入学式 校長式辞

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新入生の皆さん、そして保護者の皆さん、ご入学おめでとうございます。みなさんを和光中学校に迎えることを在校生と共に私たち教職員も心待ちにしていました。
今日は春らしい暖かい日になりました。和光中高のキャンパスでもあちこちで花が咲き、木々が芽吹きみなさんの出発を祝っているかのようです。 この2年間、日本中の学校はコロナ対策のため通常の活動が多く制限されてきました。新入生のみなさんの小学校生活でも、運動会が縮小した形での実施になる、あるいは無くなったりする。修学旅行に行けなくなってしまったという経験をした人が多いのではないか、と思います。和光中学校でも長い伝統を持つ館山水泳合宿や秋田学習旅行がこの2年間は行えませんでした。そのような中でも、この春卒業していった生徒たちはたくましい成長を見せてくれました。どんな状況でも仲間との対話を大切にし、状況に応じて考えていく姿に感動することが何度もありました。私は、中学生というのは、たけのこのように急激に、そしてすくすくと成長するものだ、と思っていますが、これから先、コロナがどうなろうと、新入生の皆さんもたくましく成長していくことを確信しています。
学校というのは、人と人が集ってお互いに影響を与え合う場です。その意味はとても大きなものだと、私は思っていますが、今日はあえて「一人でもできて、自分を成長させることにつながること」について話したいと思います。それは、「ことばを育て身につけること、そのために自力で本を読むこと」です。
人間が自分の感情や思っていること、考えていることを伝えることを「コミュニケーション」と呼んでいますが、その主要な手段はことばです。もちろん、ことばが無くても感情を伝えることはできます。顔の表情で様々なことが伝えられますね。例えば、怒っているとか、嬉しいとか。相手を抱きしめたり、さわったりすることで愛情を伝えることもできます。しかし、考えること、少し難しい表現をすれば思考することは、ことばを使わなければ難しい。先ほど「コミュニケーション」ということばを説明しましたが、これをことばを使わず説明することは不可能です。
さて、人はことばをどのようにして使えるようになるのでしょうか。ちょっと考えて分かることは、一人で放置されている状況ではことばを使えるようにならない、獲得することはない、ということです。別な言い方をすれば、周りから様々な刺激があって、ことばのシャワーを浴びてそれを取り入れることにより、人はことばを使えるようになっている訳です。私たちがなかなか英語をしゃべることができないのは、これが理由です。「サンキュー」や「グッバイ」は日本語になっていると言ってもいいぐらいで何度も聞いているから、使うことができますが、そうでないものは難しいということですね。
だから、まず大切なことはインプット、自分の中に様々なものを取り入れていくことです。現在、新入生のみなさんや中高生が日々外の世界と接する際よく使っているのは、テレビやネットの動画、SNSという人が多いと思います。そういう状況の中で、なぜ私は皆さんに読書を勧めるのでしょうか。
映像というものはネットであれ、テレビであれ、次から次に流れていく、という特徴があります。ですから、そのスピードに合わせるしかないので、途中で立ち止まって考えてみるというのには不向きであるということがあります。内容も分かりやすく作らざるを得ない。日本のテレビ番組はある時期から、二〇数年からでしょうか、テロップがやたら出るようになりましたが、これも分かりやすさを追求した結果でしょう。分かりやすいことは、必ずしも悪いことではないですが、物事の単純化にはつながりやすいことには気をつけておく必要があるでしょう。
もう一つのSNSについてですが、こちらは文字量が短いことが特徴か、と思います。有名なSNSであるTwitterは一つの投稿で140字という制限があります。高校生から教えてもらったことですが、Lineでは文章を長々と書いて投げることは格好悪いんだそうです。自分の感じたことをパッとつぶやくことはすぐ出来るけど、SNSでは、ある程度の内容をまとめて展開するということにはなりにくいのではないでしょうか。
ですから、じっくり考えながら情報を得る、想像力を膨らませながらことばをインプットするためには、どうしても本を読むということが必要になってくると思います。残念なことに、今の日本では本が売れなくなってきましたから値段も高くなってきたりしていますが、どんな人でも本を手にすることができるように、公共の図書館というものがあります。それも無料です。税金を使って無料にしているのは、読書という行為が社会を支えていくのに不可欠である、と考えたからです。和光中高も学校の規模の割には充実した図書館があります。どうか活用してください。
最後に、今の社会状況の中、もう一つだけ話として付け加えたいことがあります。それは、ウクライナのことです。今日は具体的な話をすることはできませんが、みなさんと同じ歳のこどもたちが、住んでいるところを追われ、食べ物の不足に苦しみ、場合によっては命さえ奪われていることを忘れないで欲しいのです。そして、今のみなさんには難しいかもしれないけれど、ウクライナで起きていることから私たちは何を考えなければいけないかを、そしてもちろん今の状況を止めるには何ができるのかを、これからの学びの中で一緒に考えていければ、と思っています。

2022年4月9日
和光中学校長 橋本 暁

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