第46回和光教研

 第46回和光教研(和光教育研究集会)は終了いたしました。

すべての生徒に「学び」が成立する授業をめざして

和光中学・高等学校 研究委員会

和光中学・高校は、お互いの個性を尊重し合いながら、自分たちのことは自分たちで決めるという 自由と自治の精神を大切にしている学校です。生活指導においては、いろいろな考え方・生き方があ るということを認め合った上で、自分たちの生活をどう作るかということを集団的に考える指導を実践し ています。授業においても、生徒一人ひとりが表現し、意見を述べる学習を大切にしています。教師 が一方的に問うだけ・話すだけの授業ではなく、生徒たち自身が自分の「問い」を持ち、多様な意 見に出会いながら、主体的に学び合える学習を目指しています。

和光教研は中学・高校共同で実施する公開研究会です。例年、中学・高校の授業公開と分科 会を実施してきました。しかし、今年度は中学校の日程が特別なものになっているため、今年度に限って、 午前中は高校2年生の必修授業の公開・教科の分科会を実施し、午後は佐藤学先生をお招きして、 ともに語り合うというプログラムにしました。

私たちは、今回の和光教研を、すべての生徒について「学び」が成立する授業を集団的に考え る機会にすることにしました。日々の授業研究を重ねて、みなさんと学び合えるような教育研究会にす る努力をしております。

また、午後の全体会では、佐藤学先生と語り合う貴重な時間を実りあるものにしたいと考えておりま す。佐藤先生には、午前の授業公開をご覧いただき、授業検討会にも参加していただき、午後の全 体会で授業公開や授業検討会のご感想などをいただきながら、お話をしていただき、意見交換などを する方向で検討中です。ぜひお誘い合わせの上ご参加下さい。

 

開催要項

公開研究会 第46回和光中学校・高等学校教育研究集会案内
――子どもの健やかな発達を願う父母と教師の研究会――
主題 参加と共同による学校づくり・授業づくり
日時 2017年11月19日(日)
会場 和光中学高等学校(アクセス
プログラム 以下、タイムテーブル 公開授業 全体会講演をご参照ください
参加費 1000円 学生は無料
公開授業だけを見学される方は無料でご参加いただけます。
昼食 昼食が必要な方は事前にお申し込みください(代金1000円は当日受付けでお支払いください)。また、学校近辺にはコンビニエンスストアもございます。
申込〆切 11月18日(土)16:00
お申込みはウェブからの他、電子メール、FAXでも受け付けています。*
お問合せ 電話:042-734-3401
チラシ ダウンロード(PDF)
電子メールおよびFAXでのお申込み

氏名、所属(一般参加・和光保護者・学生・教員・その他)、住所、電話番号、参加形態(授業公開のみか希望する教科別分科会名)を記入して送信してください。
FAX申込先:042-734-3410
メール申込先:kyoken@wako.ed.jpに送信

プログラム

タイムテーブル

和光教研タイムテーブル

 

