“漢字文化”ならではの交流も ~日中韓三カ国交流~

和光小学校 校園長ブログ
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今年で13回目となる韓国ミラルトゥレ学校、中国グリーンタウン小学校との三カ国交流が終わりました。今年は和光小学校に両国の学校から来て頂いての交流でした。ミラルトゥレ学校からは子ども53名、先生名(内、ミラルトゥレは中国校もあり、そこからは子ども名先生名)、グリーンタウン小学校からは子ども18名、先生名、通訳の方1名の総勢子ども72名、先生11名が、10日(月)から13日(木)まで和光小学校で過ごしました。

1日目、すでに三日前から来日していたグリーンタウン小学校の人たちはお昼過ぎには和光小学校へ到着し、4年生が校舎案内をしました。ミラルトゥレ学校の人たちは、土砂降りの中、羽田空港から世田谷までバスで移動、和光小学校到着後、3年生と体育館でゲームをして、すぐにうち解けた雰囲気になりました。

その後、ホームステイ受け入れ家庭のみなさんが集まって下さって歓迎会、受け入れ家庭との記念撮影をして、それぞれのおうちへ引き取って頂きました。お互いに緊張しながらの出会いでしたが、中国、韓国の子どもたちは日本の家庭での生活に期待を寄せていたことでしょう。

2日目、1,2時間目、1年生、2年生との交流は玉入れでからだも気持ちもほぐした後、3~4人のグループを作ってテープゴマ作りをしました。テープゴマは、4月の初め、2年生が入学してきた1年生にプレゼントしていっしょに遊びます。今回は中国、韓国のペアの人と1年生のペアの人に2年生が作り方を教えてあげて“作って遊ぶ”交流をしました。ことばが通じない、という不安も、いっしょにやってみたり遊んでみると「楽しい!」ことを実感します。

2ねんせいのりょうたろうくんは、「ことばがつうじなかった。あたらしいはっけん、ゆびをうまくつかうとつうじる。」と感想に書いていました。

3,4時間目、5年生は韓国の子どもたちと、6年生は中国の子どもたちとの交流をしました。

韓国の子どもたちは5年生の各クラスに26~7人ずつ入り、体育館でおにごっこをしたり、教室でグループ毎に自己紹介し合った後、お互いの国のこと、学校のことを知り合うために質問を出し合いました。韓国の子どもから「どうして和光という名前なんですか?」という質問があり、たまたま居合わせた私が「和光同塵」の意味などを話すことに。5年生も初めて聞いた話だったと思います。

6年生は、両クラスいっしょに授業をしました。6つのグループに分かれ、1つのグループに3人の中国の子どもたちが入ります。まず「自己紹介」。通訳の方が説明してくれますが、中国語では「自我介紹」と表すのだそうです。黒板に二ヵ国の言葉が並ぶと、なるほど、と思います。

その後、3種類のお菓子を食べてみて、それぞれ感じたことを漢字で表現する、ということをやりました。

さいしょは「せんべい」。漢字では「煎餅」と書きますが、中国ではこの文字で表されるのは違う食べ物だとか。和光の子どもたちは「醤油」「硬」「米」などと表現しましたが、中国の子どもたちは「脆皮」(さくさく、あるいはバリバリという意味)「色香味倶全」(色、香り、味全てがそろっている)「入口即化」(口の中で溶ける)という漢字を書きました。

次は「羊羹」。和光の子どもたちは「美味」「柔」「紫」「甘」などなど。中国の子どもたちは「有豆沙的成分」←(最後の分はにんべんがつきます。あずきで作られているような、という意味)「豆沙味」「軟」「健康」「甘(舌へんがつきます)滋滋的」(甘くてからだによさそう)など。

最後に出たのは「ちんすこう」、沖縄のお菓子です。この頃には和光の子どもたちも中国の子どもたちもグループの机に置かれた紙に競うようにして書き始めます。「甘」「茶色」「粉」は和光の子どもたち。中国の子どもたちは「甘(舌へんがつきます)」「安全」「空心」(裏を見るとまん中が空洞でした)「長方形」(長は中国語での漢字です)「易卓(てへんがつきます)屑」(ぼろぼろに崩れる)「流沙口感」(口の中で溶けていく)などなど、他にも私のPCでは表現できない漢字が並びますが、読めなくても見ただけで何となく意味がわかります。

東田先生は、「ちんすこう」は中国から沖縄に伝わったお菓子なので中国にもよく似たお菓子がある、「煎餅」も「羊羹」も和菓子だがもともとは中国から伝わってきたものだ、と教えてくれました。

改めて漢字文化の中で生活していること、中国は同じ漢字文化の国であることを感じることが出来る授業でした。

午後は全校の子どもたちとの文化交流でした。

オープニングは、和光の有志の保護者の方が取り組んで下さった合唱。横濱山手中華学校との交流で教えてもらった歌、韓国ミラルトゥレ学校でずっと歌われてきている歌を披露して下さいました。

