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児童会選挙に見える“自分たちで創る学校”

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児童会の選挙が行われました。4・5・6年生が体育館に集まり立候補者の演説を聞き投票します。今回、執行委員長には4名(定数1名)副執行委員長には3名(定数2名)書記には3名(定数2名)執行委員には6名(定数3名)の合計16名が立候補しました。選挙公報には、候補者の「立候補の言葉」、推薦者の「推薦の言葉」が書かれ事前に子どもたちに配られます。数日前から児童玄関前にはポスターがならびます。そして選挙当日の演説を聞いて子どもたちは投票するのです。

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児童会選挙は各クラスから選ばれた選挙管理委員の子どもたちが進行します。子どもによる子どものための選挙となることを目指しています。議事の進行から開票作業まで選挙管理委員の子どもたちが担います。

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初めて立候補した4年生のSさんは選挙公報に書いたものとは別に原稿を作って演説を行いました。一部引用します。

「私がなんで立候補したかというと児童会の要求でターザンロープが2つに増えたり、雑木林に時計がついたりしたことを聞いたからです。それで私も児童会(執行委員会)に入って、みんなの要求を学校に届け、みんなが楽しくて困らない学校生活を作りたいです。」

素敵な演説内容だなあと思いました。まだ自分が児童会の執行委員に立候補する要件を満たさない学年の時に、先輩たちの活動によって学校が変わったのを目の当たりにして自分も“やってみよう”と思ったということです。

選挙公報では「みんなの意見を聞いて、こうしてほしい、あーしてほしいという細かい要求を学校に伝え、みんなが楽しい学校生活を送れるようにがんばります。」とも書いています。

Sさんに限りません。子どもたちは自分たちが声をあげることがあたりまえで、その声を学校が聞き一緒に考えながら実現すること、自分たちが考えていくことでもっと学校生活がよくなるということをあたりまえに感じているように思います。

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振り返れば鶴小は歴史的に子どもたちの要求からエレベーターがつき、屋上で遊べるためのラバーがつき、雑木林の遊具が作られるなど、学校の施設設備が改善されてきました。

学校の施設改善の取り組みだけではありません。みんなが気持ちよく生活するために廊下を走らない、階段を乗降する際、手すりを使う人を配慮したルールを作り、啓蒙するなどの生活改善活動、ベーゴマ大会、校内放送、運動会や秋まつりのポスターなどの文化活動…多様な活動を児童会が担ってくれています。

IMG_2995←開票作業をする選挙管理委員の子どもたち

“自分たちで創る学校”を日常の生活から実感しているからこその立候補であり演説内容だと感じました。新しい児童会執行委員と子どもたちがこれからの鶴小を創るためにどのように考え、どんな提案を出してくれるのか楽しみになる児童会選挙でした。

和光鶴川小学校 校長 大野裕一

「沖縄学習で たくさん学びたいな」

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4月26日先週の火曜日に6年生総合学習「沖縄」特別授業を行いました。「”沖縄”に学ぶ君たちへ」というテーマで話をさせてもらいました。鶴小では毎年この時期に総合学習「沖縄」のスタートにあたって校長が特別授業を行うことが恒例です。その時々、社会の情勢や話題になっていることを考えながら内容を考えていくので毎年同じとはなりません。今年は「沖縄本土復帰50年」にあたります。沖縄のことが何かと話題に取り上げられる年でもあります。もう一つは「ウクライナとロシア」の事、触れないわけにはいきませんでした。戦争の悲惨な映像が毎日のように報道で届けられる中、子どもたちの関心も高く「なぜ戦争は起きるのだろう?」という素朴な疑問が出されていました。

2時間の授業を子どもたちはよく聞いてくれました。私が話した内容は次のようなものでした。

1、はじめに

・今年、沖縄復帰50年 何かと注目される沖縄・ウクライナとロシアで起きていること

2、なぜ6年生は総合で「沖縄」をテーマに学ぶのか

・鶴小では26回目の沖縄

3、学んでほしい沖縄の5つの顔

①沖縄の自然~東洋のガラパゴス~

②沖縄の歴史~○○世(ユー)~

③沖縄の文化~東アジアのカジマヤー(十字路・風車)~

④沖縄戦・・・唯一の地上戦 鉄の暴風

⑤基地の島・沖縄

4、最後に

・たくさんの問いをもって・簡単にこたえを出さない・”対話”を大事に・自分だったらと考えるくせをつけて・学習を楽しんでほしい

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※「新・戦争のつくりかた」(リボンプロジェクト マガジンハウス)という本を紹介