午前:公開授業 今年度は高校のみ授業公開です。

2年1組 英語 仮定法を説明する
  • 授業者:森口悦子
高校の必修授業では「文構造の理解」を共通目標にしています。英文にスラッシュを入れ、文の核やフレーズ(句)を ある程度のまとまりに分けて文構造を理解する方法に取り組んでいます。英文法については中学の既習項目を1年生で復 習しながら、高校段階で習得すべき文法項目を2年間で取り扱っています。さらに2、3年の選択授業では4技能にそれぞ れフォーカスした授業内容を構成しています。
今回の授業では2年の文法事項である「仮定法」のまとめ部分を取り扱います。仮定法を理解し、練習問題を解き、 さらに仮定法の意味を自ら言葉化することで「仮定法」の世界を深める取り組みです。
4月からずっと取り組んできた「小3に説明する論述問題」は、説明相手を小3に設定し、分かりやすい日本語で説明 することを条件に加えています。今回は仮定法で生徒が最もひっかかる「仮定法の動詞の形」に注目します。
文法項目の難しいポイントを分かりやすい言葉で他者に説明することで、生徒は自ら思考を重ね、互いの説明を聞くこ とで多面的に仮定法への理解も深めていきます。様々な解説が生まれることで生徒間での違いを共有し、生徒とともに正 解のない「学び」を作っていきます。
2年2組 国語 現代の小説を読む
  • 授業者:畠中由美子
和光高校の国語科では、母語を育てることを目標にしています。日々の生活の中で培った言葉を豊かにするために、 授業の中で対話する機会を多くつくっています。
2年生で現代小説を読むにあたっては、作品と、あるいは教室内の他者との対話を重ねることで、様々な読みに出会 いながら自分のことばを獲得することを目指します。
そのために生徒が読みたくなる、あるいは自然と意見を言いたくなるような、彼らの問題関心と合った教材を選ぶように しています。ふと漏らしたひと言も大切にしながら、本文に即して考え合えるような、紙上での意見交流やグループ活動を 取り入れています。
それぞれの視点から考えることによって、立体的に作品を捉えられる、また、自分の読みが揺さぶられ、ことば選びを 問われ、読み直しを迫られ、作品の読み方が変わる、あるいは深まるような授業づくりを考えています。
教材は柚木麻子「フォーゲットミー、ノットブルー」(『終点のあの子』所収)を予定しています。
2年3組 数学 微分
  • 授業者:加藤拓也
和光高校の数学科では、公式や定理を覚えるだけでなく、説明できる力を生徒に求めています。与えられた問題をこ なすだけでなく、あらゆる事象を数式や証明で解き明かす「面白さ」をいかに授業の中で生み出すか、毎日試行錯誤し ています。和光高校のカリキュラムでは必修数学は高2が最後の年であり、長い算数・数学学習の締め括りです。高2 では「指数対数」「数列」「微分積分」を学びます。計算に加えて、「微分とは何か」をそれぞれ明確に説明できるこ とを単元の目標に置いています。
そのため、普段の授業では教師からの説明の時間を極力減らし、問題演習と教え合いの時間を大事にしています。 また、今回の公開授業のように計算練習が中心でなく、概念の獲得を重視した授業も行います。世の中のあらゆる場面 で数学が大きな役割を果たしていることを伝えるよう心がけています。
今回は数Ⅱ「微分」を扱いますが、この授業では数式を極力使わず、「日本の人口増減について」のグラフから傾きや 変化について考えます。また、今後の予測も微分の力を使って考察していきます。計算の得意・不得意に関わらず、 具体的な例や生徒同士による説明を通して、微分の本質に迫っていきます。
2年4組 社会 第一次世界大戦後の日本
  • 授業者:横山幸三
和光高校の必修日本史では、歴史の流れを講義形式の授業の中で一定おさえながらも、当時の人たちの暮らしや世 論などに着目していきながら、資料をもとに生徒に歴史を追体験してもらい「自分自身が当時を生きる人であったなら?」と いうことを考えさせています。同時に、現代を生きる子どもたちにはなかなか理解することが難しい「歴史を学ぶことの意義」 に関しても、現在起こっている世界を巻き込む動き・出来事などとリンクさせながら考える時間をつくり、意見文や授業内 討論などを通じて子どもたちが様々な観点から、拙くとも「借りモノではない自分自身のことば」で主張を巡らせていく事 ができるよう配慮しながら年間の授業を組みたてています。今回見ていただく授業では、満州事変に至るまでの歴史を辿 りながら、当時の日本が選択した方向性とは「別の道はなかったのか?」ということを、子どもたちが考える機会とし、「戦間期」 における世界や日本の動向により具体的なアプローチをしていきます。
2年5組 理科 (化学) 酸・塩基の中和反応
  • 授業者:氷見康太郎
和光高校の必修化学では化学変化の現象を説明するために、原子の構造に着目し、特に電子の授受で現象を理解 することを目標にしています。普段の授業では単なる暗記ではなく、周期表をもとに考え、物質の原子構造、性質、反 応を理解できるような学びを目指しています。また、なるべく身近な物質を例に出すことを心がけ、日常生活に関連付けら れるようにしています。
これまでに酸・塩基の定義、酸・塩基の価数と強弱、水素イオン濃度指数pHを学習してきましたが、今回の授業で は塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応を学習します。水素イオンと水酸化物イオンとが同量あるときに中和反応が完了する ことを理解していきます。その際に、酸と水素イオンを混同してしまうことで混乱が生じやすいため、この点を区別できるよ うに工夫します。さらに表計算ソフトを用いて、中和反応の過程でpHの変化を表した「滴定曲線」の作成を試みます。 滴定曲線のグラフだけを見るのではなく、グラフができる過程を知ることで滴定曲線の意味を理解し、後に行う中和滴定 実験の操作法の理解につなげたいと考えています。
2年6組 理科 (物理)熱量の保存
  • 授業者:手島歩実
和光高校の2年生必修物理では、エネルギーを1つの柱として力学・熱力学・電磁気学分野の基礎的な知識を習 得することを目標に、年間の授業計画を組み立てています。年間の授業を通して、高校生が生活経験に基づいて興味 を抱き、考えられるようになることを目指しています。そのために、教材に身近な材料を用いることや、高校生にとって想 像しやすいと思われる話題を取り入れることに努めています。そして、生徒自身が実際に手を動かして、体験する機会を 出来る限り多く作っています。体験や実験が、ただの娯楽で終わってしまうことなく、科学的な考え方に結び付けられるよ うに心がけています。
今回の授業では、前時までに扱った熱容量や比熱、熱量保存の考え方を用いて、比熱を算出することがねらいです。 実験には、おでんの具となるこんにゃくと大根を用い、実際に食べる「体験」と温度を測る「実験」を踏まえて、定性 的な理解から定量的な理解へとつながる授業を目指します。

午後:全体会

全体会「 佐藤学先生と語り合う」13:30〜16:00

全体会について
佐藤先生に、授業公開の参観・授業検討会にご参加いただき、午後の全体会で授業公開や授業検討 会のご感想などを交えて、90分ほど講演をしていただき、意見交換などをしたいと思っております。佐藤学先生
1951年広島県生まれ。教育学博士、学習院大学教授。三重大学教育学部助教授、東京大学教育 学部助教授、東京大学大学院教育学研究科教授を経て現職。アメリカ教育学会名誉会員、全米教育ア カデミー会員。日本教育学会前会長、日本学術会議第一部前部長。