で話し合わなければいけなくなったような出来事も、学級通信で取り上げることがあります。

この通信で誰に何を伝えるか、ということをはっきりさせた上で担任は原紙に向かいます。幼稚園では遊んでいる子どもたちの様子はもちろん、担任が捉えた子どもの表情、ちょっとしたことばから感じ取られることも。小学校では行事に向かっている子どもたちの姿、算数の討論でこんなやりとりがあった、文学作品の読みの授業の流れ、授業を終えての子どもたちの振り返りの紹介、子どもたちがもめたこと、けんかになったこととその解決のための話し合い・・・・・・ 一時間の授業を終え、一日の生活を終えるとこれを伝えたい、と思うことが次々と出てきます。

あの子のあのことば、この子のこの動き、あの子とあの子のこの関わり、と浮かんできたものを通信として仕上げていきます。

幼児、低学年のあいだは主におうちの方に伝えたい、ということが多いのですが、中学年ぐらいからは子どもたちに向けてのメッセージとしての役割が大きくなります。

時には「教科通信」となることもあり、前の時間の討論の様子とその授業への感想を次の時間に通信で紹介するところから授業展開していくこともありました。低学年で“ことばあそび”に夢中になったクラスでは、友だちの発表に刺激を受けて自分もやってみよう、という子どもが次々と出てきて、友だちが作った作品は通信で紹介すると手元で改めて眺めている姿も。

こんなふうにして学級通信は私の学級経営の柱となっていき、鶴小で担任していたころは、年間400号近くになることもありました。鶴小で最後に担任した6年1組の学級通信「ニヌファブシ」(沖縄のことばで北極星)の最後は366号でした。

決して号数が多いのがいいとは思っていませんが、私は伝えたいことは伝えたい時に学級通信にしたい、という思いが強かったので、通信用の印刷用紙をずいぶん使わせていただきました。

 

今年も新学期が始まって3週間、幼稚園も小学校も日々の子どもたちの姿が、各クラスの学級通信からいきいきと伝わってきます。

新年度初め、学級通信名を何にするかを考えるのも担任の楽しみの一つです。

今年の和光幼稚園、和光小学校各クラスの学級通信名とその名前に込めた願いを紹介します。   (“  ”内は、学級通信で紹介していることばです)

 

・花組にじグループ「パウワウ」・・・“「たのしいひととき」「自然の中で部族を超えた集まり」というネイティブアメリカンのある部族のことばです。”“子どもたちも大人もいろんな人たちが集まって楽しいひとときを過ごしていきたい。”

・花組かぜグループ「こまくさ」・・・山登りが大好きな担任、“こまくさ3号って・・・特急列車みたいな名前になってますけど、高山植物の名前です。「高山植物の女王」って言われているんですよ。”

・花組そらグループ「やってみよう」・・・“好奇心旺盛な子どもたちといっしょに「みてみよう!」「いってみよう!」「やってみよう!」と楽しむ一年にしたいな、と思います。”

・月1組「ジャングル」・・・“ジャングルにはいろんな植物や動物が多種多様に暮らしています。ジャングルのように月1組もそれぞれの個性が豊かに発揮できるような、それぞれのステキなところをおもしろがれるようなクラスに”

・月2組「ザッブーン」・・・馬場のぼるさんの絵本『11ぴきのねこ どろんこ』に出てくる恐竜ジャブのように、元気いっぱいの4歳児の子どもたちと、どろんこになって遊び回る一年に、という願いを込めて。

・星1組「ぶりらんて」・・・ピアノが得意な担任は、音楽用語で“輝く”“華やかに”という意味をもつことばを選びました。幼稚園生活最後の1年、一人一人がキラリと輝くことをめざして。

・星2組「よかったね」・・・“星組の1年は本当にあっという間に過ぎていきます。まさに矢のごとしです!!1その一年が終わる頃に「和光幼稚園でよかったね、星2組でよかったね」と言いあいたいという願いを込めて”

・1年1組「びっくりめ」・・・入学式の日、工藤直子さんの『のはらうた』の中から「しんぴんのあさ」(かたつむりでんきち作)をプレゼント。“ぼくのまいにち びっくりめ! つんつんのばして びっくりめ!”

・1年2組「はじめのいっぽ」・・・“どきどき、わくわく、ちょっぴりふあんかな??でもだいじょうぶ!わこうしょうがっこうにはたくさんのみかたがいるよ”で始まった学級通信No.1は「はじめのいっぽをふみだそう」というタイトルです。

・2年1組「元気モリモリ」・・・“パンもつくりたいし、あらうまもおどりたいし・・・かんがえただけでもたのしいことがいっぱいだね。”担任は持ち上がりで“元気モリモリでちこくをせずにたのしいまい日をつくっていくぞ。エイエイオー”

・2年2組「はーとがいっぱい」・・・2組も担任は持ち上がりです。“せいかつしていると、いろんなところにはーとがある。きみはどんなところにはーとをみつけられるかな。みんなではーとがいっぱいになるくらすをつくっていきたいな。”

・3年1組「けたけた」・・・音や動作を表すことばをオノマトペといいます。その中で「けたけた」といつも笑いあえるような、そんなクラスを作っていきたい、という願いを込めました。

・3年2組「ぽたぽん」・・・川崎洋さんの詩「たんぽぽ」を第1号で紹介。その中に、「おーい ぽたぽん」という一行があります。“たんぽぽのようにたくましく地に根を張って生きていきたいなぁと思っています。”

・4年1組「みんなのうた」・・・担任が交代しました。にぎやかで元気いっぱいの子どもたちに“4−1のみんなはうたやおどりが好きそうなので”、と。担任はサザンの世代でもあります。

・4年2組「きみしだい」・・・担任が落ち込んだときに聴く曲「キミシダイ列車」(ONE OK ROCK)にちなんで。“未来は自分しだいで変えられる。「自分がなりたい自分」になるために努力できる4年生になってほしい”

・5年1組「あじわう」・・・5年生は総合学習で「食」に取り組みます。何をテーマにするか、クラスで決めていきますが、自分の舌でじっくり味わい、「食」の学習も、教科の学習もしっかり味わえるように、との願いを込めて。

・5年2組「植える」・・・5年生は米作りをします。“自分で植えた苗からお米がとれて、そのお米でおにぎりを作ったら・・きっとおいしだろうなぁ。通信のタイトルは「田植え」から”“自分の中にたくさんの苗を植えよう!”

・6年1組「かふー」・・・“沖縄のことばで幸運、果報、良いこと、ラッキーの意味です。この一年を山登りと考え、だんだん高くなっていく山脈を登るように一つひとつの小さな頂上を目指すよう、目的意識を持って過ごしていきたいですね。山あり谷ありのこの山脈を一年かけて全員で「卒業」というてっぺんに向かっていきましょう”

・6年2組「とーとー」・・・“沖縄のことばで「尊い」という意味もあるし「さあ」「ぴったり」「ちょうどいい」「そうだ」という意味で使われたりもする。6年生でもいろんなことを体験しながら自分の力をたくわえていこう。”“君たちがしっかり自分の力を身につけ学んでいくためのたくさんの「峰」が用意されている。みんなの力を合わせて一歩一歩登っていこう。”

 

 

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