話が終わった後、子どもから質問がいくつか届きました。「なぜ沖縄は戦争の時、あれほど悲惨な目にあったの?」(Iくん)は、するどい質問でした。沖縄戦そのものもこれから学ぶことになっています。沖縄の歴史も学ばないと”あれほど悲惨な目に”の理由も理解が難しいでしょう。ひと言で応えられるような質問ではなかったので「いい質問だね。ぜひ、これからの学習の中で持ち続けてほしい疑問だね。」と応えました。

数日後、感想も届きました。「話を聞いて、はやく沖縄に行きたいなと思いました。…まだ沖縄のことは知らないことがいっぱいあるけど、沖縄学習でたくさん学びたいなと思いました。」(Aさん)「沖縄のことがたくさんわかりました。一つ目は戦争のことです。…なにも罪のない人たちが殺されていっているということがとても悲しいことだと思いました。…2つ目は沖縄の文化や食べ物のことです。写真を見てとてもすごいと思いました。まだ知らないことが沢山あると思うので沖縄に行くのを楽しみにしたいです。」(Kさん)「大野先生の話を聞いて沖縄の首里城や青い海や沖縄の料理が気になりました。特に気になるのが青い海です。…沖縄の動物がめちゃくちゃかわいくて生で見てみたいなって思いました。」(Fさん)「…77年前のことだから体験者の方たちがどんどん亡くなられている。だから私たちの代で途切れないように語り継いでいきたいという意思があります。」(Nさん)などなど素敵な感想がたくさん届きました。何よりもスタートの授業からたくさんの”問いや”楽しみ”を持ってくれたことが嬉しいなと思いました。今だからこそ考えさせられること、テーマというのは毎年のことですがあります。子どもに話したように考え続けること、関心を持ち続けること、対話の中で様々な意見に耳を傾けつつ自分の頭で考えること、簡単にこたえを出さないこと、自分自身もあらためて大事にしたいと思います。

今年の6年生が一年かけて、どのように「沖縄」を学んでいくか、とても楽しみです。私も共に学ぶことを楽しみたいと考えています。

和光鶴川小学校 校長 大野裕一

 

新しい一年のはじまりに 入学式 式辞

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2022年度が始まりました。

先週入学式が行われ新しい1年生が仲間に加わりました。緊張した面持ちの新入生に私は以下のような話をしました。

「1年生のみなさん、入学おめでとうございます。校長の大野裕一といいます。2年生以上のみんなは、大野先生を縮めて「おの先」って呼んでるよ。1年生のみんなもそう呼んでね。こんな顔してるよ。(マスク外して)よろしくね。

1年生のみんなが和光鶴川小学校に入ってくるのを、ここにいるみんなでたのしみに待っていたよ。みんなも待っていたよね。先生たちも2年生以上の人たちもみんな喜んでいるよ。今日から楽しい学校生活が始まるね。たのしみだね。6年生とは、もう友達になれたかな?6年生は、これから一年間、みんなが困ったときにきっと助けてくれるから、頼りにして、いっぱい遊んでね。

1年生では、アイヌのことをべんきょうするよ。これはね、みんなが秋まつりでおどるアイヌのマタンプシっていうものだよ。頭にまく鉢巻きみたいなものだよ。一人一人、自分で模様をぬって、これを頭につけてアイヌの踊りをおどるよ。「先生あのね、秋まつりたのしかったね。きつねの踊りが楽しかったよ。ぜんぶ楽しかったよ。」(M)って今の2年生は書いているよ。楽しみだね。これは、アイヌの模様。3年生が作ってくれたんだけど、きれいでしょ。みんなも切り紙で作るよ。楽しみだね。

他にもたくさんの楽しみなことが学校にはあるよ。目の前にいる2年生がみんなにメッセージカードを書いてくれたんだけど、いくつか紹介するね。

「入学おめでとう ぞうきばやしにすべりだいがあるよ。こまったらたすけてあげるよ。うんどうかいのタイヤ引きもがんばろうね」「にゅうがくおめでとう としょしつにいったら いろんな本がかりれるよ。ぼくは かいけつゾロリがいいかな」「にゅうがくおめでとう ぞうきばやしにはすべりだいとターザンロープがあるよ。いっしょにあそぼうね」「にゅうがくおめでとう おともだちやさしいよ。せんせいも やさしいよ」

