こうのこのみ作「こどものなる樹」に寄せて

和光小学校 校園長ブログ
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様々な制限がある中、運動会を終えました。閉会式で6年生のチームリーダーが語った「今年も日本一、いや、世界一、オリンピックよりも熱い運動会ができました!」ということばは、参加したみなさんの実感だっただろうと思います。保護者のみなさま、ご協力いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました!

運動会の代休明け、音楽室からは篠笛と三線の音色が響いています。毎年、10月に行われるいちょうまつりで踊る民舞のお囃子に希望する子どもたちが参加していますが、その練習に早くも取り組んでいる子どもたちの姿に、次の目標に向かっていく気概を感じました。

運動会への取り組みのさなか、一点の絵画が届きました。110センチ×90センチの大きな作品です。寄贈してくださったのは画家の河野りうのすけ(本名りうすけ)さん。河野りうのすけさんは和光学園の卒業生評議員として年に何度か開かれる評議員会には、お住いの茅ヶ崎から和光大学まで来てくださいます。ご一緒させていただいた時には、かつて世田谷に幼稚園から高校までの子どもたちが学んでいた頃のお話をしてくださったものでした。

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寄贈いただいた絵画は、河野りうのすけさんのお母様、こうのこのみさんの作品です。こうのこのみさんは1926年に生まれ、洋画家であった河野日出雄氏と結婚、そのお子さんが河野りうのすけさんです。こうのこのみさんは、子ども雑誌に挿絵を描き、瀬戸内晴美(寂聴)氏らが少女小説を書いていらっしゃった頃の挿絵を手がけていらっしゃいました。1976年には現代童画大賞受賞。グリーティングカード、企業カレンダーなどに起用されます。どこか懐かしいタッチだと思ったら、サンリオの「詩とメルヘン」で活躍されていたのでした。その後、「こうのこのみ風船旅行」の作品はニューヨークのユニセフ本部でグリーティングカードに起用され、世界の恵まれない子どもたちに井戸と蚊帳を贈る資金になったということです。

こうのこのみ The Infant Treeのコピー

こうのこのみ Snow In The Nourth Townのコピー

和光小学校に寄贈していただいた絵画も、ユニセフのカードになった作品の一つ。KONOMI KONOThe Infant Tree”(Japan) と題されています。

河野りうのすけさんの奥様でこうのこのみさんに師事し現代童画会賞、都知事賞、文部大臣賞など受賞されている童画家の河野里枝さんにお話を伺うと、この「こどものなる樹」と題された作品は、りうのすけさんが和光小学校に入った頃、子どもたちのことをイメージして描かれたものだとか。そういえば、かつて和光小学校には“子どものなる木”があったと、10名近くの子どもたちが1本の木に登っている写真が、旧教員の村田一枝氏の著作『こどものなる木~絵本とお話で綴る学級物語~』で紹介されています。私のこのブログ名もそこから採らせていただきました。

昔、子どもたちが登っていたという“子どものなる木”は、校舎改築の折に伐採されたということですが、今は子どもの森に木登りができる木が何本かあります。休み時間には登りやすい木に子どもたちがよじ登り、もいだびわの実をほおばっている姿を目にすることもあります。いつの時代も木登りは楽しくワクワクする遊びです。

こうのこのみさんはご子息が学ぶ和光小学校で、子どもたちが木に登り、遠くの景色を眺め、思い切り深呼吸できるような、ゆったりとした平和な時を過ごすことをイメージされたのではないかと思います。こうのこのみさんのモチーフである気球が遠くの空にぽっかりと浮かび、真上のほの白い下弦の月が優しく子どもたちを包み込んでいます。

和光小学校にご来校の際は、しばしこうのこのみさんの世界に浸っていただけますよう。

河野りうのすけ、里枝ご夫妻からは、こうのこのみ画集『吟遊見聞録』(1990年 サンリオ)、『MEMORIESなつかしい英語のうた リボン色の夢路』(え・こうのこのみ 1983年 教育社)、NHK録音集『お話でてこい 2』(NHKサービスセンター)なども併せて寄贈していただきました。ありがとうございました。

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