必修選択Aでは10月に講座ごと3泊4日の研究旅行が組まれています。旅行先は講座ごと全国各地に広がります。授業のテーマを深めるために、現地で、調査、実習、見学を行います。教室の学びでは得ることのできない、現地の人の生の声や自然や建造物に触れ、学習を深めます。
日本文学研究

農と地域

戦争と史跡

史跡をめぐることにより、歴史が現実の手触りのあるものであることを実感したいと思います。テーマは、日本に大きな影響のあった十五年戦争を中心にします。研究旅行後の授業は、「平和とはどのような状態か」「平和をつくり出す力は一体何なのか」といったテーマで議論を行いたいと思います。研究旅行は長崎を予定しています。現地では、原爆に関わる史跡などを巡ったり、現地の方の証言を聞いたりすることになると思います。あわせて、長崎の市民や、修学旅行で長崎に来ている人に対して街頭でインタビューをしてもらう計画です。小・中学校で戦争や平和ということについて充分学んでいる人もいると思いますが、この授業では新たな視点がえられると思います。
日本古代史研究

労働と福祉

現在の日本は「格差」が拡大していると言われています。この「格差」とはお金を「持っている」と「持っていない」を表しているのはもちろんですが、困ったときに助けてくれる人がそばに「いる」と「いない」などということまで範囲を広げて考えてみることもできるでしょう。(いまの日本はまた、「無縁社会」とも言われるようになっています。)こういった「格差社会」や「無縁社会」と呼ばれるようになった状況の中で、労働(働くこと)と福祉(助け合うこと)がどうなっているか学習していきます。2017年度の研究旅行は、大阪・神戸で「野宿者への襲撃問題」「野宿者への支援のあり方」「震災学習」などを行いました。今年の研究旅行も大阪・神戸で行う予定ですが、変更があるかもしれないことを承知しておいてください。研究旅行だけでなく、普段の授業でもフィールドワークを行います。
生物研究

21世紀は「環境の世紀」とも言われるように、地球環境問題は現在もっとも重要な人類的課題のひとつです。この講座では生物の種間関係や生物と環境との相互作用について学び、環境科学の基礎を養います。具体的には食物連鎖、微生物のはたらき、土壌の機能とその形成、自然界の物質循環とエネルギーの流れ、森林の構造と機能、日本列島における大型哺乳類の保護と管理、移入動物と種の多様性保護、水質汚染とその解決、里山や里海の保存と管理、農林水産業と環境との関係などの内容を取り上げます。研究旅行は栃木県日光市の奥日光・足尾で、サル害の実態とサルの保護管理、シカによる植生破壊の実態とシカの保護管理、足尾銅山の煙害による森林破壊とその再生について、フィールドワークを行います。また普段の授業においても、学校近辺のフィールドに出かけて実習を行います。
科学技術と生活

科学が発展することで私たちの生活の便利さが向上しています。特に食品や電化製品など身近なものと科学との関連は深いです。しかし生活をする中で科学を感じる機会はそう多くはありません。実際には製品の製造過程で様々な科学技術が使われていますが、それがブラックボックス化していて、私たちにはわからなくなっています。この講座では、世の中のブラックボックス化しているものの原理・仕組みを理解することを通して、生活の中の科学を感じられるようにしたいと考えています。1年間で、論理的に考える力と全体を見通す力を養い、アイデアをかたちにする企画力を身につけることを目指します。研究旅行では、主に静岡県内の大学の施設や企業の工場設備を見学し、科学技術に関わる知見を広めます。
絵画Ⅰ

版画Ⅰ

基地問題研究

この講座で取り上げるのはいわゆる在日米軍基地問題です。今日も和光高校の上空を飛ぶ軍用機の音が聞こえてきました。戦後74年続く日本の“平和”のこと、じっくりと考えてみませんか。日米関係や日本の国際貢献、安全保障、平和や社会運動のあり方などについて自分の意見を持てるようになることを大きな目標としています。研究旅行で訪問するのは、基地を囲むフェンスが長く続く沖縄です。そこに暮らす生活者たち、そして米兵を含む基地関係者たちと対話しながら、この問題を考えていくための材料を集めます。特に、普天間飛行場移設問題の舞台となっている宜野湾市と名護市(辺野古)でのインタビュー調査を軸に、年間を通してフィールドワークを実施しています。