みんなも、たのしくべんきょうして、ともだちをたくさん作って、いっぱい遊べるといいね。たくさん楽しいことが待っているのが小学校だよ。こまったときや泣きたくなっちゃったときは、ここにいる先生たちや2年生以上のお兄さん・お姉さんたちが助けてくれるよ。だいじょうぶ、安心してね。

今度はおうちの人と話すね。本日は、ご入学おめでとうございます。お子さんの大事な6年間、学童期の教育に、私ども和光鶴川小学校を選んでいただき心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

新型コロナウィルスの影響でこの2年間、様々な制限をせざるを得ない中で教育活動を行ってきました。まだまだ気を抜けない状況の中、いろいろとご不便をおかけすると同時に、ご協力をお願いしなければならないこともあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

和光鶴川小学校は子どもを真ん中に親と教師が共に手をたずさえながらつくってきた学校です。昨年は子どもの「やりたい」を実現するために様々な工夫をこらしながら運動会、合宿、秋まつりなどの行事を行ってきました。子どもたちにとって小学校時代は一度きりです。もちろん今まで通り、とはいかないことも多いと思いますが、大事な小学校時代、価値ある経験ができるように私たち教職員も努力し、親御さんたちの協力も得ながら進めていきたいと考えています。今年は鶴小開校30年のお祝いを11月に予定しています。子どもと親と教職員が協力しながら楽しい企画を準備したいと思います。

ウクライナとロシアの悲惨な戦争が日々報道されて気持ちも暗くなります。和光は一貫して平和教育にも力を入れてきた学園です。昨年、6年生の沖縄学習旅行は25回目を数えました。戦争や暴力は私たちが大事にしている対話とは対極にあるのです。目を背けずに考え、関心を持ち続けたいことです。

引き続きコロナの感染対策に注意を払いながら、親和会や様々な活動も行っていきたいと考えています。保護者の皆様も和光鶴川小学校での生活を楽しんでください。子どもたちと共にみんなで楽しみながら、日々の教育作りを進めていきましょう。 そして子どもたちの成長をいっしょに見守っていきましょう。よろしくお願いします。

さあ、1年生のみなさん、小学校生活をたっぷり楽しんでくださいね。先生たち、2年生以上の子どもたち、おうちの人、ここにいるすべての人がみんなの入学をよろこんでいます。おめでとう!終わります。」

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先週、金曜日には2年生による「1年生を迎える会」今週、月曜日には6年生による「1年生と遊ぶ会」が行われ、少しずつ1年生の子どもたちも学校生活に慣れてきました。”1年かけて1年生”あせらずゆっくりと新しい生活に慣れていってほしいと思います。

校長 大野裕一

 

 

第27回公開研究会 励まし励まされた会となりました

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27回公開研究会 「学校で学ぶ意味を改めて問う~子ども主体の授業づくり・学校づくり~」 

1月29日(土)第27回公開研究会が行われました。当初は来校・対面型で授業も公開し子どもたちの様子も見てもらう予定でしたが、コロナ禍、感染が拡大していることもありオンラインでの研究会となりました。

子どもたちの姿を直接見てもらえなかったのは残念でしたが、北海道から沖縄まで約150名の方に参加してもらえたのはうれしいことでした。公立の先生、他私学の先生、教職を目指す学生さん、教育研究者、退職した先生、学園内の幼小中高の先生など、参加者の顔ぶれも多彩でした。

長年、私たちの研究会に関わってくださっている山﨑隆夫先生、渡辺恵津子先生、額賀美紗子先生の3人が共同研究者として、国語・算数・異文化国際理解教育の3つの分科会に参加してくださり、研究を深める手助けをしてくださいました。

今回のテーマは「学校で学ぶ意味を改めて問う~子ども主体の授業づくり・学校づくり~」でした。コロナ禍で「学校とは」「学校で学ぶ意味とは」があらためて問われている中で全国の先生方とも“今”だからこそ考えあいたいテーマとなりました。

基調報告は私が、分科会は3つに分かれそれぞれ国語・石川先生、算数・斉藤先生、異文化国際理解教育・米田先生・内山先生が実践を報告しました。基調報告の討議では公立の先生が現状を報告し討論を深めてくれました。分科会もそれぞれ多くの方が発言し時間が足りなくなるほどの盛況でした。

