《第50回》幼稚園星組劇の会をおえて
幼稚園の劇の会がありました。担任が取り組みたい「絵本」をもとに、毎日子どもたちと共に場面ごとにせりふを考えたり、動きを作ったりして劇つくりをしていきます。教師はつねに子どもの声を取り上げ、考えさせ、子どもに決めさせています。時には教師が提案することもありますが、常に「どうかな」と子どもの意見を大切にしています。「子どもと共に作る」「子ども同士で考えさせる」・・・ここにも和光の考え方が貫かれています。
劇の会の週から、舞台での練習が始まりました。子どもの目の高さほどの舞台に乗るだけで緊張します。しかも周りが暗くなって、スポットが当たると、他の仲間も見えなくなって一人ぼっちで演ずる場面もあります。生まれてはじめての舞台。子どもたちはもうどきどきです。あまりの緊張感でおなかが痛くなったり、子どもによっては熱が出てしまうこともあります。心配で、不安でいっぱいな子どもに、周りの子どもも見ている教師たちも「いまのいいね」「すごい、すごい」「昨日よりぜんぜん素敵になった」などと励まして、教室での練習のように子どもの前向きなトーンを引き出します。そうする中で、緊張感を乗り越えて堂々と自分らしさを表現できるようになります。
劇つくりのこうしたプロセスこそが大切と、担任は毎日通信で父母たちに練習の様子を伝えます。木曜日から通しの練習が始まります。もう教師も周りの子どもも口出ししません。自分たちなりの演技を思い切ってやらせます。うまくいったり、いかなかったり。それは本人がよくわかっています。金曜日も通し練習、土曜日は下級生や先生たち全員に見てもらいました。そして日曜日は父母に公開。誰に言われたのでもないのに、その毎日の表現がどんどん変わっていきます。子どもたちの表現は、日々の生活と深くつながっています。朝楽しいことがあれば、舞台での表情も楽しげです。舞台での演技がうまくいかなかったときは、家に帰っても元気がありません。教師たちはこうした子どもたちの生活の中でのさまざまな思いも受け止めて劇指導をしています。幼児でも昨日はこうだったから、今日はこうしようと目標を持っています。だから毎日の表現が変わります。
また劇は観客にやってもその表現が大きく変わります。下級生の3歳児、4歳児も教室で劇遊びをしています。だから演じる楽しさを共感できます。大きな声で笑ったり、驚いたり、つぶやいたり、その一つ一つが舞台に立つ5歳児の子どもたちの表現を豊かにしていきます。父母たちもそれまでの練習のプロセスを学級通信を通してよく知っています。だから子どもたちが苦労した場面でうまく行くと、思わず拍手が出ます。演ずる側と観る側の響きあいで劇が作られる。観る側の質が舞台の質を決定する。
和光鶴川幼稚園の劇は、和光教育そのものがそうであるように「できばえ主義」ではなく、人と人とがつながりあい、響きあう「ライブ」なのだということを改めて感じました。
校園長ブログアーカイブはhttp://www.wako.ed.jp/k2/about/teachersblog.html
日時: 2012年2月20日 09:31
