園長ブログ③~算数の芽・数学の種①~

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『風緑通信』

                      和光鶴川小学校幼稚園校園長 加川博道

『算数の芽・数学の種(たね)』①

 <「1,2、」の次は「いっぱい」;3歳児の4月>

 教員生活35年目にして初めて幼稚園教師兼務となりました。毎日が楽しい発見の連続です。このシリーズでは、幼稚園と小学校の子どもたちの場面から、私が長年かかわってきた「算数・数学」教育の視点で切り取ってみたいと思い立ちました。よろしくお付き合いください。第1弾は…?

 入園したての3歳児「花組」のO君。玄関で何やら見上げて数えています。目の前に並んでいたのは職員の先生たちのタイムカードでした。「1,2、…1,2、…1,2…」。そばにいたお母さんが言います。「この子3以上はいっぱいって言うんです」。

何と衝撃的な場面でありましょう! それはまさに原始、人が数を数えはじめた時と同じ数え方ではありませんか‼ 「1、2」の次は「いっぱい」。その原始の「2進法」の名残は「ひとつ、ふたつ」の次が「みっつ(=満つ;いっぱい)」であり、「ONE,TWO」の次が「THREE(=THROUGHと同じ語源;突き抜ける)」であることや、漢字の「川」「森」が「3本の流れ・3本の木」で「たくさん」を表現していることなどに見て取れます。古代ギリシャでは「1」を「単数」、「2」を「双数」と呼び、「3以上」を「複数」としたそうです。考えてみれば「2」という数は人間の体の各部位から容易に認識できそうです。「雌雄・男女」の区別も同様でしょう。まさに「3」の認識こそが数の一般的理解につながるものだったのです。

ですから小学校1年生ではじめて習う数は「3」になっています。タイル□□□を黒板に貼り、ビニール袋を渡して「これと同じだけのものを探してきてね」と呼びかけます。学校中に散った子どもたちはやがて「エンピツ」「小石」「はっぱ」「木の枝」、さらには「少しの水が入った袋=『ぽた、ぽた、ぽたって水を入れた』」「膨らんだ空の袋=『フーフーフーってした』」などなど、大人の発想を超える思い思いの「□□□と対応するもの」を見つけてきます。黒板の前は豊かな□□□のものでいっぱいです。それを受けて「これをみんな『さん』っていうんだよ。こう書くよ」と初めての数字「3」を教えるのです。

「3歳児の4月」の数認識は、3年かけて「現代」とつながります。幾種類もの「□□□」を見つけられる、その土台になる豊かな数量体験を幼稚園でたくさん潜らせてあげたいとあらためて思うのでした。

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