たくさん届いた感想の中から一部紹介します。

「学校づくりを進めてきた鶴小の取り組みは、全国から参加した教師たちに希望を灯すものだと思います。」(公立小教員)

「今、ある意味、学校を見つめなおすよい機会になっていると思います。じっくり考えて、日々の教育活動をしていきたいなと思いました。」(大学教員)

「大きな絵本に付箋をつけて貼り付けていく。おはなしの世界にどんどん入り込んでいく子どもたちの気持ちがよくわかります。」(公立小教員・国語分科会から)

「子どもの『わからない・できない』を受け入れ、子どもたちとともにそれを克服していった素晴らしい報告でした。『わからない』の裏には、きっと『わかりたい』があったと思います。」(公立小校長・算数分科会から)

「外国語に初めて触れる3年生の子どもたちの期待、『もっと話したい!相手とつながりたい!』という意欲、伝わってきました。実際の授業が見られないのは残念だなあと思っていたのですが、丁寧な報告から、様子が想像できました。ありがとうございました。」(幼稚園教員・異文化国際理解教育分科会から)

参加された先生たちはコロナ禍での厳しい学校現場の様子やその中での工夫や実践を語ってくれました。「聞いてほしい」という思いがあふれんばかりに伝わり、次から次に「発言したい」と手があがりました。子どもも親もそして教師もつながる場を求めていることが強烈に伝わってきました。

厳しい状況の中だからこそ、全国の教育に関わる方たちとつながり、語り合う“場”の必要性を感じると共に、私たちの教育実践を“世に問い”私たち自身が“学ぶ場”となる公開研究会を開催することができてよかったなと感じています。参加者の方たちの多くの感想に励まされたと同時にあらためて私たち自身が実践を発信していくことの意味を感じることができた研究会となりました。次は子どもたちの姿をぜひ見ていただきたい、そして直接、研究交流したい、そんな思いを持ちました。

IMG_2257→休み時間、校長室で遊ぶ子どもたち

和光鶴川小学校 校長 大野裕一

3学期の始業式 「それしかないわけないでしょう」

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3学期の始業式は新型コロナウイルス感染予防のため放送で行われました。そこで私は次のような話をしました。

「あけましておめでとうございます。2022年、新しい年が始まりました。今日から3学期、一年の締めくくりの学期が始まります。冬休みはゆっくり過ごすことができましたか?楽しめましたか?
さて今日は1冊の絵本を紹介します。絵本なので本当は絵を見せながら紹介したいのですが、放送なので絵は見せられません。ヨシタケ シンスケさんという人が書いている『それしかないわけないでしょう』(白泉社)という本です。有名な人の本なので読んだことがある人もいるかもしれませんね。全部は紹介できないので一部を紹介しますね。
ある女の子がお兄ちゃんに『ねえねえ、しってる?みらいはたいへんなんだぜ。みらいのせかいは、たいへんなことばっかりなんだってさ。ともだちがおとなからきいたんだってさ。ひとがふえすぎて たべものがなくなったり びょうきがはやったり せんそうがおきたり うちゅうじんがせめてきたり ちきゅうがこわれたり するんだって。』と言われます。これをきいた女の子は『ガーン』ショックを受けて おばあちゃんに『みらいがたいへんなの おにいちゃんがこんなふうにいってたの』と話します。おばあちゃんは『あー』といった後で、こう続けます。『だーいじょうぶよ!みらいがどうなるかなんて だれにもわかんないんだから!たいへんなことだけじゃなくて たのしいことやおもしろいことも たーくさんあるんだから!おとなはすぐに”みらいは きっとこうなる”とか”だからこうするしかない”とかいうの。でも たいていは あたらないのよ。あと おとなはよく”コレとコレ、どっちにする?”とかいうけれど どっちも ちがうなあーって おもったときはあたらしいものを じぶんで みつけちゃえばいいのよ!みらいは たーくさん あるんだから!』と話します。女の子は『そっか。ふたつとかみっつしかないわけないもんね』と納得し、おばあちゃんは『そうよ!それしかないわけないじゃない!』と応えます。
この絵本は続きもありますが、興味のある人は校長室にあるので読みに来てください。他にもヨシタケ シンスケさんの絵本は、たくさんあるので、図書室などでも読んでみてください。
地球温暖化で気候変動が起きたり、環境破壊が進んだり、新型コロナウイルス感染が広がったり、大人でもどうしたらいいのかなかなか答えが見つからない、むずかしい問題が、今、世界にはたくさんあります。でも、暗いことばかりじゃありません。若い人たちが中心となって世界中で手をとりあって温暖化が進まないように声をあげたり、SDGsと言って誰ひとり取り残されることなく人類が安定してこの地球で暮らし続けることができるように目標を持ち協力したり、世界の人たちが力を合わせて問題を解決していこうとする動きもたくさんあるのです。
これからの未来や社会をつくっていくのは きみたち子どもであり、共にくらす私たち大人です。どんな未来や社会を選ぶのか、それも私たちなのです。
どうしたらみんなが幸せに暮らしていける社会をつくっていけるか学び、考え続けていきたいですね。おかしいなと思うことがあれば変えていけばいいのです。みんなで考え、問題の答えをあーだ こーだ いいながら話し合って解決していけばいいのです。一人では無理なことも、みんなで考え力を合わせれば変えられることはたくさんあります。まちがえたって 失敗したっていいんです。あきらめないことが大事です。そんな力をつけるために学校はあるのだと思います。
3学期、劇の会もありますね。他にも楽しみなこと、たくさんあると思います。引き続き新型コロナウイルスの感染には気をつけつつ、みんなが充実した学校生活を送れることを祈っています。」

