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校長室から

2010年度 新年度を迎えるにあたって

 一、和光中学・高等学校の課題と今年の重点

(1)「今、自分が中学生・高校生だったら、こんな学校生活を送りたい」

 保護者会や入試説明会で、話が一方的にならないよう、私はいくつか質問するようにしています。「もし今、過去にもどれるとしたら、何歳くらいの自分にもどりたいですか?」もそのひとつです。「小学生時代」と答える人もいますが、「中学・高校生時代」と答える人がほとんどです。「私も同じです」とひきとります。多くの人がうなずきます。

  中学・高校生時代……人生におけるもっとも多感な時期、第2の誕生と呼ばれる人格形成の時期です。

「自分が中学生、高校生にもどれるとしたらこんな学校生活を送りたい、という思いを保護者と教員が共有して学校づくりに力を合わせているのが、和光中学高等学校だと思っています」と語ります。こう語れる学校は稀有なのではないでしょうか?

 

(2)2010年度入試

その和光中学高等学校が、09年度入試につづいて10年度入試も苦戦しました。高校は中学からの内部進学率が向上したことで定員は確保できましたが、中学は2年連続の定員割れという厳しい事態となりました。

少子化とひきつづく経済不況の影響から、私立中学受験生が全都的に減少

新たに有名大学付属中学2校が開校(入学定員270人増)

都立中高一貫校新設による定員560人増(合計1,410人)。競争率7~10

今や私学受験の「主戦場」は中学入試に移行したと言えるかも知れません。

第1志望都立中高一貫校・第2志望私立中高一貫校という受験生がかなり多かったのでしょう。合格発表のあった2月9日、多くの私立中学に入学辞退の申し出があったようです。A中学の入学辞退・繰上げ合格⇒B中学の入学辞退・繰上げ合格につながり、さらにC中学、D中学……と、影響を受けました。その結果、かなりの数の私立中学が定員割れを起こしました。

私学にとって定員割れは存続問題にかかわる重大事です。生徒を確保できなければ、消えてなくなるしかありません。多くの私学が特進クラスの設置や大学合格実績を前面にうちだして生き残りをかけています。それは熾烈な争いです。

そうした状況下で和光中学高等学校は特別の存在となっています。「個性の尊重」「ともに学ぶ喜び」「自主的精神の育成を図る自治の学校」……を掲げて学校づくりを営々と進めているからに他ありません。そして、そのことが応募者減・定員割れを最小限に抑えていると考えることができます。それどころかV字回復を目指す拠り所となるはずです。

競争主義教育&管理主義教育は、学校現場の子どもと教員を痛めつけています。その対抗軸としての学校づくり、それは教育の正道です。「やっぱり、学校は和光のようでなければ」と言われる日が必ず来ます。痛めつけられている学校・教員、子どもたちを励ますことになります。結果として何よりの募集対策となるはずです。

 

(3)和光中学・高等学校の教育が目指す学力……『育てたいね、こんな学力』

「学校5日制の和光では学力がつかない」「和光中高では将来が保証されない」といった風評をはねかえすため、校長会は09年7月に『育てたいね、こんな学力 和光学園の一貫教育』を刊行しました。不十分な点は多々あるでしょうが、まずはここを共通の足がかりとして、教師一人ひとりが「育てたいね、こんな学力」を示す授業をつくっていこうと思います。そのときのキーワードは

学ぶことは絶対的な楽しみ・喜び

  ◇ ともに賢くなるために、ともに学ぶ

の2つだと考えます。

『育てたいね、こんな学力』で紹介したJ君のことを、入試説明会や新入生保護者会などで話してきました。和光中学・高等学校が目指す学力の主要部分を理解してもらえるからです。J君の示した学力は「他者とつながる学力」です。ともに学ぶ力です。

中学校では教科をこえたグループ別授業検討、高校では学年別「授業を見合う会」を継続して行っています。そして、11月和光教育研究集会での授業公開とそれにつづく授業検討会(感想交流会)を、「和光中高の授業を世に問う場」としています。

学力観を狭く限定させず、学級づくり、クラブ指導、生徒会指導、学年指導、行事指導においても、創造的に実践していきたいと思います。

 

