入学式 校長式辞

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第71回 和光高等学校 入学式 式辞

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新入生のみなさん、ようこそ和光高等学校へ。高校への入学は決まっていても、1回も通学できてないのだから、自分は本当に高校生になったのだろうか、と思っていた人もいるでしょう。ですから、ここでみなさんに改めてお伝えしたい。新入生のみなさん、入学おめでとう。私たちはみなさんのことを心から歓迎します。

休校期間中、なかなかみなさんに和光高校としてのメッセージを伝えることができませんでした。最初のうちは、郵送やホームページを通じて、という形を取らざるを得ませんでした。そのような形の一つとして、校長メッセージを4月に動画配信しました。見ていてくれると嬉しいのですが、その中で、みなさんに考えて欲しいと投げかけた問いがあります。それはこんなことでした。「米国のトランプ大統領は、『自分は戦時下の大統領だ』と宣言し、『コロナウィルスとの闘いは戦争だ』と言いました。しかし、私はこの認識は明確な誤りだと思っています。みなさんに直接会えた時に、私の考えは述べたいと思っています」と伝え、みなさんにトランプ発言について考えることを呼びかけました。今、私なりの考えを皆さんに伝えるときでしょう。

戦争というものは基本的に自国の外に敵がいる、ということを前提にするという点で、大きく違うということです。コロナウィルス感染症は世界的な、グローバルなものです。ですから、お互いの国の情報を交換して対処しなければなりません。具体的に言えば、ウィルスはどんな特徴を持っているのか、どんな薬が効くのかということでしょう。国際的に助け合わないと病気に対抗できません。マスク、検査試薬など医療用品をお互い融通しあうことも病気の広がりを防ぐために必要です。他国を敵とするのではなく、協力しなければならないのです。しかし、戦争に似ているところもあります。戦争中には、国内的な対立が棚上げにされ、団結が呼びかけられるのは歴史が教えてくれるところです。非常時だということで様々な我慢が必要になることも似ています。トランプ大統領は、国内的団結を自分への支持率アップにつなげるために、そして、コロナを予防するのに国民に我慢を強いることを正当化するために「戦争だ」と言ったのでしょう。

なぜ、みなさんにこんなことを考えてもらったのか。それは、政治・社会と個人というものを考えて欲しかったからです。いくら個人的なことに没頭して過ごしている、政治なんて関係ないよ、と思っていたとしても、皆さんも私も政治に結び付けられているということです。今回のような危機の時には、その関係が露わになると言ってよいでしょう。政治と私たちがつながっているのなら、少しはましなものにするために努力する必要があるのではないでしょうか。残念なことに、適切ではないメッセージを発したトランプ大統領のアメリカは、世界で最も裕福な国の一つであるにも関わらず医療崩壊という状況になってしまったのは、みなさん知っていることでしょう。

 

もう一つ、みなさんに伝えておきたいことがあります。「和光は人と人との関りを大切にする学校だ」と折あるごとに伝えてきました。しかし、新入生のみなさんの中には、この学校にまだ一人の知り合いもいない、という人も結構いると思います。でも慌てなくていいよ、と言いたい。この学校は様々な場で自分の考えを求められます。授業の中でも、ホームルームの話し合いの場でも、です。やがて、自分の周りにいる人がどんな人なのか分かっていきます。そういう中で、自分と合う人が見つかってくることでしょう。少しずつ知り合っていけば良いのです。

これから先、コロナウィルスの影響がどの程度続くか分かりませんが、皆さんひとり一人に用意されている和光高校での時間は同じです。それをどう活かすかはあなた次第。さあ、新しいスタートです。一日一日を大切に過ごしていきましょう。

2020年6月4日 和光高等学校 校長 橋本 暁

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