放送で話したので子どもたちがどんな風に受け止めてくれたのかわからず「低学年の子どもには難しかったかな?伝わったのかな?」などと思っていました。
その後、何人かの子どもが絵本のつづきを読みに校長室に来てくれました。うれしいことです。5年生のSさんは絵本の続きを読んだ後「それしかないものもあるよ。その人の作った作品」と話してくれました。確かに美術や技術で作った作品は”それしかないもの”です。3年生のKくんは考えて「たべもの」と応えてくれました。「だってその人しかつくれないたべものってあるでしょう」「なるほど。それしかないものもあるね。他にもあるかな?」とその話題で盛り上がりました。
3年生のあるクラスからは「続きを知りたい」「これから、どうなるの?」という声があったそうで、お弁当の時間にこの絵本を読みに行かせてもらいました。

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子どもたちはお弁当を食べながらも時々笑いながら楽しんで聞いてくれました。読み終わった後、ストーブの前で何人かの子どもたちが集まって、この本のことを話していたそうです。こんな風に子どもたちが話し合うきっかけになったことがちょっとうれしく感じました。私にとっても楽しいひと時でした。

校長 大野裕一

沖縄学習旅行25周年の集い~沖縄の原点・今・これから~

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12月10日(金)和光鶴川小学校の音楽室で沖縄学習旅行25周年(和光小学校35周年)記念の集いが行われました。両校の教員、富士国際旅行社の方々、さらに元校長の行田先生、園田先生など約40名が出席しました。沖縄からもオンラインで毎年平和ガイドとしてお世話になっている川満さん、長堂さん、迫田さんなどが参加してくださいました。沖縄学習旅行を創成期から中心的に創ってきてくださった主たるメンバーのほとんどが一堂に会したまさに記念にふさわしい会となりました。コロナ禍の影響で限られた人数で催された会でしたがとても充実した会となりました。

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1部では行田先生が総合学習「沖縄」がどのように始まったのか、現在に至るまでの歴史的な経緯を具体的な例をもとに語ってくださいました。中でも「なぜ沖縄なのか?」「なぜ小学校での学習テーマとなったのか?」というお話は和光学園の学園長であった丸木政臣先生の思いにも触れつつ深く学ばせていただく機会となりました。「沖縄を学び自分の生き方を問う」という大きなテーマが、卒業生の小学校当時の学びを振り返る言葉の中に体現されているということもお話の中で触れていただけました。私たちの実践に確信を得るものとなりました。今、証言者の方々がご高齢になり子どもたちに直接語っていただく機会が減ったこと、直接証言者の方たちの話を聞いた私たちに新たな課題があること等、これからの私たちの「沖縄」への大きな宿題も提示されました。

今年、6年生を担任した両校の担任からも今年の沖縄学習の成果が語られました。鶴小を代表して報告した米田先生の話から今年の6年生が何を学んだか子どもたちのリアルな言葉から学ぶ機会にもなりました。