三カ国の子どもの代表があいさつをし、韓国、中国、和光の子どもたちの出し物を鑑賞しました。韓国の子どもたちは韓国の国旗をイメージしたうちわを持ったおどり、両手にカップを持ってテーブルを打ち鳴らす“ナンタ”のリズムを感じさせるもの、そしてサムルノリ。どれも多くの子どもたちの動きがきれいにそろっていて、子どもたちは目を見張っていました。中国の子どもたちの出し物も、カップを使ってリズムを取るものがありました。そして伝統的な衣装を着た踊り。白い袖がぱっと飛び出したり、しなやかに弧を描きます。(この衣装を着た踊りは、3日目に和光の子どもたちも体験させてもらいました)

最後に和光小学校の2年生がアイヌのおどりを、3,4年生はコマ、けんだまを、6年生が大森みかぐらを披露しました。初めて見る踊りや演奏に見入っていた1年生の子どもたちも、大森みかぐらが終わって退場する6年生に、まるでアイドルのように名前を呼びながら駆け寄っていきました。入学式以来1年生に係わった来た6年生の姿を感じさせられる一幕でした。

この文化交流には、4年生が交流を続けている横濱山手中華学校の張校長先生はじめ5人の先生方が参加して下さいました。「とてもいい雰囲気ですね」という感想を残して帰られました。

3日目は午前中いっぱい、三カ国の教師が中心になって9つのブースを準備し、3、4年生が韓国、中国の子どもたちとグループを組んで、順に回っていく、という取り組みでした。中国からは「切り紙」「書」「踊り」、韓国からは「折り紙」(韓国のチマチョゴリ、パジチョゴリを折る)「ユンノリ」(韓国の伝統的な遊び)「チャング」(韓国の太鼓)、日本からは「びゅんびゅんごまづくり」「昔遊び、けんだま、こま、おはじきなど」「マンガ、スタンピング」のブースが出ました。2時間半近く、たっぷり時間はあったのですが、すべて回るのは難しく、中には3つしか回らなかったというグループも。やりたいことをじっくり出来たのは「楽しくておもしろかった」と3年生が感想に書いていました。

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この日は水曜日で午後の授業はないので、ホームステイ家族のみなさんとそれぞれに時間を過ごしました。中国グリーンタウン小学校の人たちは、翌朝早い便で帰国するため、この日の16時に和光を出発して成田に向かいました。午後の時間は短かったのですが、近くの公園などで遊んで、和光小に集合し、出発しました。

4日目、韓国ミラルトゥレ学校の人たちともいよいよお別れの日となります。朝からホームステイ家族の方達にも来て頂き、体育館で全校の子どもたちとお別れの会を行いました。最後にミラルトゥレ学校で歌い継がれている「あなたは愛されるために生まれてきた」という歌を日本語で歌ってくれて、いよいよお別れだという思いが迫ってきました。

4日間は、あっという間ではありましたが、ホームステイをしての交流は“異文化”を感じ取る貴重な体験となったのではないでしょうか。それぞれの学校で参加する子どもたちに対して交流の内容や意味について伝えることは行っているものの、子どもたちひとりひとりの個性もあり、思うような交流ができなかったり、喜んでくれるかと思って準備して頂いたことがそれほどでもなくがっかりしたり、ということもあったかもしれません。それは、こちらから訪問する時も同様です。そういうことも含めて、“異文化国際理解”につながる交流であるのだと考えています。ホームステイで受け入れて下さったみなさまにはご苦労をおかけしたことと思いますが、三年に一度のホームステイ受け入れ体験、声を寄せて頂けるとありがたいです。

また、通訳ボランティアとして、2日目と3日目の中国、韓国の子どもたちの昼食作りや文化体験ブースのお手伝いに多くの父母のみなさまのご協力をいただきました。この三カ国交流を続けていくことができるのは、父母のみなさまのご協力があればこそです。こころより感謝申し上げます。

13年目を迎え、三カ国の教員たちのつながりもますます深くなってきています。ミラルトゥレ学校の先生たちは数日間和光小学校の授業見学に来たり、高学年キャンプに参加してくれたこともあります。和光小学校の教員もミラルトゥレ学校へ長期間研修に行ったこともありました。グリーンタウン小学校からは、2年前、陳校長先生はじめ数名の先生たちが学校見学に来てくれました。今回も、学校のこと、教育のことなど時間の許す限り意見交換を行いました。

歴史的にも文化的にも深いつながりのある3つの国ですが、政治的には必ずしも良好であるとは言えないのが現状です。ことばも十分伝わらない中、子どもたちはいっしょに何かを作る、いっしょに食事をする、いっしょに遊ぶ、などの時間を過ごすことで“その人”のことがわかってきます。お互いのことが少しずつでもわかることで、“その人”の暮らす国を理解する入り口に立つことができるのだと思います。

来年3月には中国杭州グリーンタウン小学校で、14回目の三カ国交流を行うことが決まりました。今回交流した子どもたちの感想の中には、「次は行ってみようかな」というのもありました。また会いたい、もっと交流したい、そんな余韻を残すことができた今年の三カ国交流でした。

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