(4)募集対策に、保護者のみなさんの一層のご理解とご協力を

入試説明会の参加者アンケートによると、「知人・友人の紹介で参加」がもっとも多くなっています。保護者のみなさんのご協力に対して、心から感謝しています。

(1)で述べた「もし今、自分が中学・高校生にもどれるとしたら」の次に「こんな授業を受けたい」「こんな学びをしたい」「こんな学力をつけたい」とつづけてみてください。その思いを、学級親和会、学年親和会、親和会教研集会などで交流し、「和光の学力」について共通理解を深めたいものです。

そして、中学・高校受験生を持つ知人・友人の方に、是非、「和光の学び」「和光の学力」を伝えていただきたいと思います。それが何よりの募集対策になるのです。

そのとき、合わせて次のこともお伝えいただきたく思います。

三者連絡協議会・学校協議会と「足もとの自治」

中学・三者連絡協議会、高校・学校協議会が充実し、「自治の学校」にふさわしい活動となっています。06年度から、両校生徒会が呼びかけてのグラウンドとテニスコートのU字溝清掃と草刈りに多数の生徒が参加し、「足もとの自治」を固めています。

中学校では生徒会行事として定着し、200名を越える生徒、教職員がいっせいに作業します。親和会主催の草とり作業も同様です。実に壮観です。そのことを狙いにしたわけではありませんが、近隣住民から「和光は変わった」という評価を受けています。

スクールカウンセラー制度

 小学校・中学校時代に不登校傾向にあった生徒が和光中学高等学校の教育に期待して受験、入学してくるケースが少なからずあります。

「不登校の生徒が100人いれば、その原因は100通り」とも言われます。原因は複合していて複雑であることを示すと同時に、性急な原因探しを戒めている言葉のようでもあります。主な原因が競争教育か管理主義教育にあった生徒については、その原因が取り除かれたことにより、皆勤かそれに近い状態で卒業していきます。しかし、「和光でも無理でした」と退学していく生徒もいます。

高校親和会からの要請もあり、こうした生徒に対応すべく(それだけではありませんが)、「和光中学高等学校に望まれるスクールカウンセラー制度」導入に向け、検討委員会を立ち上げました。

毎週定期的に会議を持ち、他校視察訪問も行っています。10年度から試行的なカウンセリングも開始する予定です。

異文化交流国際教育

 和光小学校と姉妹校関係にある韓国ドゥレ学校と教員レベルの交流を3年間つづけてきました。ドゥレ学校からの要望があり、和光高等学校とドゥレ学校両校間での短期・長期交換留学生制度が可能か、その検討に入ります。

 

(5)2010年度に行う主な事業と支出減・収入増の努力

09年度にエアコン全面交換とトイレ全面改修という大事業を行いました。本校の予算規模から言えば、数年かけて行う規模の事業でした。

したがって、今後数年間は圧縮予算を組むべきところですが、耐震補強工事については生命にかかわることでもあり、また国の補助が11年度までと限られているため、10年度予算に計上しました。あわせて、事務室の改修工事も行います。

06年度以降、支出を減らし収入を増やす方策を学校あげて考えてきました。U字溝清掃と草刈りで業者委託をやめました。エアコン・トイレ・耐震補強など、各種補助金の活用に努めています。

中・高親和会役員会が「エアコン交換産直バザー」に取り組んでくれました。エアコン交換後も、名称を「和光中高応援 産直バザー」と変更して、継続してくれています。ありがたいことです。

源泉掛け流し温泉つきの「和光学園松本研修センター」(松本市浅間温泉)を保護者・家族だけでも利用できるように、09年度に規程を変えました。9月~翌年7月のところで、家族旅行やグループ旅行で利用していただけると、ありがたいです。申請は教職員を通じて簡単にできます。

学園として寄付制度の改善にも努めています。ご協力ください。

 

(6)私立高等学校等就学支援金について

 10年度から私立高等学校等就学支援金制度(国から私立高校生一人当たり月9,900円支給)がスタートします。法成立が3月末であったため、事務作業が遅れています。混乱を避けるため、年度末に一括支給の方法をとりたいと考えています。

 説明プリント配布のうえ、説明会も開きます。ご理解のほど、よろしくお願いします。

 

日時: 2010年4月26日 23:30

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