2部では長年、学習旅行に関わってきてくださった富士国際旅行社の方のお話を聞きました。同じ方向を向きその時々困難な状況の中で一緒に“子どもの学びのために”可能性を追求してくださったことが伝わる感慨深いお話でした。裏の苦労話も含め富士国際旅行社の協力なしには沖縄学習旅行がこれほどまで長く、これほどまで深く続けてくることができなかったことがわかるお話でした。

総合学習「沖縄」・沖縄学習旅行が鶴小25年、和光小35年、一年として絶えることなく中止することなく実施してきたことは、親も含めこうした多くの人たちに支えられた努力のたまものであることをあらためて痛感した会でもありました。

総合学習「沖縄」・沖縄学習旅行は、その時々新たな学習課題に向かい同じ内容の繰り返しではなく、その年その年の特徴があり、常に進化していることも実感できました。だからこそ今後も子どもと共に新しい「沖縄」の学びを創っていくことが求められていると感じました。

沖縄を学ぶことは過去の歴史に学び、今・現在の課題に向き合い、今後将来の課題に向き合う、大きな学習テーマであることをあらためて確認することができました。おうちの方とも共有できる機会をつくれたら、と感じた会でした。

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和光鶴川小学校 校長 大野裕一

第25回沖縄学習旅行 沖縄の地で子どもたちの学びに学ぶ

hnakamura 校長おのせんブログ

第25回沖縄学習旅行 沖縄の地で子どもたちの学びに学ぶ

和光鶴川小学校 校長 大野裕一

今年も10月26日(火)から29日(金)までの3泊4日、6年生の沖縄学習旅行が行われました。鶴小の沖縄学習旅行は途切れることなく毎年行われ、25回目の節目を刻みました。私自身は担任として7回、補助の引率として3回(今回で4回目)沖縄学習旅行に同行しています。鶴小・沖縄学習旅行の2回に1回ぐらいは同行させてもらっていることになります。しかし何度来ても子どもたちの学びは新鮮で新しい発見があることを感じます。今年も子どもたちは五感をフルに使い、みずみずしい感性で沖縄の“ひと”“もの”“しぜん”“くうき”・・・からいろんなことを学び、つかんでいたように思います。

 

「沖縄はまだ差別されている。ジェット機の騒音など他人ごとではなくもっと深く考えたい」(Mさん)

この言葉は一日目の学習を終えホテルに向かう途中、一日を振りかえって一人ずつ感想を出し合うバスの中でMさんが言った言葉です。「沖縄に来る前は基地が必要だと思っていました。でも基地が本当にあっていいのか、わからなくなりました。」「日米地位協定が必要なのか考えていきたい」・・・子どもたちの感想が続きます。

嘉手納基地を見て飛び交う戦闘機の轟音を肌で感じ、宮森小学校のジェット機墜落の証言を聞いた上での感想、なかなか言葉が出てこない子どももいました。でも、深く学び考えたからこそ言葉は簡単に出てこないのだと思います。

4日目の学級集会では、はからずも1・2組どちらのクラスも「米軍基地は必要なのか?」が話されていました。もちろん簡単に答えは出ません。大人でさえ何十年も議論しているようなテーマです。でもそれを6年生の子どもたちが真剣に考え、自分のことばで伝えようとしている、そこに素敵さを感じました。

 

「まわりの人が自決していくのを見て、どう思ったのですか?」(Yくん)

渡嘉敷の「集団自決」(強制集団死)の場にいた吉川嘉勝先生の証言を聞きました。吉川先生は当時1年生、お母さんの「やさ、生ちかりるーうぇーかは、生ちちゅしやさ」(生きられる間は生きよう)「死ぬせーいちやてぃんないさ、あね、兄さんたー追ぅてぃひんぎーしないさ」(死ぬのはいつでもできるから、兄さんたちを追って逃げよう)という言葉で生き延びた経験を話してくださいました。

子どもたちの質問は率直で私たち教員が聞いてほしいことをズバッと聞いていました。「強制集団死の中で吉川さんはどう思いましたか?」(Mさん)「逃げた後の様子を知りたいです」(Eさん)…表題の質問に吉川さんは「直接は見ていないんだよ。あまり見ていない。ひどかったみたい。地獄だった。」と応えてくれました。子どもたちの率直な質問に真摯に応えようとする吉川さんの姿も心に残りました。

