「答えが無い問いとは」(校長式辞)

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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。本日ここに、275名の新入生を迎えることになりました。皆さんの入学を和光高校の教職員一同、心より歓迎します。保護者のみなさま、お子様の入学を心待ちにしていらっしゃったことと思います。中学から高校への節目を越え、感慨もひとしおのことと思います。

さて、今日はみなさんを和光高校に迎えるにあたり、「学ぶ」ということでお話ししたい。このテーマで何を話そうか考えていた時に、ふと思い出した歌がありました。その歌は、十代のみなさんに人気のあるグループRadwimpsの『正解』という歌です。その歌のサビの部分の歌詞は「あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ」となっています。みなさんは、どう思いますか。その通りだと思うでしょうか。少なくとも高校入試の試験問題のほとんどは、選択肢から答えを選ぶか、単語を答える問題がほとんどです。おそらく、中学校の定期試験や授業でもそういう傾向があるでしょう。和光では、文章で答える問題が多いとはいえ、私自身も試験では、「正解」のある問題がほとんどの試験問題を作ってきました。その経験で間違いなく言えるのは、67点と68点とで力の差があるということは絶対に無いということです。しかし、入試ではその1点が合否を分けることがある。選択肢がたまたま当たったら4点ぐらい違うことはあるのに、です。

少し話がそれてしまいました。では、「答えが無い問い」とはどんなものでしょうか。

例えば、少子化問題というのが、そうではないでしょうか。あぁ、聞いたことがあるという人が多いでしょう。子どもを産む人の数が減っていて日本の人口が減少していく、そうすると年金のためのお金を払ってくれる人が少なくなって、年金制度が持たなくなるだろうとか、物を買ってくれる人は減るし、働く人は減るしで経済そのものが縮小していってしまうという問題です。ここでは、問いは、はっきりしています。しかし、正解はない。正解があれば今頃日本の少子化は止まっているはずです。

もう一つ例をあげましょう。沖縄の辺野古というところに、日本政府は現在、米軍基地をつくっています。普天間基地という街中にある、事故の起きやすい基地を撤去するにはそれしか方法が無いと言っています。しかし、沖縄県はこれに反対していますし、選挙結果を見れば、県民もその判断を支持していると言ってよいでしょう。この問題にどのような判断を下すのが「正解」なのでしょうか。

実は、2番目の例は高2の選択授業の中で取り上げられている問題です。1番目の例も高3の現代社会の授業でしばしば取り上げられるテーマです。「答えの無い問い」を取り扱う授業が、全てではないがいくつもあるのが和光高校の特徴だと私たちは思っています。「答えの無い問い」とは、立場によって答えが分かれる問題、現実社会に直結する問題であることが多い訳ですが、和光高校はみなさんに「あなたは一体どのように考えるのですか」「あなたはどのように社会に関わっていくのですか」と問いかけているのです。

「学ぶ」とは「正解」かどうかを測るための知識を詰め込むことではない、勿論知識は無いよりは有るほうがよいですが、自分の立場を自覚しながら「正解」の無い問いを考え抜くことが「学ぶ」ことだと、私は思います。

 

さぁ、高校生活のスタートです。再び、Radwimpsの『正解』の歌詞に戻れば、「理屈に合わないことを どれだけやれるのかが青春」なのかもしれません。何にでも挑戦できるのは若者の特権です。思い切り自分を試して、前に進んでいってください。

2019年4月9日 和光高等学校 校長 橋本 暁

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