和光小学校卒業式 式辞

ブログ担当 全校, 校園長ブログ タグ:
kitayama2

今年は春の訪れが早く、みなさんの卒業を祝福するように、子どもの森の桜が満開になりました。先週、桜の木の下で1年生や幼稚園の子どもたちと遊ぶ6年生の姿を目にし、1年前のことを思い出していました。

昨年の今頃、最後の2週間は学校に来ることができずに5年生を終え、和光小学校の最終学年は臨時休校の中でスタートしました。教科の学習、総合学習、6年生になったらこれをやるんだと思い描いていたものができないまま自宅で過ごす日々、みなさんやおうちの人たちの心の内はいかばかりだっただろうと思います。特に、1年生の時から毎年優勝目指して取り組んできた運動会、6年生の姿にあこがれ、いよいよその6年生になったという緊張感を持っていたことでしょう。6月に学校が再開しても通常の授業、活動ができるのはいつになるんだろう、2学期に運動会はできるのだろうか、沖縄学習旅行にはいけるのだろうか・・・・等々、みなさんやおうちの方たちが抱いた不安は、私たちも同じでした。コロナウイルスへの感染対策をしながらできる限りいつもの学校生活を送ることができるようにしたい、と考え、私たちも手探りで進んできた1年でした。それでも夏の林間合宿を行うことはできず、みなさんにとっては最後の瑞籬キャンプに行くことができませんでした。“できなかったこと”を嘆いても前には進めない、と3月になってテント張り実習、キャンプでの調理実習、騎馬戦を伝える会を行い、これまで和光小学校で取り組んできたものを次の学年の人たちにつなげることを、6年生のみなさん自身が意識していたことを、とても心強く感じています。

長い休校とその後の感染対策をしながらの学校生活、その中で「学校って何だろう」ということを多くの人が考えたことと思います。6年生のみなさんは教室で率直に話し合いました。休校期間にはネットを介した学習にも取り組み、オンライン朝の会も行いましたが、「なぜかやる気にならなかった」というNくん、Sくんの、動画を見てやる学習は「なぜか学校でやっている勉強より楽しくないというのか、おもしろくないというのか、何かが抜けている気がして変な感じでした。やっぱり学校でみんなとやった方が意見も言い合えるし一緒に考えられるので、学校で学ぶ大切さを身にしみて感じました。」ということばに、学校で学ぶことの意味が示されています。インターネットを開けば知りたいことをすぐに調べられる時代になり、パソコンの画面を通じて「授業」を受けることも可能になってきています。が、和光小学校で過ごしてきたみなさんは、一人で画面に向かっているだけでは得られないもの、学校に集って仲間と共に考えるからこそ得られるものがあることをよくわかっています。6年生の学びの中で仲間と共に実感を持って学ぶことを最も大切にしているのが総合学習「沖縄」です。みなさんの沖縄学習旅行は、10月末に実施できましたが、やはり例年どおりにはいかないこともありました。それでも、沖縄戦を体験した玉木利枝子さん、中山キクさん、島袋淑子さん、平田文夫さん、文子さんから直接話を聴くことができ、南部戦跡を回り、座間味の海にも入りました。コロナ禍で多くの学校が修学旅行を取りやめたり旅行先を変更したりしている中、沖縄に行き証言者の方たちにお会いすることができたのは、34年にわたる和光小学校の総合学習「沖縄」の積み重ねがあったからだと思っています。なぜ沖縄を学ぶのか、沖縄の学びがこれからの生き方にどうつながっていくのか、もう答えを見つけた人もいるでしょうし、この先何年か後に見つける人もいるでしょう。それがわかったとき、沖縄で和光小学校の6年生が来るのを待っていてくださる方たち、コロナ禍であってもなんとしてもこの学習旅行は成功させたいと願う多くの人たちの想いを受け止めることができるのだと思います。

和光小学校は“ことば”を大切にしています。ことばで伝える、ことばを受け止める・・・1年生の時からたくさん「はっぴょう」し、友だちの「はっぴょう」を聞き、「あのねのーと」「生活ノート」を書き、授業や活動のたびに「ふりかえり」を書いてきました。いや、みなさんからすれば“書かされた”という感覚かもしれません。子どもだけではなくおうちの人にも行事や親和会の感想を届けてくださいと声をかけ、とうとう今年は「おうちの人の卒業文集」までできあがりました。こうやって自分が感じたこと、考えたことを“ことば”にすることは、実は自分の頭の中を整理し、新たな疑問を導き出すことになり、次の学びにつながっていきます。そうして重ねてきた学びは、みなさんの中に「想像力」を育んできました。ケンカをした後の相手の気持ち、物語を読んでそこに描かれている世界、風景、76年前、沖縄の戦場で起こった出来事、今、辺野古の海に基地を造ることに反対している人たちの願い、3・11の津波で大切な人を亡くした人の胸の内、「花ばぁば」の授業で日本軍慰安婦にされた方たちの想い・・・・ これまで学んできたこと、その時に感じたことを思い出してください。想像することでさまざまな感情が揺さぶられ、相手の痛みがわかるようになります。「沖縄を伝える会」でみなさんの“ことば”が伝わるのは、沖縄で見たこと、聞いたこと、感じたことが実感を伴って語られるからです。それはみなさんが沖縄の過去、現在に想像力を働かせたからに他なりません。当時のこと、現地の方の想いに想像力を働かせ紡ぎ出された“ことば”は、相手の心に染み渡っていきます。

いよいよ中学生になります。これからも自分の目で確かめ、直接体験し、自分の頭で考えることを大切にして下さい。そして今まで以上に想像力を働かせてください。学習も生活も、これまでよりぐんと広がり、深まっていきますが、和光小学校で培った力を信じ、新しい世界に羽ばたいていって下さい。

卒業、おめでとうございます!

 

2021年3月22日

和光小学校 校長 北山ひと美

和光小学校の資料一式を無料送付いたします。

資料請求する