「当時のつらかったことを話してくれてありがとうございました」(Sくん)「軍隊から手りゅう弾を配られたのにお母さんが(命を大事にという)自分の考えを持ち続けたのがすごいなあと思った」(Kさん)…吉川さんに送ったお礼の言葉、感想にも子どもたちが学んだ大事な中身が表れていました。

 

「ぼくたちに伝えてくれる人が少なくなったら、どうなると思うか考えたい」(Sくん)

「この事実を身近な人に伝えていきたい」(Nさん)

「日本の教育に問題があったんじゃない」(Tくん)

3日目の夜、学級集会で一人一人が学習旅行をふりかえって感想を交流しました。私は1組と2組半分ずつ出席させてもらいました。本当はどちらのクラスの集会にも最初から最後まで参加したかった、それほど中身の濃い感想の出し合い、話し合いが行われていました。

子どもたちの感想は、自分の言葉で実感のともなったものが多く心に響いてくるものでした。特にSくんの「ぼくたちに伝えてくれる人が少なくなったら…」は、私たちも感じている大きな課題です。2016年第16回沖縄学習旅行まで証言してくださっていた元ひめゆり学徒隊の宮良ルリさんが今年8月にお亡くなりになり、昨年の第24回学習旅行まで欠かさず渡嘉敷の「集団自決」(強制集団死)の証言をしてくださっていた金城重明さんが体調などの問題で話していただけなくなり、沖縄戦を体験し子どもに話してくれた証言者は今回吉川さん一人でした。

1組に関わってくださっていた元ずいせん学徒隊の宮城巳知子さんは2015年10月に、2組に関わってくださっていた元ひめゆり学徒隊の宮城喜久子さんは2014年12月に亡くなられ、25年前、1回目の学習旅行から関わってくださった証言者の方は1人もいなくなってしまいました。

宮良ルリさんが生前、子どもたちに話していた最後の言葉は「あなたたちにバトンを託しましたよ。お願いしますね。」でした。その言葉がより一層、重みをもってよみがえります。6年生Sくんの言葉、Nさんの言葉、Tくんの言葉、どれも大事で子どもだけではなく大人にも突きつけられた言葉でもあります。

 

今年25回という節目を迎えた鶴小・沖縄学習旅行、節目であると同時に転換点でもあるように感じています。しかし変わらず子どもたちの学びは常に新鮮で「子どもって、すごいなあ」と思わされます。

 

オンライン少人数学級推進署名へのご協力を

サイト管理者 全校, 校長おのせんブログ

和光学園親和会員の皆さまへ

~少人数学級推進オンライン署名ご協力のお願い~

和光学園校長会

和光鶴川幼稚園・和光鶴川小学校 校園長 加川 博道
和光幼稚園・和光小学校 校園長 北山ひと美
和光中学校・和光高等学校 校 長 橋本 暁

 

2学期が始まってしばらく経ち、各校・各園とも学び舎に子どもたちの元気な声が響いております。

さて、現在インターネット上で、少人数学級の実現を求める署名が行われています。少人数学級の実現は、私たち和光学園としても長い間その実現を願ってきたものでした。本署名の呼びかけ人には、昨年の和光デーで講演頂いた本田由紀先生、和光大学の山本由美先生、本学園の教育研究会でお世話になった佐藤学先生などが名を連ねています。また、全国知事会会長・全国市長会会長なども少人数学級の実施を求めています。文部科学大臣も「来年度から小中学校に、おいて少人数学級を段階的に導入することを検討していること」を明らかにした、との報道があります。この流れを加速し、確実にするという点で、私たちとしてもオンライン署名に協力していきたい、と考えます。親和会員のみなさまもぜひご賛同いただき署名に協力して頂ければ幸いです。

本学園では、長い期間にわたり、私学助成の拡充を中心として、ゆきとどいた教育を求める署名に取り組んできました。こちらの署名は、国会・都議会に直接提出しますが、議会で審議が行われる請願として取り組まれてきました。署名を集める過程で、対話があり人々に直接訴えることができ、また、提出の過程で議員の方々と話をしたりすることにより、流れをつくっていこうというものでした。こちらの署名運動も動きがスタートしています。こちらの署名への取り組みも併せてお願いいたします。

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